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11/12/2000
東京国際映画祭2000 ラテンな映画たち


エスペランド・アル・メシアス
エスペランド・アル・メシアス 写真 監督:ダニエル・ブルマン
出演:
ダニエル・エンドレール、エクトール・アルテリオ、エンリケ・ピネイロ
アルゼンチン 2000年 97分

<ストーリー>
ブエノス・アイレスで暮らすユダヤ系の青年と、勤めていた銀行が倒産しホームレスになった男。彼らを軸に繰り広げられる人間模様と恋模様。伝統的なユダヤ社会、インターネットにハマる上司、レズビアンの先輩、人生の後半に訪れる愛・・・。古いもの、新しいもの、普遍的なものを共存させながら、人間同士のコミュニケーションのあり方を描く上質な作品。

<コメント>
ユダヤ人青年とインターネットにハマった上司が、並んで用をたしているシーン。彼のモノを見て、「痛そうだな」とつぶやいた上司は、「割礼の世界ドットコムってサイトがあるんだぜ」と教えてあげたりする。「割礼」までバーチャルになってるって皮肉! 
派手さもスペクタクルもないけど、共感できることがある映画。ユダヤ人社会の儀式やしきたりが、詳しく描かれているのも興味深いし、ブエノス・アイレスの下町も、あたかも自分がそこにいるかのようでした。

エウ・トゥ・エリス
エウ・トゥ・エリス 写真 監督:アンドルッシャ・ウッディントン
出演:ヘジーナ・カゼ、リマ・デゥアルテ、ステニオ・ガルシア
ブラジル 2000年 102分

<ストーリー>
大地のようにたくましく、生命力と母性に満ち溢れた女と、彼女に魅了される3人の男。本妻ならぬ「本夫」と愛人たちと、ひとつ屋根の下で暮らし、それぞれの子供を身ごもっていく。ブラジルの農村地帯を舞台に繰り広げられる、ラテンな愛の新しいカタチ!? ジルベルト・ジルらの音楽も、すてきです。

<コメント>
『バグダッド・カフェ』を思い出した。アンバーで埃っぽい色の画面、時代の変化から置いていかれたような場所、たくましく豊満なヒロイン・・・。見てるとなんか心が落ち着いてくる。「ひとりの女と3人の男たち」というストーリー展開から、もっと骨肉するかと想像してたら、とても淡々としてました。そして人生は続く・・・。

リオ・エスコンディード
リオ・エスコンディード 写真 監督:メルセデス・ガルシア・ゲバラ
出演:パオラ。クルム、ホアン・バロミーノ、パブロ・セドロン
アルゼンチン映画 1999年 87分

<ストーリー>
有能な夫とかわいい子供、満たされているように見えるヒロインだが、心には隙間があった。ある日彼女は、女性から来た夫宛の手紙を盗み見し、夫に隠し子がいるのではないかという疑いを持つ。謎を解明すべく、差出人の女性に会いに行くのだが・・・。

<コメント>
夜更けの空港、夜中のドライブ、差出人の女性が住む木訥な村、雪化粧された山に向かって続く一本道・・・。トリップ感あって、気持ちよかった。大好きな「アルゼンチンのスペイン語」も久しぶりに聞けたしね。原題の「リオ・エスコンディード」は、隠れた川という意味です。

<番外>
公元2000
監督:ゴードン・チャン
出演:アーロン・コック、ダニエル・ウー、フィリス・コック、ジェイムス・ライ
香港 2000年 104分

<ストーリー>
身に覚えのないスパイ容疑をかけられ、警察に連行された兄は、護送中に何者かに殺されてしまう。兄の汚名を晴らすため、秘密組織に挑んだ弟は、謎の美女らとシンガポールへ飛ぶ。さあて彼女は、敵か?味方か?

<コメント>

このところ、シンプルなアクション系香港映画が見たくて見たくてたまらなかった、そ〜んなわたしにピッタリ! ストーリーは昔ながらの香港ものだけど、世紀末的サイバーアクションに仕上がってます。でもいきなりカンフーになっちゃったり、突拍子もないアクションが繰り広げられたり、近未来的なビルを一歩出ると昔ながらの香港の街があったりと、サービス精神旺盛です。
ところで、この映画を見てて、昔イメージした近未来と現在はすでにリンクしてる、と思った。渋谷も最近妙にサイバーチックになってるし・・・。ちなみに主人公たちは、VAIOのノートパソコンを使ってました。公元2000とは、AD2000のことだそうです。

<東京国際映画祭が終わって>
ここで紹介した3本のラテンアメリカ映画は、みんな「いい映画」ではあるんだけど、あとひとつ迫ってくる何かが足りないって感じはした。ま、それにしたって、ラテンアメリカのインディーズ映画なんて、めったに見れるもんじゃないし、こういう機会はホント、ありがたい。
今回は5本見て、とにかくダントツだったのは、"アモーレス・ペロス"。重くて長い映画だけど、底力を持った世紀末の大傑作。一般公開も決定したので、ぜひ!ぜひ!一見をお薦めします。

関連リンク アモーレス・ペロス



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