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カリブな町、イポー


イポーはマレーシア第3の都市。確かにクルマは多いし、今ふうな男のコなんかも見かけたりするけど、のんびりした地方都市って感じかな。この町は広東系の中国人が多いことで有名。

ここも暑さは強力で、じっとしてても汗が出てくるんだから、歩いたりしたらもう全身ぐちゃぐちゃ。街角の茶館で冷たい飲み物を頼んで、一服する。

午後の茶館は、晩ゴハンのための準備で忙しそう。中国系のオヤジが雑巾でテーブルを拭いてまわっている。このオヤジ、ひとつのテーブルを拭くごとにバケツに入った水で雑巾を洗うのだが、バケツの水は決してキレイじゃない。でも彼はひとつテーブルを拭くと、几帳面にバケツの水で雑巾をすすぐ。彼は几帳面なのか、ドンブリなのか…。

お散歩はどんどん続く。腐ってるようなサカナの匂いがするマーケットを通り、ショッピング・モール(このあたりじゃ、「ショッピング・コンプレックス」という)で涼んだついでに、新しいリュックを購入。これがKAEPAもどきで、KAPPAという。

イポーの町の中心地には、IPOH PADANGという緑の芝生が敷きつめられた大きなグラウンドがあって、通りかかっていたときには、女のコたちがクリケットをやっていた。

マレーシアやシンガポールの町に行くと、こういった大きなグラウンドをよく見かけるんだけど、これは英国がこの地を支配していたころの名残り。クリケットやポロを楽しんだり、競馬を開催したりするために作ったそうだ。

英国の香りがする公園で、イスラムの女のコはスカーフを巻きながらクリケットに興じ、グラウンドの向こうにはイスラム寺院のミナレットがニョキっと立っている。女のコたちのゲームを見ているのは、中国人やインド人、マレー人の男のコたち、コロニアルな街並み…。

これって、カリブ海の小さな島国トリニダード・トバゴの首都ポート・オブ・スペインに似てる。トリニダードも英国の植民地が長かったんだけど、街並みはコロニアルで、労働力として連れてこられたインド人の末裔たちがたくさんいた。カリブとアジア、距離はこんなに離れていても、大航海時代の息吹が脈々といきづいている…。

自分はいったいどこにいるのだろう。空気が重い真夏の午後の街、カリブ? アジア? 地球のどこか?

<晩ゴハンはなべやき風チキン丼>

*シンガポールドル(S$)は78円、マレーシアリンギット(RM)は33円で計算しています。

パンコール島 + ルムットへ行く



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