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JUNE 1997+4/1/2000 |
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家族の気分 1996年 フランス映画 (原題 Un Air De Famille) |
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毎週金曜日に集まり、食事をするのが恒例になっているある家族。一見、仲のよい家族、それぞれが幸せに暮らしているように見えるが、裏にはさまざまな苦悩がある。とってもフランス的な皮肉、ユーモア、ペーソス、エスプリetc.がちりばめられた会話を通して、お互いの痛いところにズバズバと踏み込み、家族の本音が暴かれていく。 最初にこの映画を見たのは、パリ、暇つぶしに映画館に行ったとき。どれがおもしろいんだかわからないので、いちばん混んでる窓口を選んでみた。ユーモラスな犬の絵も気に入ったし・・・ね。で、映画が始まると、こ憎たらしいフランス人たちが、手放しの大喝采の嵐!体を上下に振りながら、ウケまくってる。 言葉はわからなくても、皮肉の槍投げ応酬をしてることは想像できるし、役者さんたちが上手なので、パントマイム状態で自然と笑える。見てる間じゅう考えていたのは、フランス人をここまで無防備に笑わせるのは、いったいどんなセリフなんだろう・・・ってこと。 この映画が日本で初めて公開されたのは、1997年6月の「横浜フランス映画祭」。監督のセドリック・クラピッシュ、映画の脚本を担当し自らも女優として出演しているアニエス・ジャウイなどがゲストして来日、舞台挨拶を行った。 「ハリウッドのように大予算をつぎこみ、大スペクタクルを展開する映画づくりに興味はありません。わたしは普通の人々の身の回りに起こる普通のできごとを描くことで、人間のすばらしさを表現していきたいと考えています」。クラピッシュ監督がコメントすると、会場からは大きな拍手が上がった。 出演者たちは、強いようでいて弱くて、遠慮がないようでいてどこか繊細で、嫌みなようでいて優しい。スペクタクルもなく、情景もほとんど変わらず、物語は淡々と進んでいく。人間の弱いところ、ずるいところ、そんなマイナスの部分も含めて、それでも人間はすばらしいと確信させてくれる、ラストシーンがいい。ほのぼのとこころが温かくなるような・・・。
で、この映画のポイントはやっぱり「会話」。「ああ言えばこう言う」しながら会話の質を高めていくフランス人らしい、さまざまな「言葉の切り返し」が全編にみなぎってる。嫌味・・・と片付けずに、のめりこんでみると、フランス人の謎の一部分が解け、「エスプリ」が身近になるかも・・・。 ここで取り上げた作品は、みんなビデオになってるので、大きなビデオ屋でチェックしてみましょ!
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皮肉の槍投げ応酬を繰り広げる家族、全員集合! 誕生日のプレゼントは犬の首輪? ひとときのしあわせ 右 アニエス・ジャウイ 左 カトリーヌ・フロ フランスでは、この絵がポスターになった |
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関連リンク セドリック・クラピッシュ監督作品『パリの確率』 アニエス・ジャウィ監督作品『ムッシュ・カステラの恋』 フランス人 |
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