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08/04/2003 |
『マイ・マザー・ライクス・ウーマン』 |
母と3人の娘たち、そして恋人の彼女!真ん中がレオノール・ワトリング photo: http://yatv.com/ |
女流ピアニストの母と、3人の娘たち。長女ヒメナは主婦、次女エルヴィラ(レオノール・ワトリング)は小さな出版社に勤務、3女ソルはロックシンガー、それぞれ個性的だが、平和に暮らしていた家族に突然の驚きが・・・。母のお誕生日、集まった娘たちに、母は「恋人」ができたと告白する。な、な、なんと!連れてきた恋人は、娘たちと同年代のチェコ人女性だったのだ! 母がレズビアンであることを知って、娘たちは三人三様に悩みまくる。繊細なエルヴィラは、神経衰弱状態になり、カウンセラーのもとに通うが、もて遊ぶような態度をとるセクハラ系精神科医の言動に、ますます症状が重くなったりする。ソルはといえば、家族を招待したライブで、「わたしのお母さんは女性がお好き!」というオリジナルの絶叫ロックを披露して、母と恋人にガガーンとダメージを与えただけでなく、ヒメナと夫の仲まで亀裂が入ったりして・・・。 なんとかふたりを別れさせようと、娘3人は知恵を絞りまくり、エリスカを誘惑する担当になったのが、エルヴィラ。すったもんだの末、エリスカは身を引き、チェコに帰ってしまうが、事態は思わぬ方向へと展開するのであった・・・。 第12回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭のクロージングとして上映された作品です。当日でなんとかなるでしょ・・・とのんびり構えていたんだけど、ふと、思いついて、会場に電話をしてみたら、当日券はあと5枚くらいしか残っていないと言われ、2時間前に会場で立見席のチケットを入手。それでも、立見席71番だったから、ビックリ! 『トーク・トゥ・ハー』での演技が大好評なレオノール・ワトリング効果なのか、このところの「おねえブーム」でゲイ・カルチャーの裾野が広がっているのか??? すし詰め状態ながらも会場にもぐりこみ、映画が始まってしばらくして思ったのは、笑うところがビミョーに違うってこと。どうしてここで?っていうタイミングで、クスクス笑いが・・・。 『トーク・トゥ・ハー』では、ほとんど眠っているだけで、圧倒的な存在感を示したレオノール・ワトリングが、この映画では、カミング・アウトした母を受け入れることができずに、仕事や恋の悩みもたんまり抱えて、途方に暮れる役柄を、コミカルさを交えて好演しています。ナーバスなんだけど、エキセントリックでね。それに、スペイン人っぽいユーモアが、そちこちに散りばめられているのも、楽しい。これもビミョーなんだけど、ちょっとした言いまわしとかが、おかしくて・・・。 そして、もっとエキセントリックなキャラの次女ソルがライブで歌う、「わたしのお母さんは女性がお好き」っていう曲が、好きで、好きで、たまんない。1980年代のスペイン、縦ノリ、ガッツン系ロックなんだけど、垢抜けなくてズンドコした感じがいいんだわ。ALASKA Y DINARAMA っていうユニットを彷彿とさせる音。そういえば、ソルのイメージも、このユニットのボーカル、アラスカにちょっと似てたっけ。 姉妹3人がチェコに飛んで、かの地でまだまだすったもんだを繰り広げ、ソルは、エリスカの親戚(兄?)と、国際恋愛に走っちゃうのもいいんだよね。 フツーじゃない人々が、フツーじゃない物語を繰り広げながらも、普遍的な価値観もちゃーんと描かれていて、フツーとの共通項がいっぱいあるのに、押しつけがましさがない。こういう映画が日本でも、一般公開されるといいな。 関連リンク トーク・トゥ・ハー |
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