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5/31/1999 |
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アメリカを憂うアメリカ人との出会い | |
わたしが知ってるアメリカ人たち…お世話になった人もいる、アメリカに住んでるともだちもいる。いい人たち…。だけど、特に中流階級以上のアメリカ人の多くは、超保守的、アメリカが世界で一番だと信じてる、他の国はアメリカのやり方に従うのが当然だと思っている、世界中で英語が通じて当たり前、他の国の文化を理解しようとしない…傾向が強いって、わたしは思うの。 アメリカ人観光客は、英語が通じる安全な場所が好き。とっても危険に敏感だから、テロが頻発するような国には、まず行かない(親戚がいるとか、現地の言葉が喋れれれば別だけど)。英語が通じにくくて、治安もあんまりよくない中南米では、アメリカ人に会うことは少ないし、あんまりいっしょに行動したくないタイプが多いの。これはわたしの印象だからね、あくまでも。 でもオアハカの遺跡ツアーで会った「彼ら」は違った。いっしょに見た遺跡のことは、もうほとんど覚えてないけど、彼らのことは忘れられない。ツアーが終わり、ソカロ(中央広場)に面したいい雰囲気のレストランで、メキシコ料理を食べた。 「あなたはずいぶん旅行してるけど、フレンドリーなアメリカ人旅行者と会ったことがあるか、正直に言ってほしい」 「アメリカ人は禁煙に狂信的すぎる」 「アメリカの健康保険制度には問題がある」 「いままで旅行してきて、どこの国のグループ旅行者がフレンドリーだと思うか?」 席についてしばらくすると、こんな質問や批判が次々出てきて、わたしは心底驚いた。今まで旅先で会ったアメリカ人(+カナダ人)は、その国のよくないところを取り上げ、自分の国と比較して、「この国も自分の国のようにするべきだ」調で演説する人が多かったの。初対面で、自分の国を正面きって批判したアメリカ人は…記憶にない。 まあ、いくらアメリカが好きじゃないわたしでも、こういう風に善意で尋ねられちゃうと、はっきりモノがいいにくい。「いやあ、昔、アメリカ人のお宅にしばらくホームステイしてたけど、とってもいい人で、今でもクリスマスカードのやりとりしてる」なんて答えると、「それじゃあ、旅行してて、フレンドリーなアメリカ人に会ったことがあるか?」とさらに突っ込んでくる。 彼らには憂いがあった。アメリカに対する憂い、「アメリカはこれでいいのか?」っていう疑問…。彼らはキューバも肯定した。ベネズエラやキューバなど、中南米諸国を旅行してて、「みんなすごくフレンドリーなんだ」って、目を輝かせて言う。 NATOは「正義」を盾に、ユーゴで頻繁に誤爆を繰り返す。「誤爆」のニュースに驚かなくなるのは、とってもこわいこと。「入手した地図が古かった」なんて…人間の命を何だと思っているんだろう。ミロシェピッチを援護するつもりはないけど、少なくとも、正義をふりかざして、罪のない一般の人々を殺す権利はNATOやアメリカにはない。 セルビア国営放送局をNATOが爆撃したとき、たくさんの罪のない若者が死んだ。カメラマン、ヘアメイクの女性、守衛、技師…。列車が誤爆されたときには??? 病院が誤爆されたときは??? NATOが空爆始めたころ、テレビでアメリカの世論調査結果をやってて、いつものように空爆支持が俄然多かった。でも…支持してないアメリカ人だっている。彼らみたいなアメリカ人に会って、「空爆を支持しないアメリカ人の顔が見えた」ような気がするの。 オアハカのレストランで食事が終わって、「タバコ、吸ってもいい?」って尋ねたら、「もちろんいいよ」。しばらくすると、ひとりが「1本もらってもいい?」って言う。さらにしばらくしてから、もうひとりが「わたしも1本…」。すごーくうれしそうな顔して、火をつけた。 彼らはわたしの「ステレオタイプなアメリカ人」って、思い込みを拭い去ってくれた。世の中単純じゃないけれど、「会えてよかった人」に会えるのは、旅行で一番大切なこと…じゃない???
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