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08/17/2002

冷夏をものともせず!? 2003年の夏モノ!

さむ〜い2003年、夏をあきらめて・・・ってな雰囲気だけど、冷夏なりのおすすめ夏モノ音楽をご紹介です。なーんて言ってたら、急に暑くなったりして!?!?


おスミのラテン・ヒッツNew! 09/08/03
坂本スミ子 / おスミのラテン・ヒッツ

今の今まで「坂本スミ子」のすごさを知らずに生きてきた自分がイヤになったくらい、強烈なストレート・パンチ一発食らって、ノックダウンな一枚です。とにかく好きで好きでたまらないのは、『メロンの心』。その昔々、森山加代子が歌った『メロンの気持ち』の坂本スミ子版。森山加代子のほわーんとしたヴァージョンとはうって変わって、真夏の野球場、打った打球が弧を描いて、青空に吸い込まれていくホームランみたいな豪快さ。

収録されているのは1960年代前半の、スコーンと抜ける切れ味サイコーなラテンものと、1969年にリリースされた『おスミとボサノバ』からの曲が中心です。1960年代前半の曲は、ドドンパのリズムを取り入れ、お気楽で、あっかるい! で、『おスミとボサノバ』からの曲は、1960年代後半の赤坂ラウンジな雰囲気で、歌い方はどこか艶っぽく、昭和歌謡(ムード歌謡)的。これって、エゴ・ラッピンを聞いて、昭和歌謡を新鮮だと感じた人にもおすすめな複合的ノスタルジーなんじゃない?って思ったりして・・・。たとえば『ベサメ・ムーチョ』。ギターのカッティングはボサノバ的だけど、コード進行はコテコテなムード・ラテン、フルートが入ってくるあたりは、歌謡曲っぽくてね。

ディープなフラメンコ系『マラゲーニャ』で幕を開け、ときに激しく、ときにしっとり、全25曲、坂本スミ子ワールドを堪能できちゃいます。温故知新とは、このこと! アルモドバル監督の最新作『トーク・トゥ・ハー』でカエターノ・ヴェローソが歌った名曲『ク・ク・ル・ク・ク・パロマ』も入ってます。

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映画『トーク・トゥ・ハー』
坂本スミ子の曲が入っているコンピレーション TOKYOクラブ・ラティーノ

WYOLICA -ALMOST BLUES-wyolica / almost blues
ラテンっていうわけでもないし、今年発売でもないけど(2001年12月リリース)、あえてトップに持ってきちゃいましょう。理由はこのCDを聴けばわかる? 開けた窓の網戸の向こうから雨の音がそっと聞こえる、寒い夏の午後に似合う音。彼らの音楽、どう説明すればいいのかな。アコースティックで、メロディアス・・・。azumiちゃんのちょっと距離を置いて包みこむようなボーカル、so-toのせせらぎみたいな経過音がキュンと胸をしめつけるギター、そして昔のできごとを思い出させるようなちょっとせつない歌詞・・・。大沢伸一がプロデュースしている曲も入っていて、ラテン・フレーバーを感じさせる作品もあり、ミニマムな音数で、超スタイリッシュな音楽をつくりあげています。特に『シェルター』は絶品!!! 最新のミニアルバム『folky soul』(このタイトルこそ彼らの音を象徴してる!)も、すばらしい!!! そうそう、グループ名は「ワイヨリカ」と読みます。

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TOKYOクラブ・ラティーノVARIOUS ARTISTS / TOKYOクラブ・ラティーノ
1960年ごろの音源を中心に、昔の日本のラテン音楽を集めたコンピレーションCD。『マンボNo.8』、『ブラジル』、『南京豆売り』、『ワン・ノート・サンバ』、『コーヒー・ルンバ』といったラテンのスタンダード・ナンバーがビッシリ詰まっているだけじゃなく、ノスタルジックでエキゾチック、かつオリエンタルなアイ・ジョージの『ルンバ・ハポネサ』(ジャパニーズ・ルンバ)や、ドドンパまでも入っているのがミソ! 田代みどりの『みどりちゃんのドドンパ』、『ちんたらムードの夜』なーんて曲は、(歌詞も含めて)ひっくり返りたくなる斬新さ! そして、超おすすめなのが、坂本スミ子。パワー全開、パンチ爆発、迫力満点で、一発ノックアウトです。スペイン語の発音もきれいだし。彼女が歌ったラテンものを集めた『おスミのラテン・ヒッツ』は、上で紹介しています。

THALIATHALIA
あの!タリアがついに!本格的にアメリカへ進出、英語アルバムをリリースしました。でも、なんか力が入らないんだよね〜。だって、タリア色がものすごーく薄まっちゃって、まるでタリアじゃないみたい。ビヨンセ?アシャンティ?いやいやまさにジェニファー・ロペス。アメリカで売ろうとすると、やっぱこうなっちゃうのね。ちなみに渋谷HMVのチャート(6/29〜7/26)では、1位ビヨンセ、2位アシャンティ、このアルバムはなんと!8位に食いこんでいます。J-WAVEでも、最近、"I WANT YOU" がよくかかってるよね〜。で、かかるたび、「マライアの元夫トミー・モトーラの新妻で、とても美しいメキシコ人」って、紹介されるの。なんだかな〜。ジャケ写真も、R&Bしてるしね。そうそう、去年リリースした同じセルフタイトルのアルバムとは、(去年のアルバムの収録曲を何曲か英語で歌っているとはいえ)全然別モノです。

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タリアってだれ?


SEAN PAUL SEAN PAUL / DUTTY ROCK
ダンスホール・レゲエの貴公子、ショーン・ポールの大ヒット "GET BUSY"は、蒸し蒸しする真夏の夜に渋滞した海岸通りなんかで聞くと、そりゃ、燃えてくることでしょう。ホント、この曲、大好きなんだわ。たぶん、これ、生まれて初めて買った「レゲエ」に分類されるアルバムです。昔々その昔、レゲエ好きな男のコのクルマに乗せてもらって海行って、そのころは湘南に行く道って合流多くて、行きも帰りもものすごーく渋滞して、なのにずーっとレゲエがかかってて、レゲエ嫌いになったのね。でも、今は21世紀。ダンスホール・レゲエは、トリニダードのソカやラガを彷彿とさせたりもして、ちょっとあやしい雰囲気もあって、カッコいいっておもいます。でも、アルバム後半は、やっぱ遺伝子?昔ながらのレゲエもたんまり入っていて、1枚で二度おいしい構成。ちなみに彼って、ジャケ写真はワルそうな顔してるけど、大学卒業して、銀行に入社、ママにお願いして、期間限定でダンスホールのDJになったっていうお坊ちゃまだそうです。

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トリニダード・トバゴの旅行記


ticatica / latest rules
少ない音数で超クールなサウンドをつくる日本のユニット tica。冷夏な今年の日本の夏にもよく合うけれど、できれば、昼間の熱気と湿り気を含んだ空気が重く沈殿するような熱帯夜、電気もエアコンも消して、じっとり汗かきながら聞いて、自然にクールダウンする感覚を味わいたいな。シンプリー・レッドの逸品 "HOLDING BACK THE YEARS"や、J.J. Caleの隠れた名曲 "DON'T CRY SISTA" など、カバーのセンスもすっごい。