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1980's BEST OF BESTS〜この1枚! |
FAIRGROUND ATTRACTION / THE FIRST OF A MILLION KISSES 10/18/99 1988年に発売された彼らのファースト・アルバム。深まる秋の夜長にピッタリ、アコースティックな一枚です。全篇生ギター中心の極めてシンプルなサウンドで、心にしみいる音なの。アコースティックなベース(ギタロン)、ブラシを多用したブルース系のドラム…。そこに女性ボーカルエディ・リーダーの表現力豊かな声が、時に切々と、時に跳ねながら、気持ちよくかぶさる。 珠玉のバラード揃いだし、日本でも大ヒットした"PERFECT"も収録されてる。でもわたしが一番好きなのは、"CLAIR"って曲。ややアップテンポ系なんだけど、ちょっと抑圧された、月夜のセンシュアルな雰囲気が感じられちゃってたまらない。 グループ名のFAIRGROUND ATTRACTIONは、移動遊園地っていう意味。ヨーロッパを旅行してると、よく空き地にメリーゴーラウンドや回転木馬があって、おじいさんが手回しオルガンを弾いていたりするでしょ? 暗い空き地に妙にきらびやかな回転木馬が、明るい音楽とともに回ってて、子供がひとり、楽しそうに笑いながら手を振る。サーカスに似てどこかキワモノ的で、妖しく、ちょっと猥雑で、退廃的…。突然、煙がぱっと上がって、一瞬のうちに消え去っちゃいそうなはかなさ…。夢と現実のはざまみたいな雰囲気がある。 だからってわけでもないんだろうけど、彼らはこのアルバムと、(確か)あと1枚出しただけで、あっけなく解散しちゃった。一度だけ来日公演もしたけど、見損なったわたしは、その後数年間後悔してたんだっけ…。 でもボーカルのエディ・リーダーは、ソロになって活動開始。日本にも何度も来てる。もちろん、ソロとしての初来日のとき、川崎のクラブ・チッタまで見に行った。3時間くらいの大ステージ、大熱唱だったけど、ビール飲んじゃって、オシッコ我慢してたことが、妙に印象に残ってる。 話はそれたけど、とにかくこのアルバムはお墨つきの買い! 癒し効果もあって、(例え一時的だとしても)心がサラサラになる感じ。ジャケット写真は、マグナムに所属していた有名フォトグラファー、エリオット・アーウィットの1955年の作品です。好きなんだよね、この写真。
主な収録曲
SADEのクールでけだるいボーカルと、ベースのコンビネーションが、とにかくカッコいい。ドラムもタイトだし、ナイル・ロジャース系の控えめなギターも…ね。最小限の音数で、ビシッとキメてる。 むかーし、「フュージョン」って音楽があったけど、好きじゃなかったの。それぞれの楽器が「ほら、ボクが一番上手でしょ」って、テクニックを競い合い、音数がやたらと多かった。そのフュージョンのいいところ〜いろんな種類の音楽の融合、洗練された音作り〜を抽出し、進化させ、ミニマムにした究極のカタチが、このアルバムだと思う。 発売は1988年。もう11年もたつんだけど、音はまったく古さを感じさせない。っていうか、90年代に入ってからも、ソウル系、R&B系、ダンス系など、いろんなシーンで、「この音」が継承されていってる。 聴く時間帯は、真昼よりも、夕方から夜がいい。お酒を飲みながら聴けば(やっぱ、カクテル系ね)、いいムードになるはず。ジメジメした梅雨の雨音も、このアルバムを聴けば、リゾートのスコールに聞えるかも???
主な収録曲
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