ホーム> 60日間のラテンな旅行体験記
インデックス |
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OCT. 1997 |
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虫刺されのツボ |
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一般的なツアーでアマゾンに行く場合は、ほとんどが都会から船(あるいは舟)で1〜2時間程度の「初心者アマゾン」ですが、アマゾン川を舟で下ったり、珍しい動植物を見ながらジャングル・ウォーキングをしたり、ピラニアを釣ったり、電気もお湯もないジャングル・ロッジに泊まったり…。だから未知の虫からお馴染みの虫まで、虫だらけです。ここでは虫刺されについて、ちょっと考えてみたいと思います。
虫に刺されやすい体質なので、いくつかの「虫対策」をして、アマゾンにのぞみましたが…。 1.蚊がいやがる音を出すというグッズを買った(単三乾電池1本使用、ペン型)→小さな音しか出ない。静かな部屋のなかでは効くかもしれないが、ジャングルを歩いていると他の音にかき消されてしまう。 2.虫に刺され跡に吸いつけて、毒を吸い出すリムーバー(Insect Poison Removerアメリカ製)→見た目がちゃちい。「これでホントに毒が吸い出せるのだろうか?」と疑問を抱きながらもせっせとトライしたが、手ごたえなし。 3.虫よけスプレー→とにかくたくさん虫がいるので、スプレーをかけてもかけても避けきれるものではないが、しないよりはよかったような気がする。 そんなわけで、残念ながらどの方法もほとんど効果なしでした。あとで聞いたところによると、虫に刺されやすい体質の人が、虫だらけのアマゾンで虫に刺されずに過ごす…なんてことが実現できたら、ノーベル賞もの(?)らしいです。 蚊に刺されやすいのは、新陳代謝がいい人。新陳代謝がいいと、体からさまざまな匂いや分泌物などをまきちらしているので、それを嗅ぎつけて蚊がどんどん集まってくるのです。また、お酒を飲んでいるときも、蚊に刺されやすいです。 黄熱病の予防接種は必要か 「初心者アマゾン」であれば、黄熱病の心配はほとんどありません。日本発のアマゾン・ツアーでも黄熱病の予防接種は義務づけていません。でもアマゾンに入るルートによっては黄熱病の予防接種が必要な場合があります(たとえば.「汚染地」からアマゾンへ入る場合など) 余談ですが、わたしは「汚染地」と聞いて、「おセンチ」かと思ってしまいました。 イエローカードって? 「もしかしたらアフリカに行くことがあるかもしれないし、もっともっと奥のアマゾンに行くかもしれない」。ことこういったことに関しては「前もって」な性格のわたしは、念のために接種を受けました。 マラリアの予防薬について マラリアの予防薬は副作用がある、という話を聞いたので飲みませんでしたが、アマゾンで知り合ったカナダ人のグループは、「出発直前に飲んだ」と言っていました。ただ、「あんまり意味がなかったかも…」と付け加えていましたが…。 黄熱病と同じように、初心者アマゾンに行くのなら、マラリアの予防薬も必要ないと思います。 ただ、黄熱病に比べて、マラリアは流行する頻度が多いようです。こういった伝染病の流行状況は、外務省が情報を提供しているので、念のために確認しておきましょう。 コレラの予防接種について 南米ではアマゾンに限らず、都市部でもときどきコレラが流行するようです。以前、リマにある友人の事務所でお手洗いに行ったら、「コレラ感染を防ぐため、よーく手を洗いましょう」と書いたステッカーが貼ってあったこともあったし、アルゼンチンにいたとき、ラジオで「コレラ流行」のニュースを流していたこともありました。 黄熱病と同じように、コレラの予防接種も検疫所で受けることができます。ただ、黄熱病の予防接種はほぼ完全に効きますが、コレラは予防接種をしていても感染する可能性があるそうです。コレラの感染を防ぐためには、やはり基本を守ることが大事だと思います。 1.よく手を洗う。手づかみでものを食べない。 2.生水は飲まない。飲み物には氷を入れない。 3.体力が落ちていると発症しやすいので、余裕をもったスケジュールをたてる。 4.食べ過ぎない。 5.おいしそうな「なま物」があっても食べない。あるいは覚悟して食べる アマゾンでは、ホントによく虫に刺されました。屋外屋内を問わずいろんな種類の虫に刺され、もう虫刺され跡のデバート状態! 「このあたりの虫はこわい!」と聞いていたので、最初のころはすごく気をつけてたんだけれど、虫刺され跡がどんどん増えてくると、だんだん「もういいか…」って気になっちゃったりして…。 アマゾンを離れて数日後、かゆみも収まり、あとは「かさぶた」が剥がれるのを待つだけ…とワクワクしながら虫刺され跡をチェックしてたら、「虫刺されのご新規さん」が出現していることに気がつきました。 最初は気のせいかと思ったんだけれど、毎日チェックを続けていくと、ほんの少しづつ、でも確かに虫刺され跡は増えていく…。 「虫ごと連れてきてしまった」 「ご新規さん」は足に現れたので、愛用のスパッツの細かい網目にアマゾンの虫が潜んでいるのではないか…という疑いが浮んできました。はき心地のよいスパッツをいっそ捨てようか、でもこのスパッツが原因と決まったわけではないし…。迷っているうちに、ペルーを離れる日が来ました。 次の目的地は友人が住むニューヨーク。旅行を開始して早や1か月、いままですべての洗濯物を手洗いしてたので、彼女のアパートでは洗濯機で洗濯し、のんびりとお風呂に入ろう! とワクワク状態で、彼女のアパートへ向かったのです。 彼女が用意してくれた泡風呂に入り、バスタブに足を伸ばして、意味もなく足をバタバタ動かしたりして、いつまでもお風呂に浸かっていたら、ふやけて一番大きな「かさぶた」がポロッととれました。 「これでかゆみともお別れだ!」。 洗濯機で洗剤を使って衣類を洗い、乾燥機で乾かし殺菌、これで万全!なはずなのに、ニューヨークを離れ、ヨーロッパへ移動しても、かゆみは続きました。季節はもう真冬、寒さによるかゆみなのか、強すぎる暖房で蒸れてかゆいのか、アマゾンの虫が居ついているのか、とにかくいつでもかゆい。で、アマゾンを離れて1週間以上たってから、久しぶりに「ご新規さん」を発見してしまったのです。 「虫を連れてきているのではなく、土地土地の虫に刺されているのかもしれない!?」 もし連れてきているんなら、もっとまとめて刺されてもよさそうなものだし、虫にしてみれば、いつでも刺せるのに、1週間近くもインターバルをあけなくたっていいわけだし…。 ホントのところはわかりません。ただの「冬のかゆみ」だったのかもしれないし、気のせいかもしれない。東京に戻ってきてから、ご新規さんを発見することはありませんでした。 一番長い付き合いだった「アマゾンで刺された腿の内側の3連発」は、東京に戻ってからも2か月くらいかゆかった。で、その後1年くらい跡が残り、お酒を飲んだりすると赤くなって、ちょっと浮き上がったりしました。そんな虫刺され跡を見ながら、アマゾンを懐かしく思い出したこともあったっけ…。 風邪のカンペキな予防薬を発明したら、ノーベル賞ものってハナシ、聞いたことがあるけど、「虫刺され防止法」も「ぜったい大丈夫」っていう決めワザがないところがミソ?
でも、ちょっと気をつけるだけでも、「たいへんなこと」になる可能性は低くなると思います。 関連リンク
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