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7/22/2003 |
追悼〜セリア・クルースとコンパイ・セグンド |
photo: 左:セリア・クルース 2002年の第3回ラテン・グラミー賞授賞式(2003年 ロイター/Mike
Blake) 右:コンパイ・セグンド 来日公演のフライヤーより |
たった1週間のあいだに、キューバ出身のふたりの偉大なシンガーが天国に召されてしまいました。ひとりは、サルサ界の大姉御セリア・クルース、そしてもうひとりは、映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』のコンパイ・セグンド。セリア・クルース、享年78歳。コンパイ・セグンド、享年95歳。 セリア・クルースは、10年くらい前、ステージを見る機会があったんだけど、とにかく強大なパワーがあって、空気が震える勢いの迫力だった。当時、70歳に近かったわけだけど、あのトレードマークの?「アスーカル、ハアッ!」という掛け声とともに、ステージ狭しと動きまわり、足を踏み鳴らしていました。エネルギーに満ち溢れていてね。ヘンな話かもしれないけど、彼女って、神様に永遠の命を与えられているんじゃないか・・・っていう気がしていた。いつまでも、いつまでも、歌い続けることができる、特別な存在じゃないかって。でも・・・。 そして、コンパイ・セグンド。3年前の来日公演では、客席の若い女のコに熱い?視線を送ったり、ギターを女性に見たててキツく抱いたりと、ユーモアたっぷりにラテンなオトコの魅力を振りまいていました。気張ることも、気取ることもなく、とーっても自然体に、のんびりした昔っぽいキューバ音楽をすごーく楽しそうに演奏する。セリアが爆発するエネルギーなら、コンパイは持続するエネルギーって感じかな。人生は長くて、何が起こるかわからない。いいことも、わるいこともあるけど、すべてを受け入れて、人生を楽しもうってメッセージを送っているかのように・・・。 セリアはカストロ政権が樹立したとき、アメリカに亡命し、一方のコンパイは、キューバに残った。『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』という映画が公開されたとき、それぞれ別の考え方を持ち、別の国で暮らしていても、もしかしたら、気が遠くなるくらいの年月を経て、共演することだってあるかもしれないって夢を見た。結局、現世では実現しなかったけど、いまごろ、天国でデュエットしてるんだろうな・・・って思ったりすると、泣いちゃうよね。 おふたりのご冥福を心からお祈りいたします。 関連リンク ブエナビスタ特集 追悼 ティト・プエンテ |
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