ホーム> 60日間のラテンな旅行体験記
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スペインはとっても垢抜けていた |
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マドリードのバラハス空港に到着したのは23時。深夜の到着なので、念のため、シャトル・バスで送迎するというエアポート・ホテルを予約しておいた。が、そうすんなりとやっては来ない。「シャトル・バス」は定期的に空港内を巡回して、乗客をピックアップするものだと思いこんでいたが、待てど暮らせどバスは来ない。バス乗り場でシャトルを待っていた人々は、次々と他のホテルのバスに乗りこみ、消えていく。 「電話しなきゃ、バスは来ないよ」 別のホテルのドライバーに尋ねたら、あっさり言われた。持っていたスペイン・ペセタのなかでいちばん細かかったのが100ペセタ(約90円)のコイン。「お釣りは戻ってこないだろう。ああもったいない」と思いながら電話したら、やっぱりお釣りは戻ってこなかった(海外の公衆電話ってお釣りが戻らないことが多いと思いませんか?)。 そういえば、携帯電話で話している人々がやたらと目についたが、彼らは「今、着いたよ」コールではなく、ホテルに電話をしてシャトルを呼んでいたのかもしれない。 「シャトル・バス乗り場じゃなくて、道を渡ったところで待て。黒いワゴンで行くからね」と言われたので、その場所で待つ。が、迎えは来ない。眠気に襲われ始めたころ、不審な黒いワゴンが通り過ぎていった。じっと見つめるわたし…。しばらくするとそのワゴンが戻ってきた。これだ! 待つこと、どのくらい? 1時間くらい? 「いやあ、いつも使っている送迎バスが壊れちゃって…。このクルマはホテルの名前が入ってないから、空港内に入れないんだよ。だから、シャトル・バス乗り場に行けなかったんだ」 ドライバーはボソボソと言い訳した。わかるようなわからないような、やっぱり筋が通っていないような…。ホテルの身分証明書とか持ってないの? 落ち着いたのはこぢんまりとしたホテルのシングルルーム、まさに日本のビジネスホテル。11743ペセタ(約10500円)だったので、ちょっと期待していたんだけど…。あとは寝るだけだし、水まわりはこぎれいで清潔だし、まあいいか。ああ、鷹揚な日本人。 このホテルの特色はレターセットが完備されていたこと。振り返ってみると、今回の旅行で初めて見るレターセットである。いまどきは通信網が発達してるから、ホテルの部屋でせっせと手紙を書く宿泊客って少なくなっているのかもしれない。 携帯電話が普及しても、スペインらしさは変わっていなくて、ヘンなところでホッとしたわたし。友人とはバッチリ連絡がつく。 5年ぶりのスペイン、バスターミナルは昔のままだったが、バスは超近代化されていた。シートは応接セットのようにフカフカだし、ドライバーのシートはスプリングが入っているらしく、上下に揺れる(ちょっと気持ち悪くなりそうだけど)。希望者には無料のヘッドフォン貸し出しもあり。もちろん定刻出発、定刻到着。 1時間ほどして、ラウラが到着!
「あら、あと2〜3時間で着くって言ったから待ってたのに」とラウラ。「じゃなくて、2時か3時ごろに着くって言ったのよ」とわたし。何はともあれ、感激の再会。 東京のCD機で現金を引き出すのと同じ、いやCD機が道の壁に埋めこまれているので、銀行のロビーに行く必要がないだけ、日本のCD機より便利。むかし、長い列に並んで銀行で両替していたことを思い、隔世の感。 テレバンコで簡単に現金を引き出したような「進歩」が、急にちっぽけに思えてくる。カテドラルにご挨拶してから、スペインで最も美しいと言われるプラサ・マジョール(中央広場)へ。時間も、進歩も、何もかも超越して、悠然とたたずむプラサ・マジョールの偉大さ。 「こういう事件て、アメリカだけのことかと思っていたのに」と友人のラウラ。経済が発展すると、犯罪も複雑になっていくのかなあ。 ドラッグ、セックス、ホモセクシャル、ナイトライフ、ドラッグクイーン、変装パーティ、売春、殺人…。アルモドバルっぽいキッチュな感覚+悪趣味なカッコよさ、どこかドン臭くて憎めない最先端な若者たちが繰り広げる、ちょっと醒めた日常のストーリー。BIBI
ANDERSEN(女優)がめちゃくちゃクールだった。 それでも最近、日本のメディアでは「日本の先行き悲観論」が頻繁に論じられている。 オウム事件で病んだ日本人のこころがクローズアップされ、住専問題を発端に税金の使い道に対する疑問は深まるばかり。薬害エイズ事件で浮き彫りになった官僚の腐敗、「一度決めたら、二度と変えない」縦割り行政の非柔軟性のために死に絶えていく諫早湾の生き物たち、度重なる大手証券会社の不祥事、総会屋が牛耳る大企業の不透明な経営内容などなど、戦後50年間に急成長し過ぎた日本の歪みが、このところ噴出しているように思える。 ただ問題意識を持つことと、悲観的になるのは別だと思うんだけど…。わたしたちは何を求めているのだろう。もし更なる豊かさを求めるあまり、悲観的になってしまうのなら、本末転倒じゃないかしら。 次は『忘れじの晩餐』 |
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