夏も終って、メランコリックな秋・・・。でも、ラテンの情熱に終わりはない。そう、アスーカル・モレノを聴けば、瞬間、ヒートアップ間違いなし!
彼女たちを初めて聞いたのは、1991年、スペインに滞在していたとき。ハウス/テクノ全盛だった当時、彼女たちは、「テクノ・フラメンコ」とか、「ハウス・フラメンコ」とか呼ばれていて、キワモノの趣きはあったものの、伝統+いまどき+「強烈な情熱」が三位一体となった迫力のボーカル・スタイルにノックダウンを食らいました。
一発屋で終わるのでは?という杞憂を吹き飛ばし、その後も時代のおいしいところを取り入れ、ラテンアメリカ・フレーバーを絡め、なおかつ彼女たちのルーツである?フラメンコの要素は決して失うことなく、コンスタントにアルバムを出し続けた。1999年の
"OLE!" では、やや、アコースティックになったものの(これも時代の流れね)、最新アルバム
"UNICAS"(2002年)では、再び情熱炸裂系に回帰?しました。
「わたしをあなたのおんなにして」なーんていう、昭和演歌歌謡的な歌詞で迫るバラードから、シャキーラもやってるアラブなアップテンポもの、カリブ海フレーバーのダンス系などなど、バリエーションはあり。でも、どの曲も彼女たちのスタイルでまとまってるんだよね。とにかく、ハモらない。ふたりユニゾンで、情熱をほとばらせて歌い上げる。ねっとりじゃなくて、正攻法で、ストレートに攻める。こんな言い方、ヘンかもしれないけど、彼女たちにとって、ハモるっていう行為すら、姑息なのかもしれない。
最近の風潮として、有名な曲のカバー曲が何曲か入っていて、その選曲のセンスがある意味問われるってところあるけど、彼女たちが取り上げたのは、あの!『テキーラ』。チャンチャンチャーン、チャチャチャチャーン・・・ウー、テキーラ!って、あれね。「マンボ、テキーラ!」なーんて、マンボ入れちゃうところが、アスーカル・モレノ流。「テクノ・フラメンコ」やってたころに、『マンボ』って曲が大ヒットしてるし、やっぱ、マンボ!はアスーカル・モレノのキーワード!? ちなみに、アルバムタイトルの
"UNICAS"は、UNIQUESっていう意味。ホント、彼女たちのスタイルは、他にないと思う。
このアルバムで一番好きなのは、"HAY QUE
MATAR A LA MUERTE"という曲。「死を殺さなくちゃいけない」(センスない直訳でゴメン)って感じの意味。「バラが死んでいくのは、なぜ? 愛に終わりがあるのは、なぜ? あなたの熱さをちょうだい。死を淘汰しなくちゃいけないのよ。さあ、ピストルを取って、撃つの。パン!パン!パン! ファイアー!」。別に大仁田厚じゃないんだけど、ファイアー!って、スペイン語だと、FUEGO。で、FUEGO!
FUEGO! って叫ぶあたり、シビレます。
あと、超有名なブランドものが列挙される歌には、シャネルやベルサーチのみならず、資生堂やカネボウまで登場しちゃって、意味なくうれしかったりする。
それにしても、左側の写真、叶姉妹を連想しない? 彼女たちの音楽、もうずいぶん前から聞いているけど、この写真見て、初めて、叶姉妹とアスーカル・モレノがダブったのでした。
で、右側のジャケット写真は、2000年に発表された"AMEN"。クインシー・ジョーンズの『愛のコリーダ』を彷彿とさせるフレーズあり、ちょいと80'sチックな曲も入っていたりして、このアルバムもおすすめ!
関係ないけど、もう秋だっていうのに、わたしの部屋もやたらと暑い。今も、短パンで、Tシャツまくり上げながら、書いてます。それって、彼女たちの音楽かけているから!?
関連リンク
アスーカル・モレノが1999年に発表したアルバム
"OLE!"の紹介
オフィシャル・サイトはここ!(スペイン語)
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