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9/21/99
メキシコの国民的女優タリア、3年ぶりの主演作は、斬新なほどに古典的なメロドラマ!
ROSALINDA ロサリンダ メキシコ テレビサ製作 1999年

 

<物語の始まり>
20年前のアカプルコ。弁護士アルフレドは、妻ソレダを誘惑した義兄の弁護士ホセ・フェルナンドを撃ち殺してしまう。ソレダは、夫の身を案じ、身代わりに刑務所に入る。実はソレダは内縁の妻。超上流階級に属するアルフレドは、秘書ソレダとの結婚を公にしていなかったのだ。

刑務所に入った途端、なんと!ソレダの妊娠が発覚。玉のような女のコを出産したのはいいが(赤ちゃんのお父さんはアルフレド)、子供の将来を考え、途方に暮れるソレダ。そんなある日、彼女の妹ドローレスが面会に来て、生まれたばかりの赤ちゃんが突然死んでしまったことを告白。これ幸いとばかりにソレダは自分の赤ちゃんを、妹に託し、実の娘として育てるよう哀願する。そう、この赤ちゃんこそが運命の子、この物語の主人公ロサリンダであった。

<そして…>時は流れ、現代。貧しいながらも美しく成長したロサリンダは、街の花屋の看板娘。親切な人々に囲まれ、明るく生きている。そんなある日、ロサリンダはお花を届けに行ったレストランで、ピアノ弾きのフェルナンド・ホセと運命の出会い!目と目が合った途端、打ち上げ花火のような情熱にかられ、激しい恋の炎を燃やす。しかし、このふたりは超因縁な関係、禁断の恋だったのだ。

<愛と骨肉の争いが始まる>
恋のお相手フェルナンド・ホセは、ロサリンダの実の母(ソレダ)を誘惑しようとして殺された弁護士ホセ・フェルナンドの息子。大金持ちのお坊ちゃまなのに、「ピアノ弾き」と称してロサリンダに近づいたもんだから、話は更にややこしくなる。しかもよ〜く考えると、ロサリンダとフェルナンド・ホセは従兄妹…。でもフェルナンド・ホセにも出生の秘密があって、実は血のつながりはないんだけどね。

ここまでは物語のほんの序章。さあ、これからが本番だ!愛と骨肉の争いの始まり!始まり!

<スタア・タリア!>
主役のロサリンダ役タリアは、メキシコじゃあ泣く子も黙る国民的大女優。メキシコの男たちは、老いも若きも、「タリア」って名前を聞いただけで、パブロフの犬状態、デレデレになる。

彼女、演技はクサいし、決して気品があるタイプでもないんだけど、ちょっと「はすっぱ」な仕草や表情もひっくるめて、見るひとを惹きつけて離さない、すっごい魅力と存在感があるんだよね。彼女が画面に現われるだけで、一気に華やぎ、ほのかな香りさえも漂ってきそうな「カリスマ」的魅力。そんじょそこらの「カリスマ」とは違うの。テレノベラ女優は星の数ほどいるけれど、タリアはホンマもんの「スタア性」を持ってると思う。

でも(特に)インテリ層には、「彼女はテレビサがつくり上げた虚像」とか、「ナチュラルさに欠け過ぎてる」って批判もけっこうある。もうすぐ2000年だっていうのに、メキシコを代表する女優が、いつまでもこんな前時代的な主人公を演じてていいのか?って意見も噴出した。

それでもこの「ロサリンダ」は、世界100か国以上に輸出する契約をしたってハナシだし(ま、ホントに100か国なのかは、ちょっと???なんだけど、中南米やヨーロッパ各国で続々放映されてるのは、確か)、メキシコやペルーでは視聴率ナンバー1をゲットし続けた。批判はあれど、タリアっていう名前だけで売れちゃう、数少ない女優。ターニング・ポイントを迎え、21世紀の彼女も目が離せない???

<この物語の原作者は…>
キューバ出身の女流テレノベラ作家の超大御所、DELIA FIALLO(デリア・フィアージョ)。メキシコで視聴率が50%を超えた炎のテレノベラ"PRIVILEGIO DE AMAR"(愛する特権)も、彼女の原作。数え切れないほどの作品があるけど、物語の始まりは、「美しく貧しい少女の前に、突然カッコよくて大金持ちの青年が現われる」ってのがキマリです。

書くほうも見るほうも飽きそうなもんだけど、「愛と幸せを勝ち取るため、孤軍奮闘するシンデレラもの」の人気は根強い。みんな厳しい現実を忘れたくて、テレノベラを見るから…ね。こういう感覚は、付加価値が好き、製品改良が得意、どんどん次のトレンドをつくりだしていく日本人には、理解し難い。でもあんまりにも古典的なストーリー展開、かえって斬新に感じられちゃったりして…。

 

主演女優のタリア
主演女優のタリア

THALIA、快くサインに応じるの巻
タリア、快くよくサインに応じるの巻

どこかそそる・・・
どこかそそる・・・。

THALIA 好きな写真
メキシコのテレノベラ雑誌 "TV NOTA"より

 

主な登場人物

タリアの恋人役 FERNANDO CARRILLOロサリンダの恋人フェルナンド・ホセ役 フェルナンド・カリージョ

ベネズエラ人俳優で、ラテン圏ではけっこう人気がある。でも背が高いフツーの男のコって感じで、タリアの相手役としてはちょっと役不足か。胸板厚くて、筋肉質。カラダは絶品なんだけど…。撮影中は遅刻が多いなどモメごとが続き、あやうく役を降ろされそうになったらしい。今年8月下旬、マイアミで麻薬不法所持で逮捕されたりもしてる。

超意地悪な母役 LUPITA FERRER

フェルナンド・ホセの育ての母ヴァレリア役 ルピータ・フェレール

彼女もベネズエラ人。ロサリンダとフェルナンド・ホセの恋路を邪魔する、超意地悪な上流階級夫人を好演!メキシコでは、たくさんのベネズエラ人俳優が活躍中なんだけど、ウワサではベネズエラよりメキシコのほうが、ギャラがいいらしい。「撮影中、(劇中だけじゃなくて、実際にも)主役のタリアをいじめまくり!」なんていう噂も流れたけど、もちろん彼女自身は否定してる。実は、ラテンの泉ピン子だったりして…。

ロサリンダの恋人を奪い取る姉役 NORA SALINAS

ロサリンダの邪悪な姉フェドラ役 ノラ・サリナス

妹ロサリンダ(実は従姉妹なんだけど)の恋人を奪い取る、お金に執着しまくりな野心家の女性を熱演! 彼女、演じるのはいつも悪役ばっかり(この顔だし)。本人はそろそろ「いいひと」役もやりたいと、インタビューで言っていた。でも彼女って笑顔よりも、怒りに燃えたり、クールに突き放すときの表情のほうが、遥かに魅力的・・・。怒りに燃えるシーンでは、背筋も凍る大迫力だし、冷たい鼻筋と目のTゾーンも、ゾクゾクさせてくれます。

関連リンク
タリアについてもっと知りたい


PRIVILEGIO DE AMAR(愛する特権)


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