ホーム> 60日間のラテンな旅行体験記
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こんなネコ、あんなネコ |
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みやげ物屋のレジを担当していた女のコは、ニベがなかった。「この世の中に店番するほどイヤなことはない」といった感じ。しかし自動ドアの向こう側に寝そべっているネコを見つけた途端、彼女の虚ろな瞳がパッと輝いた。 「まあ、かわいそうに入れなかったのね」 彼女は絵に描いたようなネコなで声を出し、ネコのために自動ドアを開けてあげた。ネコは体重が軽いので、自動ドアが開かなくて困っていると思ったらしい。 ネコが寝ていたのは気持ちよさそうな日だまり。
「別に中に入りたかったわけじゃないけど、せっかく開けてくれた好意を無にしちゃ悪いにゃ」とネコは考えたのかもしれない。ノソノソとみやげ物屋に入り、またゴロンと横になった。
ホテルの敷地内にはねこがいっぱい。これでネコには不自由しないと思ったが、甘かった。みんな愛想が全然ないのだ。しかしそれでもメゲずにしぶとく呼び続けたら、あるネコが(しぶしぶ)やってきた。 唸りたくなるほどかわいくない顔の彼女(タマタマはついていなかった)、しかしツボを撫でて差し上げたら、地面でンゴロンゴロしながら喉を鳴らし、気持ちよさそにしている。器量が「多少難あり」ならば、愛敬でカバーするのは、ネコも人間もいっしょ??? 草むらに隠れたまま寄ってこなかったネコたちは、何も目に入らないような顔でじっとしていた。
「いまさらしっぽを振って出て行くわけにはいかないよ、ネコはプライドが高いんだから。でもちょっとうらやましいにゃ」、彼らはそんなふうに思っている。
犬はよく見かけるが、ネコは比較的少ないペルー。農場を改装してつくられたホテルの庭で朝食をとっていたら、ネコ一家が現れた。
柔らかい朝日に照らされ、緑に輝く芝生で子ネコたちが走り回る。まるで絵ハガキのような光景を見ながら飲むコーヒーのおいしいこと!
そのうち欲が出てきて、いっしょに遊んでもらおうと思い近づいたら、子ネコたちは一目散に逃げた。気が小さいタイプだったのね、残念!
テアトロ・グレコ(ギリシャの野外劇場)で出会ったネコ。イタリア人(ネコ)らしくお喋り。初めはわたしに話しかけているのだと思い、返事をしていたが、どうやら彼女の「ムニャムニャ…」はひとりごとだったようだ。 白地にグレーの模様入り、縞縞の尻尾がチャームポイントの彼女は、小顔で顎のあたりがスッキリした今どきな顔立ちである。座席のうえでンゴロンゴロと気持ちよさそうに転がっていたので手を出したら、「フギャッ」と言って噛みついた。予測がつかないネコの行動、でもそれがまた魅力。 旅行が長かったわりには、ネコとの出会いが少なかった。携帯電話はいっぱい見かけたのになあ。 旅行した時期は1996年10月〜11月です。 |
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