ホームなーんちゃって香港 重慶大廈宿泊の巻

01/21/2002


重慶大廈宿泊の巻


香港は3回め。1回めは台湾人のともだちといっしょに行って、彼女のおともだちのマンションに泊めさせていただいた。香港島のフォートレス・ヒルっていう駅にある、オーシャン・ビューの、かなりゴージャスな御宅。

2回めは、日本人のともだちと行って、かなりエコノミーなホテルに泊まった。彼女が一足お先に帰ってから、「今度こそ!重慶大廈(重慶マンション)に泊まってやる〜!」と意気込んだ。が、英国人とケッコンして現地に住むともだちの猛反対にあって、あえなく挫折。「あそこにだけは泊まらせられない。ウチに来て!」。「わたしの目の黒いうちは・・・」的勢いで、説き伏せられた。

で、今回。念のため、重慶大廈に泊まることが目的で香港に行ったわけじゃないからね。出発間際、バタバタしちゃって、結局、行きの飛行機のなかで、どこに行こうかな、どこに泊まろうかな・・・って感じだったんだから。

1泊めは、空港で予約した3つ星クラスのホテルにした。地下鉄のジョーダン駅入口のすぐ隣りにある、シャムロック・ホテル(新樂酒店)ね。ロケーションはいいし、お部屋はきれいだし、もちろんテレビはあるし、冷蔵庫には冷たいビールが入ってる。一部屋、税金など込みで339香港ドル(約6000円)。チェックインの時、意を決して、「1泊だけ!」と宣言した。

重慶大廈に宿を探しに行った。ここを知らないひとに説明するなら・・・。

・伝説の九龍城ほどではないが、けっこうディープな香港的複合ビル。
・バックパッカーには超有名で、安宿が集まっている。
・アフリカ系、インド系など、さまざまな人種のるつぼ。
・映画『恋する惑星』のロケに使われた。
・1階は、「だれが買うの?」って感じのみやげ物屋+両替屋さんが並ぶ。
・とても古い。

エレベータは何台かある。3階に行くにも、A区画、B区画・・・っていうように分かれてるわけ。つまり、3Aに行くのに、Bのエレベータに乗っても着かない・・・ってことね。で、各エレベータの1階乗り場には、セキュリティのおにいちゃんたちがいる。エレベータ内にはカメラが据え付けられていて、1階のエレベータ乗り場に備え付けられたモニターに、中の様子が写し出されるの。すっごいじゃん、しっかりしてる!?

ゲストハウスは山のように入ってるけど、どこに行っていいのかわからない。とりあえず、テキトーなゲストハウスを選んで、手近なエレベータに乗った。降りたら、ディープだった。向かいのゲストハウスも、あやしかった。撤退。

ちょっとめげたので、別のビルのゲストハウスはどうだろう???と思い、ミラドール(美麗都)に行ってみた。同じようなもんだった。それにしても、何の因果で、あんなに居心地のいいホテルを捨て、いい年こいて、こんなところをウロウロしてるんだか・・・。あれ? これって、あたしの人生、象徴してる!?

そのとき、ハタと思い出した。香港政府観光局発行のホテルガイドに、「ゲストハウス」というコーナーがあったことを。おもむろにホテルガイドを開くと、載ってるじゃない!重慶大廈に入ってるゲストハウス。

重慶招待所、重慶招待所・・・とつぶやきながら、再び、重慶大廈に踏み入った。今度は、やや大股で。建物に半分入りかけたわたしを引き留めたオトコがいた。ミスター・リーだった。

「こんなとこで、客引きにつかまってたまるかい!」ってのが、そのときの正直なわたしの気持ち。

「重慶招待所に行くの。決めてるんだから!」
強い調子で言うと、彼は満面の笑みを浮かべ、両手を広げ、次にカードを取り出し、ついでに勝ち誇った表情を見せ、宣言した。
「ボクこそが、重慶招待所のオーナーだ!」。
印籠のようにかざしたカードには、香港政府観光局発行のホテルリストに掲載されてるのと、同じ写真。

こんなことって、あり? 半信半疑状態で、彼とエレベータに乗った。エレベータを降りると、テナントがいなくなったのか、空間がポカンと空いてて、コンクリートが剥き出しになっている。あらぁ・・・、廃墟?

重慶招待所に辿り着くまでの数メートルは妙に長かったけど、中に入ってみると、意外ときれい。っていうか、そこまでがすごかったから、安心しただけなんだろうけど。見せてもらったお部屋も(狭いけど)こぎれい。

「いくら?」
「180香港ドル(約3150円)だよ」
高い!って思った。ちゃーんとした3つ星クラスのホテルが、339香港ドル(6000円)なのに、天下の?重慶大廈で、180香港ドル??? でもまあ、ここで10や20ディスカウントするためにエネルギー使うんなら、その分、散歩にとっておいたほうがいいもんね。前金でお支払いしました。

「エレベーターは、なかなか来ないから」と言いながら、ミスター・リーは、下へ降りる階段の場所を教えてくれた。これまたディープで、最初はこの階段を降りるくらいなら、エレベータ待ったほうがいいって、思った。でもすぐ慣れて、そのうち、一段置きに駆け下りるようになった。ホントにエレベータがなかなかこないしね、重慶招待所があるのは3階だし、ま、万が一の火事に備えて、階段の降り方を覚えておくのもいいでしょう。

お部屋の広さは10u弱ってところかな。掃除が行き届いていて、とってもきれい(きれいの定義は人それぞれだけどね)。ベッドが大小ふたつある、いわゆるツインルーム! Blue Skyという謎のメーカーながら、リモコン付テレビもあるし、バスルーム(シャワーのみよ、もちろん)も部屋の中にある。静かに動くエアコンと扇風機までついてるんだから! これで180香港ドルなら、コスト・パフォーマンスいいんじゃない???

チェックイン時に、招待所入口の鍵と部屋の鍵を渡され、使い方を丁寧に説明してくれたし、バスのルートを訊ねたら、これまた親切に教えてくれた。宿泊中に身の危険を感じたこともまったくなかったしね、拍子抜けしちゃった。

ん?オチがない? うん、ないんだよね。ま、写真でも見てみてね。


関連リンク 重慶招待所写真 

 


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