ホームなーんちゃって香港 香港街中歩く乗る

10/21/2002


香港街中歩く乗る

とにかく歩くことと、乗り物に乗ることが好き。それなら、東京で、1日乗車券買って都営荒川線に乗って、途中下車して散歩してても同じことなんだけどね、やっぱ、旅行先でのトリップ感は格別。とりわけ、香港は、「力懐食匂租熱気建商港雑極喋喧騒新旧混在」な街だから、移動していくたびに、さまざまな、好みな風景がひろがっていく。『花様年華』な世界だって、存在してるかも。そんな気にもなってくる。

<空港−市内を結ぶリムジン>
新国際空港は、やたらとキレイで、広かった。あーあ、懐かしー!啓徳空港。街を歩いていると突然薄暗くなって、見上げると、どデカイ飛行機が真上を飛んでいて。着陸するときも、密集した香港の街がグングン迫ってきて、ジェットコースターみたいで。

ま、それはともかく、新国際空港から香港市街へは、リムジンバスに乗りました。宿泊したジョーダンの新樂酒店の目の前まで連れていってくれて、所要時間約45分。途中、通ったランタオ島は、開発の真っ最中。高層建築物をあっちこっちでつくっていた。でも、すぐそばに、昔ながらの漁村も残っていて、「21世紀VS20世紀的風景」が、香港らしいコントラストだなって思った。
高速道路をかっ飛ばし、ほどなく、バスはネイザン・ロードへ。ネオンサインに両脇から羽交い締めにされるようなスペクタクル。ダブルデッカーの2階の窓から街を見ながら、思わずニヤけてしまいました。

<歩く>
いったい何そうさせるんだかわからないけど、突き上げるような衝動?とともに、歩き回った。

1日め〜九龍周辺
宿泊したホテル(新樂酒店)があるジョーダン駅から、チムサアチョイ駅なんて、ほんの手始め。ジョーダンに戻り、ボーリング・ストリート−> テンプル・ストリート(男人街)−> シャンハイ・ストリートと歩き、モンコックあたりまで行って、ネイザンロードに沿って、ジョーダンに戻った。地図見てみたら、6キロくらいは軽〜く歩いてるみたい。

下町っぽいんだよね、垢抜けてないっていうか、あやしいっていうか。ガイドブックには、思わせぶりなことがたくさん書いてあったけど、ちょっと古い情報だったからかな、想像してたより、ディープじゃないような気がしたもんだから、ガンガン歩いたのかもしれない。天后廟(工事中で入れなかったのが残念!)の隣りにある公園周辺が、比較的あやしかった。夜の8時ごろまで歩き回ってた。

このあたり、あんまり治安よくないらしいけど、身の危険を感じるより、ものすごい熱気+活気に圧倒された。金曜日だったせいか、家にいる人なんてひとりもいないんじゃないか?ぐらいの勢いで通りに人が溢れていて、そこらじゅうのレストランや食堂や立ち食いの屋台で、食べまくっている。デパートや洋服屋も、いつまでも開いている。

2日め〜香港島〜中環+上環周辺
中環(セントラル)の広場には、イギリス的な建物(立法局大楼)が、ドーンと構えていた。トリニダードやガイアナを思い出す。カリブ海と香港は、こんなに離れているけれど、大航海時代の名残は、こんなところにもある。

骨董品屋が並ぶハリウッド・ロードや摩羅上街、クイーンズ・ロードなどを通って上環に向かう。このあたりは、ちょっとイギリスチックで、垢抜けた雰囲気。太平山街の棺桶屋さんは、もう見当たらなかった。見上げると、建築中の高層ビルがそびえたつ。古いものが消え、新しいものができていく。でも、まだ古いものはいきづいている。黒ネコがのってる、トタン屋根にも。

夜の部は、昨晩とほぼ同じコース。モンコック周辺を歩いた。風景も、自分の感覚も、何の変化もないのに、ひたすら歩いて、それでハッピー。香港のパワーって、すごい。

<トラム>
のんびり進む路面電車。喧騒の極みな香港の風景見ながら、トラムに乗るの、大好き! この際、観光客まる出しで、2階に上がって、一番前か一番後ろの席が取れれば、ラッキー。あと、2階の後部のスペースに立つのもいいんだよね。香港の街がパノラマで拡っていくの。今回は、上環−>北角、北角−>SHAU KEI WANまで、乗り倒しました。

その日は初夏みたいな気候で、温度計は27度を示してた。昔ながらのトラムは、ゆっくり進む。車両には、"EST. 1904" って書いてあった。北角の春秧街(CHUN YEUNG ST.)は、トラムと市場が見事に溶け合う下町。

SHAU KEI WANでトラムを降りると、新興住宅地だった。開発されてて、住宅用の高層ビルが立ち並んでいた。このあたりは、「イギリスが占領する以前からの漁村で、今も漁村の雰囲気が残り、水上生活者のサンパンも見られる」はずだったんだけどなぁ。古いものを求めて、海へ向かう。そしたら、あった。海沿いにサンパンがたくさん停泊している港?が。どこからかやって来たサンパンが接岸し、人々が乗り降りして、またどこかへ去っていく。私設水上タクシーしてるみたいね。洗濯物を干している舟もあった。港のすぐ脇や対岸には、高層ビルの群れ。惹きつけてやまないコントラストは、ここにも・・・。

<スター・フェリー>
古き良き香港の名残がたまらない。改札を通ると、高級品?を売るお店が並んでいて、免税店的な雰囲気もあるしね。むかし、スターフェリーができたころには、フェリーに乗るのはハレの日だったのかな、とか、一般市民は、サンパンで海峡を渡り、上流階級の人々がフェリーに乗ってたのかな・・・なんて想像したりして。で、ついでに、自分の姿が見えないのをいいことに、むかーしのハリウッド映画『慕情』(1955年)のヒロイン、ジェニファー・ジョーンズになったような気になってみたりする。

自分でもアホかいな・・・って思うほど、何度も何度も行ったり来たりした。月並みだけど、夜、九龍から香港島に向かっていくのが、サイコー。香港は、以前に比べると経済的にいまいちな状態が続き、香港島のイルミネーションも、輝き度が減少してるってハナシもあるけど、5年ぶりに見る夜の香港島は、息が止まるほどキレイに感じられました。

あんまり何度も往復したもんだから、ちょっと趣向を変えて1等席にも乗ってみたけど、2等との違いはあんまりなかった気がする。

<地下鉄>
とっとと目的地に着きたいときは、メトロがいちばん。ちょっと味気ないけどね、あっと言う間に目的地に着く。

<バス>
来るバスによって、ビミョーに料金が異なる。エアコンあり、なしで料金が違うのはわかるんだけど、エアコンなしは、あんまり見かけなかった。同じエアコンありなのに、料金が違うのはなぜ? 歩き疲れたとき、地下鉄だと景色が見えないから、たとえばチムサアチョイからモンコックに行くのなら、バスもいいかもね。ただ、行き先がたくさんあるので、念のため、乗るとき、「モンコック?」と運転手さんに確認しました。

関連リンク 『花様年華』 
トリニダードとガイアナについて〜2001年ラテンな旅 インデックス