「ジプシー文化を核に作られたラテン最高のカクテル、その名をアスーカル・モレノという」。彼女たちのサイトのキャッチコピーは、こんな感じになってます。根はフラメンコなんだけど、中南米的なフレーバーも取り入れた情熱的なラテン音楽…。わたしの大のお気に入りです。

彼女たち、芸歴はかなり長くて、デビューは1984年。でも“ザ・ピーナッツ”みたいなラテン歌謡を歌ってた80年代は、けっこう地味な存在だった。ところが91年、「テクノ・フラメンコ」の名のもとに発表したアルバム "MAMBO" がスペインで大ブレーク。ラテンの燃えたぎる情熱を朗々と歌い上げるボーカルスタイルと、テクノ的な音の融合はすっごい新鮮だった。

ただこのころはちょっと「キワモノ的存在」だったことは否めない。ストーンズの"PAINT IT BLACK"や、ラテンスタンダード"BESAME MUCHO"などをテクノ的なアレンジで歌ってたんだけど、「一発屋じゃない？」って思ったひとも多かった。

しかし翌92年、ラテンアメリカ的な要素をグーンと濃くしたアルバム"OJOS NEGROS"（黒い瞳）を発表。これが名曲揃いの大傑作アルバム！ 94年に出した "EL AMOR"（愛）は情熱ほとばしりの絶頂。96年の "ESCLAVA DE TU PIEL"（あなたの肌の奴隷）は、フラメンコ色が強く、アラブ系な音も取り入れ、彼女たちのルーツをひもといています。このあたりの迫力はすごいね。鳥肌ものです、ゾクゾクッ。

妙な小技を使ったりせず、ハモりもせず、ユニゾンでひたすら情熱的に歌い上げるスタイルを守り続けてて、血が湧き踊っちゃう。歌詞も相当Ｈで、ドキドキ。「裸になって！わたしも脱がして！」「あなたに会うと食べたくなっちゃう」「今日はあなたが欲しいの」…。聴いてるだけで、Ｈしたくなるって感じ…。

彼女たちの最新作は "OLE"。スペインでは去年発売になりました。で、これまたすばらしい仕上がり。どんどん自分たちのスタイルを確立していってるんだよね。今回のアルバムは、情熱やや抑え気味、ちょっとジャジーでしゃれた雰囲気になってます。

渋谷のTOWERなど、外資系輸入ＣＤショップには、彼女たちのコーナーがあるところもあります。お薦めＣＤは、"OJOS NEGROS" "EL AMOR" "ESCLAVA DE TU PIEL" "OLE"。あとベスト盤も出てます。CHECK IT OUT!!!

関連リンク 彼女たちの公式サイト（スペイン語）http://www.estratega.com/azucarmoreno/