＜物語の始まり＞
20年前、名家でお手伝いさんをしていたルシアナは、お坊ちゃまと一夜を共にし、妊娠してしまう。お坊ちゃまはいい人だったけど、お母様が超意地悪女で、彼女とお坊ちゃまを引き裂き、彼女が妊娠したことを知りながら、放り出しちゃうのね。

バスのなかで出産したものの、お金もなく、食べ物もない。途方に暮れた彼女は、ある大雨の夜、大きな門構えの家の前に生まれたばかりの赤ちゃんを置き去りに…。そしてどしゃ降りの雨に打たれながら「ぜったいにお金持ちになってやる！」と泣き叫んだのであった。

そして時は流れ現代。メキシコのトップ女性デザイナーになった彼女は、超お金持ち状態。一見、充実した毎日を送っているが、捨てた我が子がどうしても忘れられない。そんな彼女の前に、孤児院で育ったモデル、クリスティーナが現れた…。

ああ、なんて古めかしい物語!!! ルシアナが捨てた赤ちゃんがクリスティーナに決まってんじゃん！わかっちゃいるけどやめられない。

＜そして百巴に絡まる＞
物語の軸は主人公クリスティーナと、ルシアナの息子ビクトル・マヌエルの愛（彼はルシアナの夫の連れ子なので、血のつながりはない）なんだけど、ビクトル・マヌエルの前に突然、性格がとても悪い＜元婚約者タマラ＞が現れ、復縁を迫るのね。

タマラは、別の男とも肉体関係があり、その男の子供を妊娠しちゃうんだけど、「子供なんかいらん」と拒否されたもんだから、ビクトル・マヌエルの子供だってウソついて彼に結婚を強要する。

ときを同じくしてクリスティーナは（これはホントに）ビクトル・マヌエルの子供を妊娠するが、いいそびれているうちに、タマラが彼の子供を妊娠していることを知らされ、彼と別れる決意を固める（でも忘れられない）。

ビクトル・マヌエルは真剣にクリスティーナを愛しているんだけど、性格が優柔不断な上に、タマラが自分の子供を妊娠してしまったので（ウソなんだけど）、仕方なく彼女と結婚しちゃう。

クリスティーナは、未婚の母になる決意を固めるんだけど、さまざまな苦難がこれでもか！これでもか！と襲ってくる。クリスティーナが実の娘であることを知らないルシアナに、いじめられまくったり…。

ああ、かわいそうなクリスティーナの運命はいかに???

このあたりは物語の序盤部分のほんの一部。このあと人間関係はさらに強力に複雑に絡み、もう百巴状態…。

＜メキシコが燃えた!?＞
このテレノベラはメキシコでは１９９９年２月いっぱいで終了。物語が佳境に入った２月第一週目には、全番組視聴率ランキングで１位、39.4％を記録したって雑誌に出てた（ TV Y NOVELAS 2/16）。日本じゃ考えられないくらいの人気なの、これが…。

ラテンアメリカ各国でもすでに放送中で、知ってる限りでもパナマ、ベネズエラ、コロンビア、ペルー、etc.,etc.,

主演のアデラ・ノリエガは上の写真だとモデルっぽいけど、前時代的なかわいい系。前半は性格がよすぎて、まとめて不幸に襲われてしまう主人公を、クサイ演技でとことん演じてる。後半、ガラッと性格が変わって、強い女性に変身しちゃうんだけど、こっちの演技もやっぱクサイ。でもたまんなく好きなんだよね、このクサさ…。

追加 3/15/1999 このテレノベラを製作しているテレビサが発表したところによると、最終回の視聴率はメキシコ市周辺で50.2％!!! メキシコ全土でも49％だそう。1994年、コロシオ暗殺のニュースの視聴率が51％だったっていうから、推して知るべし。でも、「製作しているテレビ局が発表した視聴率」だからね、ちょっと割り引いて考えたほうがいいかも…。