ホーム世紀末な???中南米旅行インデックス ベネズエラ

11/1/1999

カラカス近郊 おすすめスポット


その1 ベネズエラに存在する"おしゃれ" HATILLO〜アティージョ 
ラテンアメリカを旅行していると、「すっごくキレイ」「とっても大胆」「ビックリするほど派手」「ものすごく濃い」って思うことはよくある。人々のエネルギーに圧倒され、大自然に触れ、遺跡に神様の存在を確信する…。

「洗練されてる」って思うことはとっても少ないんだけど、滅多に見かけない「おしゃれさ」を感じさせてくれるのがこの町、アティージョ。カラカスから路線バスに乗ること1時間弱。高速道路を突っ走り、衛星放送のアンテナつき高級マンションが立ち並ぶ郊外の住宅地を抜け、山道をしばらく登ると、山の斜面に沿って原色の家々が立ち並ぶ風景が現われる。「そうか、ラテンな温泉街みたいなもんか…」が第一印象だったけど、どっこい奥が深かった。

広場を中心とした小さな一帯に、カフェ、レストラン、骨董屋、(品のいい品物を売ってる)土産物屋、BANANA REPUBLICなんか売ってる洋服屋、果ては"SAKE HOUSE"っていう日本食屋まであって、どれもこれもそこはかとなく洗練されている。この「そこはかとなさ」が、ラテンアメリカでは妙に新鮮なの。

お店のなかをよく見ると、骨董屋では中国の昔のおもちゃや獅子の置物を売っている。ベネズエラで、こういう東洋的なものを見ると、とってもエキゾチックなんだよね。あと、昔のベネズエラの俳優や歌手のセピアな写真が貼ってあったり、デザインがきれいなTシャツあったり…。カフェでお茶を飲めば、BGMは軽い感じのタンゴ。愛と情熱がほとばしるような熱いのじゃなくて、エッセンスをうまく取り入れた、ある晴れた日に似合うサラサラしたタンゴ…ね。

ちょっとスノッブ、今回の旅行で一番垢抜けてたのが、ここアティージョでした。でも表参道あたりの雰囲気とは、別の持ち味だから、想像を膨らませすぎないように!

<HATILLO〜アティージョの(おおまかな)データ>
カラカスの中心地 CHACAITO などから、直通バスが出ている。わたしが乗ったときは、HATILLO - CHACAITOが45分くらいだったけど、ここはベネズエラ。45分で着くかどうかはわからない。

注意!が必要なのは、お店の営業時間。12:30〜15:00頃は、カフェやレストランを除いてほとんどのお店が閉まります。あと、週末…特に日曜日は閉まってる可能性が高い。行くなら、平日のほうがいいでしょう。

お店の名前は覚えてないけど、広場の近くに、間口は狭いけど店内が広大な土産物屋があって、いいものをいろいろ揃えてる。ここで買った厚手のコットンのランチョン・マット、シンプルでとっても気に入って使ってる。特に染めた布の色合いがいいものがいっぱいあった。小さい町だから、歩いていればわかるとおもう。

その2 ベネズエラの温泉 AGUAS TERMALES〜アグアス・テルマーレス
ベネズエラ版温泉保養地、オープンエア型の健康ランドって感じ。旅行代理店でもらったパンフレットを見て、温泉好きの血が騒いだ。このところツアーが続いていたので、バスを乗り継いでひとりで行ってみることにした。AGUAS TERMALESって地名かと思ってたら、健康ランド兼ホテルの名前なの。

入場料1500ボリーバル(約300円)を払って中に入ると、脱衣場があり、受付のおばさんが荷物を預かってくれる。このへんは北陸あたりの温泉地、「総湯」の雰囲気なんだけど、大きく違っていたのはお湯の色!

限りなく黒に近い濃く深い緑色で、水面にはクラゲと藻が合体したような、浮遊物がたくさん浮いている。温泉の成分が固まったものなんだろうけど、かなり不気味…。明るさと無気力さが融合したタイプのラテンなおにいさん3人組が、網ですくって藻を取ってるんだけど、次から次へと生まれてくるのか、仕事熱心じゃないからか、あんまり減ったようには見えない。

温泉プールが3つ、打たせ湯、煙にいぶされるタイプ、室内サウナがあり、3つのプールはそれぞれ微妙に温度が違う。そのうちのひとつは、日本人のわたしが入っても充分に熱かった(ペルーで入った温泉は、風邪ひきそうにぬるかったっけ)。この温泉、見かけ倒しじゃなく、実際の成分も濃いらしい。「大人は10分、子供は5分以上つからないように!」と注意書きが貼ってあった。

特に人気があったのは、お湯が噴出する打たせ湯もどきで、順番待ち! ただし、日本のように上から落ちてきて肩コリに効くタイプじゃなく、横に吹き出して腰に当てるのね。サウナはミスト系、ちょっと入っただけで肌の表面がねっとり濡れる。これも温泉の成分を含んでいるみたい。そんなに匂いはきつくないんだけど…。

サウナ部屋の真ん中の床には、大きな鉄製のフタがかぶせてある。ま、ベネズエラだし、念のため、踏まないように避けて歩いてたら、それを見ていたおばさんが、「だいじょうぶよ、ハズれたりしないから」と言いながら、フタの上を軽やかに歩いてみせてくれたりもした。

敷地内には動物園もあって、オウムもいる。で、なぜかフツーのハトやカモもオウムといっしょにオリに入っていて、オウムといっしょにマンゴーやパパイヤを食べてた。フツーに見えて、実はトロピカルな体質だったのね。

この日の天気は、かつて経験したことがない気持ちよさ。暑くもなく、寒くもなく、湿度もなく、ときどき柔らかい風が吹く。プールサイドで横になってると、天気と自分が違和感なく一体化したような、ふしぎな感覚に包まれた。

<AGUAS TERMALES〜アグアス・テルマーレス 行き方>
1 カラカスのLA BANDERA(ラ・バンデーラ)というバスターミナルから、VALENCIA行きのバスに乗る(ノンストップで2時間)。

2 VALENCIAのバスターミナルで、PTO. CABELLO(プエルト・カベージョ)行きのバスに乗り換え、TRINCHERASの近くで降りる。降りるのは、高速道路の途中、バス停のないところ。運転手さんに行き先を伝え、教えてね!ってお願いしましょう。

3 高速道路の階段を降り、旧道に出てから、徒歩10〜15分。特に目印はないので、近くの人に尋ねる。

 


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