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男子禁制女性的旅ROOM5号室 恥ずかしかった系
インドネシアの骨董屋で、昔の日本のコインを買うの巻 8/2/99 ユーミンの歌にも登場した、ジャカルタのスラバヤ通り。ここには骨董屋がたくさんあります。で、ヘンなものをいろいろ買いました。沢田研二の古いレコードとか…。 「ふふふ、これは昔の日本のコインだよ。こんなものは、もう日本では手に入らないことだろう。日本の骨董屋で売れば、何十万円にもなる」 骨董屋のオヤジが意味深な微笑みを浮べながら、言った。彼はもったいぶった仕草で、そのコインを差し出す。 「ここで買えば、たったの3000円だ」 (インドネシアの通貨は、ルピーだっけ? レートわかんないから、円にしときます) 「冗談でしょ?」 「それなら2500円」 15分くらいかかって、そのコインは300円くらいになった。まあ、いいか、それなら買っても…。 日本に帰ってきて、数ヶ月後のこと。お金がなくなったわたしは、そのコインのことを思い出した。そうだ、神田の骨董屋に売りに行こう! 数十万にはならなくても、1万円くらいにはなるかも…。 日本の骨董屋のオヤジは、神妙な顔をして、ルーペを取出し、穴があくほどコインを見続けた。永遠かと思うほど長い時間が過ぎ、彼は言った。 「これは…偽物だねえ」 わたしは相当におめでたい性格で、「偽物」なんて考えてもみなかった。ホントに、売れると信じていたのだ。衝撃が過ぎると、恥ずかしさが襲ってきた。一刻も早く店から立ち去りたい。でも店の出口は妙に遠かったのでした。 このコイン、捨てようかと思ったけど、なんだか捨て難くて、そのままとっといた。安定の悪い灰皿の重しにしたりして…。でもいつのまにか、どっかいっちゃった。ユーミンの『スラバヤ通りの妹へ』を聞くと、思い出す。埃っぽいスラバヤ通りをのんびり行き過ぎる馬車、雑然とした骨董屋の店内、カビ臭い匂い、そしてこのコイン…。
トルコでお風呂! 8/9/99 「どう、ボクんちでお風呂に入らない?」 なぜ彼について行ったのか…。そう、そのときはまだトルコでお風呂に入ってなかったのだ。ハマムと呼ばれるトルコのゴージャスなお風呂は有名。大理石の台の上で、マッサージなんかしてくれるという。 日本で「トルコ風呂」って命名されちゃったのも、殿様気分が味わえる…ってところに由来しているらしい。トルコ政府から抗議があって、ソープに変わったけど、抗議したくなるのも当然だよね。初めてそのことを知ったトルコ人は、どんなにビックリしたことか。自分の国の健全で伝統的なすばらしいお風呂が、日本でこんな意味で使われてたなんて…。 それはともかく、お風呂に入りたくてトルコに来たのに、何かタイミングがあわず、入りそびれてたとき、彼に誘われた。ともだちと相談して、試してみることになった。考えるまでもなく、彼の目的地に「総大理石なトルコ風呂」なんて、あるわけなかったんだけど…。 そこは普通の民家の、普通のお風呂だった。でも、ちゃんとマッサージはついていた。そう、彼のマッサージ…。最初はソフトで、肩揉むとか、そんな感じ。しかし、そのうち彼は浴槽に入り込んできて、背中を流し始めたのだ。背中を流すってことは、彼は後ろにいるってことで、そんなに大きくない民家のお風呂だから、わたしたちのカラダとカラダは触れ合った。 わたし、水着は着てたけど、だんだんそういう問題じゃなくなった。彼が力を入れて、わたしの背中をこするたびに、彼の固〜いイチモツが、ガシガシ当たる。背中の下のほうっていうか、お尻の上のあたりっていうか、そのへんに…。もちろん、彼はハダカ…。たいへん!彼がだんだん興奮してきた…。 せっかく本場のトルコまで来たのに、かつての日本の「トルコ風呂」状態になっちゃった。 なぜわたしが一番最初に試すことになったのか。たぶん、自分で「じゃ、あたしからやる」って言ったんだと思う。今までの人生を振り返ってみると、だいたいそういうことになっている。 約束では、順番にマッサージをしてもらうことになっていた。でも、よ〜く見ると、湯気の向こうに、ちゃ〜んと服を着たともだちが、二人並んで、お行儀よく座っていた。あれ、さっきまで水着着てたのに…。 「あっ、あたしたちは遠慮しとく」 ふたりは目を三日月みたいにして、ニンマリと笑いながら、声を揃えて言いました。 その後、イスタンブールで、念願かなって、ちゃんとしたトルコのお風呂、ハマムに入った。今度は本物の大理石の台に乗って、女の人にマッサージしてしてもらった。泡だらけの指を一本、一本、ほぐすように揉みながら、彼女は"BABY, BABY"と繰り返す。わたしに呼びかけてるわけじゃなくて、「赤ちゃんの肌に戻れるわよ」という意味ね。あの固い彼のに比べて、彼女の指はとっても柔らかかったのでした。おしまい。 語学篇 8/16/99 語学学校に入ってすぐ、みんなで小旅行に行くことになった。生徒はみ〜んな日本人だったけど、日中は「日本語禁止」。みんなが喋ってることが全然わかんなくって、どんどんストレスがたまった。 「昨日の夜、寝言言ってたよ」 その朝、いっしょに寝てた日本人のともだちが言った。 「何て?」 「ノー・エンティエンド!!!(スペイン語で『わからない』『理解できない』)って、叫んでた」 あらあ…。寝言でもスペイン語なんて、インターナショナルな気もするけど、言った言葉が「わからない!!!」じゃ…ね。この話はまたたく間にみんなに広がり、けっこう楽しい笑い話として、語り継がれたのでした。 <その2〜婚約> あるとき、この大きな間違いに気が付いたペルー人のともだちが、教えてくれた。 「それじゃあ、『婚約』『婚約』って言いながら、歩いてることになっちゃうよ」 彼女は、「コン・ペルミソ、コンプロミソ」と何度も呟きながら、「確かに似てるけど…」ってフォローしてくれた。でも、今まで自分がそんなこと言いながらいつも歩いていたかと思うと、絶望的に恥ずかしくて、生きてるのがちょっとイヤになった。 <その3〜バーガーキングのウォッパー> そんなある日、いつものようにバーガーキングで、「ウォッパー!」って言ったら、全然通じない。「ハンバーガーか?」「チーズバーガーか?」って、店にあるありとあらゆるハンバーガーの種類を挙げられた。必死に「ウォッパー」「ウォッパー」繰り返すわたし。そして遂に!彼女がわかってくれた。「ああ、WHOPPERね!」。なんて長い道のり…。ホント、食べるだけでもたいへんだ…。 テレビ局の取材を受けるの巻 8/23/99 で、彼らといっしょに遊びまくった。カーニバル期間中は、み〜んな燃えてる。パレードもすごいけど、深夜の街のエネルギーは卒倒しそうなほどだった。呆気にとられながらも踊ってたら、テレビ局のカメラが来た。 「ちょっとインタビューさせてくださるかしら」 テレノベラのヒロインみたいな、メリハリあり過ぎな濃〜い顔+化粧の美人キャスターに、お上品に尋ねられた。出たがりの気がけっこうあるわたし、そして日本人夫婦…特に夫のほうが俄然乗り気になり、彼がインタビューに応えることになった。 「カーニバルを楽しんでらっしゃるかしら」 そんなカンタンなことを尋ねるだけなのに、美人キャスターは食いつきそうな顔をしてる。くっきりした目とこわいほど通った鼻筋のTゾーンが、間近に迫るとすっごい迫力。 インタビューはなんのことはなく、終わりそうになった。これじゃ、つまんない。何かしなくちゃ…。そうだ、バタフライ・ダンスを踊って差し上げよう。バタフライ・ダンスはセクシーなラテン系ダンスで、(現地の人は否定するけど)限りなくランバダに似てる。カップルで腰を振り振り、ぶつけあい、情熱をほとばしらせながら、踊る。 わたしたち3人は、それなりに一生懸命踊った。でも、テレビカメラの前だと、思うようにカラダは動かないし、けっこう疲れてたし、小さいころから踊ってるわけでもないし、ただの「おしくらまんじゅう」状態になってしまった…かもしれない。 「はい、ありがとう!」 美人キャスターの合図とともに、照明が消えた。その瞬間、彼女は気取りを脱ぎ捨て、弾けたように笑い始めた。よっぽど抑えていたのだろう。笑っても笑っても笑いは一向に収まらず、遂に地面に崩れ落ち、それでもまだ笑っていた。わたしたち、そんなに恥ずかしいことしたのかしら…。 関連リンク トリニダード・トバゴ、カーニバルの写真 テレノベラ <六本木篇> 数週間後…。会社に行ったら、気のいい、かわいい、ゲイなアメリカ人オヤジが内股で駆け寄ってきた。 「ほら、あなたたちの写真が雑誌に出てるわよ。オー・マイ・ゴッド!なんて素晴らしい写真でしょう。見て! 見て!」 確かに悪くない写真だったけど、モノクロのグラビアにつけられたタイトルは、「六本木・日米セックス摩擦!」。彼、漢字読めないからね、無邪気に喜んでたけど、ちょっと複雑だったわたしたち…。 おわりに+オマケ 9/1/99 <東京篇
その1〜男子トイレ> いわゆる「インテリジェント・ビル」って、エレベーターをはさんで男子トイレと女子トイレが左右対称に配置されてるパターンがあるでしょ? あるとき、エレベーターで地下から上がってきて、そのままトイレに行った。(なぜか)方向感覚を失い、逆方向の男子トイレへ。まあ、入る前にわかりそうなもんだけどね、タイルも青いし…。 運が悪いことに、男子トイレでは同僚が手を拭きながら、出てくるところだった。 「ああっ!!!!」 彼とわたしは固まった。その直後のことは、もう覚えていない…。 しばらくたって、ほとぼりが醒めたころ、彼は言った。 「ビックリしたよ、あんなところで女に会ったのは、初めてだ」。 <東京篇
その2〜忘れ物> だからそのリュックはみつかった。親切な駅員が、中に入ってるものを、詳しく書いてください、と言う。それだけのことなのに、わたしはけっこう困った。だって、中味はサングラスと生理用品だけだったから…。 正直なわたしは、内容物の欄に「サングラス、生理用品」と書いた。駅員は一瞬固まったかに見えたが、すぐに日常の彼に戻った。 <スペイン・グラナダ篇〜ウィスパー> |
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