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3/29/1999 |
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コロンビアなひとびと | |
このおばさんは50歳くらいかな、見たところは上品、キリっとした意志の強そうな美人系なんだけど、やることは豪快。赤信号を平然と無視して通り抜けたあと、思慮深そうな口調で言った。 「赤信号で通り抜けるのは、そんなに大した問題じゃないわ。大切なのは…」 「大切なのは???」 「大切なのは、通り抜ける前にクルマが来ないかよーく確認することよ、論理的に言えば」 彼女に限らず、コロンビアの運転はワイルド。信号を守らないなんて、当たり前。夜はもちろん、昼間だって、クルマが来なければ、とにかくGO! GO! 一通無視も当たり前、街中だって猛スピード出すし、気が変われば突然バックしてくる。信号がない交差点では、四方八方からクルマが突っ込んできて、動きがとれなくなる。 歩行者は猛スピードで走ってくるクルマの直前を横断するし、ほんのちょっと郊外に出るとロバ馬車も走ってるし、自転車やバイクは道の脇を走らずに、なぜかセンターラインあたりを走ってるのが多い。クラクション鳴らされても平然としてて、「あぶないことしてる」って意識はないみたい。 だから事故は何度か見かけた。とにかくみんな前へ突っこんでくるから、ぶつかるのも当然。乗ってるタクシーにバスが突っ込んできたらタイヘン! そういう意味では、バスのほうが安全かなってふと思ったりした。 まあとにかく、バスでもタクシーでもビュンビュン飛ばしてくれるので、「ハイパードロップ」とかそういうスリルものにわざわざお金払って乗る必要なし。遊園地いらずっていうか…。 高速道路で「止まれ!」って標識を持って立ってる警察官らしき人がいても、もちろん止まらない。「別にたいしたことないよ。止まれ!って言われたら、日本人は止まるの?」ってコロンビア人は尋ねるけど、うん、止まるよね。 「ラテンは時間に遅れる」ってのは定番だけど、コロンビアはとりわけすごい。カーニバルのパレードは開始が1時間半くらい遅れたし、「11:00に迎えに行くよ」って言ったのに来たのは12:30とか、だいたいそんな感じ。だから「ライブは19:00から始まるよ」なんて言われても、鵜呑みにしちゃいけない。まあ前座はすぐに出て来るかもしれないけどね、メインが登場するまでには何時間かかかるはず。 「コロンビア人は時間に遅れる」っていうのはラテン系でも有名みたいで、メキシコのタクシーの運転手さんも、こんな話をしてくれた。 「ボクは昔ツアーガイドをしてたんだけど、あるときツアーにコロンビア人家族が参加してたんだ。とにかく集合時間に来てくれなくてね、1時間くらいは平気で遅れるんだ。コロンビアでは信号を守らないって? ほら、見てごらん。メキシコではちゃんと信号待ちしてるよ」 読者の方からも似たようなお話が届きました。 関連リンク 旅の投稿・メールを読む ところでわたしはコロンビアのバランキージャっていう街を中心に、カリブ海沿岸地方(LAS SABANASと呼ばれている)をあちこちまわったんだけど、このあたりの人たちって、ざっくばらんでよく喋る。しかもすっごい早口。スペイン語的に言うと、"S"はほとんど発音しないし、地域によっては語尾の"R"も発音しない。 「ボゴタ(コロンビアの首都)あたりでは、もっと静かにゆっくり喋るの。だから彼らは自分たちのほうが、教養があるって思ってるらしいわよ、カッカッカ…」 ある人はそう言って、豪快に笑いました。もしかしてこれって、コロンビアの関東と関西みたいなもんかしら????? で、そんなバランキージャの人たちに、「チンチン」の日本語の意味を教えて差し上げた(「チンチン」はスペイン語だと、「乾杯!」の意味)。そしたら、ウケた、ウケた。スペイン語を喋る人たちに、「チンチン」の意味を教えたことは数え切れないほどあったけど、こんなにウケたのは初めて。 特にオヤジたちは、「ちっちゃいチンチン」「デカいチンチン」「ボクのチンチンは…」「キミのは…」(もうどうにも止まらない)なんて具合に、「チンチン」の語尾を変化させたりしながら、大連呼大会。それ以来、バランキージャのともだちは、わたしの顔を見ると「チンチン」を思い出しちゃうらしくて、会うたびに「チンチン」ばっかり…。別れが近づいてきたある日、ある女性がまじめな顔をして言った。 「わたしにとって『チンチン』は、生涯忘れられない言葉になったわ」。 コロンビアなひとびと〜エトセトラ タクシーに乗って料金交渉をしたけど、ドライバーは「8、8、8」と繰り返すばっかりで話が全然進まない(8は8000ペソの略で、日本円で640円くらい)。面倒臭くなって、「もういいから行って」って言ったら、勢いよく発進しようとしていきなりエンストした。で、エンジンかけ直しながら、笑って「8、8、8」ってまだ言ってるドライバーのオヤジ。今度の「8」は、「8」もらえるっていう喜びの表現? カルタヘナで歯が欠けた。知り合いの親戚の歯医者が、「口を大きく開けてごらん」って言うので、大口を開けたら、しみじみとわたしの歯を見てから、「ボクだったらこういう治療はしない」。次に隣りにいた女性にも大口を開けさせ、自分がいかに素晴らしい治療をしているかということを、実例を示しながら説明してくれた。 民家でカーニバルのパレードの準備をしていたとき、大音量でサルサやメレンゲがかかってた。庭先の鳥かごにはトロピカルなインコ(全体が緑色で、ところどころに黄色や赤などが入ってる)が2羽並んで、肩を寄せ合い、「何ごとか?」と目を丸くしてた。 あるコロンビア人はわたしのデジカメを見て、「このカメラがコロンビアに到着するまでには、あと50年はかかる」と言って、自分でウケてた。ずいぶん気に入ったらしくて、いろんな人に同じこと言ってたっけ。 バランキージャで唯一の5つ星ホテル(ホテル・エル・プラド)のレストランで食事をしたとき、タダの水が出た。アメリカに長く住んでいるコロンビア人が、「この水はミネラル・ウォーターか?」って質問したら、ローカルなコロンビア人がしばらく考えてから、「MAS MENOS(だいたい)」って答えた。こういうときの「だいたい」は「違う」って意味なのね、もちろん。水が出るだけでも珍しいことなんだから、タダでミネラル・ウォーター飲もうってのは甘い! この水飲んでみたけど、お腹はこわれなかった。 コロンビア人たちと話していてよくわからない表現があったので尋ねてみたら、みんなどういう風にに説明すればいいのかわからなくて、あーだこーだ言ってたんだけど、進展しない。で、近くにいた知らない人も巻き込んで、「どう説明するべきか大議論大会」になった。知らない人もだんだん真剣になってきて、盛り上がる、盛り上がる…。 バランキージャ(BARRANQUILLA)
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関連リンク コロンビアで出会ったひとびとの写真を見る
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