ホーム世紀末な???中南米旅行インデックス メキシコ

6/7/1999

メキシコなひとびと(メキシコシティ篇)


その1
メキシコシティは人口の増加が著しくて、一極集中状態になっている。仕事を求める人々が地方から殺到してるそうで、現在の人口は2200万人、プラス郊外に300〜400万人が住んでいて、しかも毎年100万人づつ増えているというからすごい。

だから地下鉄も、夕方のラッシュ時はとっても混んでいる。後からドンと押されちゃったりして、「あらあ、メキシコも東京並みだわ」と思ってたら、わたしを押したオヤジが言った。

「ごめんね。でももしボクがあなたを押さなかったら、ボクはこの電車に乗れなかったんだ。本当にごめんね」

それから彼としばしお喋り。最後に「君みたいに美しい東洋人の女性は見たことがない」とまで言ってくれた。お世辞とはわかっていても…、やっぱメキシコはステキだ。

その2 メキシコシティの旅行代理店で、コロンビアなどに行く航空券を手配した。クレジットカードを渡すと、担当のオヤジがウィンクしながら言った。

「チケットは5分でできるよ。ただし、メキシコ時間で5分だよ」

で、チケットは10分ちょっとでできた。これは早い!でも…旅行代理店に足を踏み入れてから、チケットを受取るまで1時間はかかったけどね…。

その3 ピラミッドに行く1日ツアーを予約した。迎えは40分以上遅れた。まあいいようなもんだけど、「遅れ過ぎよ」と言ってみた。どうやら、迎えに来たひとは、わたしがそんなに前から待ってたことを知らなかったらしい。「それはたいへんなことだ。行き違いだが、二度とこんなことがないようにする」なんて答えたので、ビックリ!ラテンの国でそんなこと言われたの、初めてかも…。特に外国人に対しては、時間にキチッとしないと!っていう、そんな意識が芽生えてるみたい。

その4 人口は激増してるけど、そんなに仕事はない。だから物売りとか、大道芸人、靴磨きなどが急増している。メキシコシティの銀座といわれるソナ・ロサを歩いていたら、少年に呼びかけられた。

「靴をシャンプーしない?」

スニーカーをはいているので、滅多に靴磨きからは声をかけてもらえない。なぜ?と思って足元を見ると、ピラミッド観光帰りのわたしの靴は、埃で真っ白。これじゃあ、靴磨きのプロとしては、見過ごせないわ…。

その5 地下鉄に乗ってたら、靴磨き少年が歩きながら、ちゃっかりみんなの靴を磨いては、お金をもらっていた。しかしある立派な紳士の靴は磨かずに通り過ぎ、別の人の靴を磨きにいった。

「なぜ、ボクの靴は磨こうとしなかったんだろう」

紳士の顔にはそう書いてあった。彼は足を組み替え、まじまじと自分の靴を見詰める。普通、靴磨き少年たちは、ピカピカだろうと、なんだろうと、ビジネス系の靴は必ず磨くのに…。わたしもいっしょになって、彼の靴を見つめた。でも理由はわからない。

地下鉄にはいろんな物売りが乗ってくる。60分のカセットが5ペソ(約60円)、4色ボールペンも5ペソ。「赤いインクに、緑のインク、青いインクに、黒インク〜。みーんなこれ1本でOKさ〜」と歌いながら、パフォーマンスしながら工夫して売ったりもする。

で、この地下鉄、料金は1.5ペソ(約20円)とお安いが、切符売場はいつも長蛇の列。自動券売機は見かけないんだよね。そこで誰かが考えた。「地下鉄の切符を2ペソで売って儲けよう!」。ニュースでは、売人!?のおばちゃんが、ちゃんと顔を出してインタビューに答えてて、「切符売場の列はとても長い、だからこの商売はどうしても必要だ」と熱弁をふるっていた。1時間で20枚くらい売れることもあるらしい。ん?ってことは、儲けは100円??? うーん…。

その6 タクシーに乗った。9時から始まるテレノベラがどうしても見たかったので、「お願い、飛ばして!」を連発したら、ドライバーのオヤジも「今すぐ!(AHORITA!)」を連発…するんだけど、道を間違えたりなんかして、なかなか着かない。何度も住所を尋ねるので、わたしも念仏のようにホテルの住所を繰り返した。

「どうしてそんなに急いでるんだい?」

「テレノベラが始まっちゃうのよ」

「ああ、月曜日から金曜日までやってる、あれか。ウチのかみさんが、大好きだよ」

その7 メキシコシティにはお巡りさんがてんこ盛り。有事かしら…って思っちゃうくらいたくさんいるんだけど、「ただ警備してるだけだよ」って、メキシコ人は言っていた。お巡りさんが多いと、観光客は何かと安心。道も教えてくれるしね〜。で、彼らは総じて非常にや・さ・し・い。このバスに乗って、ここで降りろと紙に書いてくれたり、別れ際に「プレシオサ(かわいいひと)」なんて、呼んでもらったり…。

 

関連リンク テレノベラ

 


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