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4/12/1999 |
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ベネズエラな時間と人々 | |
20分くらいたっても、バスは動く気配がない。隣りにいたおじさんに、「このバス、何時に出発するの?」と尋ねてみた。 「このバスはね、だいたい、だいたい満席になったら、出発するんだよ」 彼はちょっと間を置いてから、「だいたい、だいたい」のところにアクセントを置いて言った。出発したのは…さらに15分後くらい。時刻表って、ないのね。
その2 「もう20分以上も待ってるのに、どうなってるの?」 「今、やってます。もうすぐできます」 確かに奥のキッチンでは、さっきからハンバーガーの中味を表にしたり、裏にしたり、少なくとも焼いているのは見えていた。 「肉厚のハンバーガーなんで、時間がかかってるんです」 「それにしたって、遅すぎるわ」 若い店員の女のコはおろおろし、手が震え、やっと出来上がったハンバーガーにコーラをこぼしてしまった。不幸中の幸い、肉厚のハンバーガーは無事だったけど、パンが濡れてしまい、またパンを焼き直した。結局、出来上がったのは、注文してから30分後。ストレスがたまった。
その3 「いったいどれだけ待たせるのかしら。開店時間をもう30分も過ぎているのよ。だいたいね…」 彼女は前に並んでいる人に怒り、それでも足りなくて後に並んでいる人にも怒り、まだまだ怒りは収まらずひとりで怒っていた。警備員や従業員はいるのだが、責任者が戻ってこないため、両替業務が行えないらしい。 ほどなくして責任者らしきオヤジが戻ってきて、やっと両替開始。もちろん責任者はおばさんにつかまった。 「あなた、こんな商売のやり方をしていていいと思ってるんですか? この30分の間に、たくさんの人が両替をあきらめて帰っていきました。つまりあなたはたくさんの顧客を失ったんですよ。これからのベネズエラでは、こんな商売のやり方をしていたらやっていけません(続く、続く、続く…)」 責任者のオヤジは神妙な顔をして聞いているが、反省しているようには見えない。「こんなことをしょっちゅうやってたら…」っておばさんが言ったら、「こんなことは、1年に1回です」って、済ました顔で言うんだもん。思わず吹き出しちゃったら、わたしの前に並んでた男性も、ニマッと笑った。 責任者のオヤジはたまらなくなって、どこかへ消えたが、おばさんは両替の順番がまわってきてもまだ怒ってて、あんまり怒り過ぎてレシートをもらうのを忘れた。「奥さま、レシートをお持ちください」と言われ、レシートをわし掴みにしながらもまだ怒り、レシートをしまいながらもまだ怒っていた。 そう、怒らないとストレスがたまります。言いたいことは言いましょう。まあ、怒りすぎて血圧が上がりすぎないようにしたほうがいいと思うけど…。
その4
その5
その6
その7
その8 「もう食べないの?」 「もう食べられない」 「じゃあ、ちょーだい」 「犬にあげるの?」 「いいや、あたしが食べるんだよ」 おばあさんは歯が丈夫らしく、バリバリと音をさせながら、おいしそうにコーンを食べた。
その9 で、待ってる間、もうひとり外国人の女のコ(アメリカ人?)がいて、飛行機のチケットを買おうとしてた。どうしても「ドルで支払いたい」と粘る彼女。 「そんなことされたら、わたしたちはコミッション取れないし、ドルからボリーバル(ベネズエラの通貨)に両替するのに逆にコミッション取られちゃうし、いいことはひとつもない。ここはベネズエラなんだから、ベネズエラのお金で払って」。旅行代理店の担当者が説得しても、なかなか彼女に伝わらない。 ヒマだったからしばらく聞いてたんだけど、あんまり同じこと繰り返してるからさすがに飽きてきて、しばらくボーッとしてたら、いきなり「だ・か・ら!!!」って大合唱が響いた。どうやら彼女、何かとんちんかんなこと言ったらしいのね。そしたら担当者だけじゃなく、旅行代理店のスタッフ全員、ついでにちょうど居合わせたベネズエラ人のオヤジまで加わって、「だから、そうじゃなくて!!!」。なんか『ちびまる子』の世界だわ…。
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関連リンク 空港で5時間待ったロス・ロケスのエピソード テレノベラ
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