ホーム世紀末な???中南米旅行インデックス パナマ

7/21/1999

日本と似てるパナマの側面〜そしてゴーゴーパナマシティ!


前のエピソードを読んでいない

旅行代理店に行ったら、「これから市内ツアーがある」って言うので、さっそく参加することにした。パナマシティには地下鉄ないし、治安よくない地域もところどころにあるらしい。こういう場所では、ツアーが安心。

もうひとつやらなくちゃいけないのは、ボカス・デル・トロという島へ行く飛行機とホテルの予約。パナマの島に行くか、コスタリカに行くか、けっこう迷ったんだよね。でも、せっかくパナマに来たので、パナマにじっくり滞在することにした。コスタリカはまた今度??? ボカス・デル・トロは、パナマに来るときに乗ってきた飛行機(コパ航空)の機内誌に特集が載ってて、きれいなところだったので行くことにした。

ラテン系の旅行代理店でのツアー手配は、ホントに時間がかかる。ひとつの場所を予約するのに、1時間なんてザラ。やっぱり市内ツアーの出発までに、ボカス…の予約は終わらなかったので、続きは夕方になりました。

「パナマ運河は、今年(1999年)の12月31日、アメリカからパナマに返還されることになっているの。でも、本当にパナマに戻ってくるのか、誰にもわからないわ。あんなに大事なものを、アメリカが手放すなんて考えにくいでしょ。基地は残るだろうし…」

市内ツアーのガイド、アナがパナマ運河の話をしてくれた。

「パナマが独立したのは、1903年。それまではコロンビアに属していたんだけど、分離して、独立したの。後押し…っていうか、独立させたのはアメリカよ。コロンビアがフランスと組んで進めていた運河計画が挫折、しかもコロンビアが政情不安になったのを利用したのね。アメリカはパナマ独立の15日後に、運河条約を締結、調印したのよ。それからずっと、この国ではドルが流通してる。一応、『バルボア』って名前はつけてるけど、価値はアメリカドルといっしょなの」

たとえば、「ミネラルウォーター1本1バルボア」って言うんだけど、1ドルってことなんだよね。流通してるお札はすべてアメリカドル札で、コインはアメリカものと、自国でつくったバルボア・コインもある(バルボア・コインは、アメリカでは使えません、念のため)

「ラテンアメリカでは珍しく、パナマには軍隊がないの。ノリエガ独裁体制打倒のため、1989年に米軍がパナマに侵攻し、ノリエガが米軍に投降したとき、パナマ国防軍は解体されたのよ」

「この国では、アメリカの影響がとっても強いから、ハロウィンとか、アメリカ的な行事も一般的なの。他のラテンアメリカの国じゃ、ハロウィンなんてお祝いしないでしょ? それがパナマらしいところなの」

確かにアメリカがあっさり運河を手放す…なんて考えにくい。これって日本の状況とよく似てない??? アメリカは、パナマ運河も、極東の防衛基地もぜったいに自分たちの支配下に置いておきたいんだよね。

ちょっと前の新聞に出てたけど、アメリカは在パナマ米軍の撤退を進める一方、「撤退後の安全保障を懸念する」とか言いながら、一方的介入も検討してるらしい。コロンビアのゲリラがなだれこんでくるんじゃないか、麻薬密売組織が越境してくるかもしれないって…。あと、国際テロの可能性もある。こういった有事に、パナマ運河をパナマ自身でどう守るかが、大きな課題になっているのね。

パナマ市の人口は約100万人。国の人口が約300万人だから、およそ1/3が首都パナマ市に住んでいることになる。銀行は約120行あって、「ペケニャ・スイサ(小さなスイス)」と呼ばれてる。パナマっていえば「フリーゾーン、スパイも暗躍」のイメージがどうも頭から離れないんだけど…。

この日のツアー・スケジュール
旧パナマ市(CIUDAD VIEJA) 
1519年、スペイン人たちは、今は遺跡になっている旧パナマ市に街をつくった。でもイギリス人の海賊、ヘンリー・モーガンに滅ぼされ、廃虚に…。今は遺跡が点在している状態で、あんまり整備されてないけど、これから観光化する計画だそうだ。すぐ近くの沖合に難破船があって、「ヘンリー・モーガンは、この船に乗ってきたの?」って尋ねるひとがいるらしい。「当時の難破船がそのままあるわけないし、だいたい船のカタチを見ればわかるでしょ!」って、ガイドのアナはちょっと憤慨してた。

ミニ香港 高層ビル群。ビジネス街ではなく、ビジネスマンたちの高級住宅地。このあたりに住んでいるのは、90%がアメリカ人、ユダヤ人、アラブ人なんだそうだ。なんだかとってもパナマだわ…。「ミニ香港みたい」って言ったら、アナが喜んでた。この近くにノリエガ将軍の旧邸宅があるけど、放置された状態。

ところで、最近、「アジア人たち」が増えてきて、投資などの経済活動を盛んに行っているらしい。「アジア人」ってまとめられちゃったけど、どこの国? 日本や韓国企業の看板やクルマはよくみかけたけどね。

バルボアの像がある海岸通り バルボアは、パナマに新大陸最初の都市を建設したスペイン人。パナマの通貨単位にもなっている。この像の近くにあるインターコンチネンタル・ミラマールは、パナマで一番のホテル。ヒラリー・クリントンが泊まったスウィートは、1泊3500ドルざんす。

旧市街 コロニアルな街並み…なんだけど、全然手入れされてないので、かなりきてる。政府は住んでいる人たちを他の地域に移して、都市計画を実行したいんだけど、なかなかはかどらないらしい。足の裏まっくろなおじさんが、寝てたり、ぼーっとしてたり…。

今日のハイライト〜パナマ運河見学 ミラマール水門で、船が運河を通る様子を見る。パナマ運河は、太平洋とカリブ海を結んでいるんだけど、ふたつの海の水面の高さが違うので、小さな段差をいくつもつくり、順番に水をためながら船を通す。だもんだから、64キロの運河を渡るのに8〜10時間もかかる(待ち時間も含めると20時間とか)。うーん、気の長い話だ…。

水門の前には屋根つきの見学台があって、"IT'S A SHOW TIME!!!"状態、英語とスペイン語で解説してくれる。なんか、ラスベガスのショーみたいだったりして。ショーが終わると、別の部屋に行き、運河の模型とビデオを見る。今度は社会科見学「パナマ運河ができるまで」!!! 運河を掘っている様子が流れるんだけど、これがまたものすごーく気の長い話。スコップで掘るんだから…。

市内ツアーが終わり、旅行代理店に戻った。が、ボカス・デル・トロ行きの飛行機のチケットは、まだ取れていなかった。

「いやあ、ホテルはすぐ取れるんだけど、飛行機が小さいもんだから…」

担当の彼は言い訳した。小さい飛行機か…。落ちないだろうか、まあいいや。

「ちょっと待ってね。別のところに電話するから…」ダイヤルする彼。

「HOLA, GUAPA!(ハロー、ビューティフル・レディって感じかしらね)さっきの件だけど、えっ、ダメ? 」また別の飛行機会社に電話する彼。

「HOLA, SOY YO, TU PESADILLA...(もしもし、ボクだよ。君の悪夢さ…)ハッハッハッハッ!!! いやいや、そう言うなよ。また電話したのはさ、さっきの件、スケジュールが変更になって…」

あっかるいパナマ人の彼、こんな調子で愛想がいいので、なかなか先に進まない。結局チケットを受取ったのは、さらに2時間後…。その間、ガイドのアナちゃんに日本語を教えてあげたり、鶴折ったり…。運河ほどじゃないけど、気の長〜い話でした。

 

関連リンク
パナマ・シティの写真

 


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