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3/9/2003

『ウェルカム!ヘヴン』
ペネロペちゃんとビクトリア・アブリル、夢の競演!

2001年 スペイン・フランス・イタリア合作 (原題 SIN NOTICIAS DE DIOS) 


左:ヴィクトリア・アブリル、右:ペネロペ・クルス
photos: http://www.crest-inter.co.jp/index2.html


ウェルカム!ヘヴン
一昨年暮れ(2001年)、スペインで公開されたときには、スペインまで見に行っちゃおうか!?と真剣に考えたほど見たかった映画が、日本で一般公開されました(東京地区ではすでに公開終了)。

今やハリウッドを席捲した感のあるペネロペ・クルスと、スペインが世界に誇る天下の大女優ビクトリア・アブリルの競演作。監督は、『死んでしまったらわたしのことなんか誰も話さない』のアグスティン・ディアス・ヤネス。

昇ってくる魂が激減し破産状態になった天国の危機を救うため、使者のローラ(ヴィクトリア・アブリル)が地上に送られる。一方地獄はローラの仕事を邪魔するため、使者カルメン(ペネロペ・クルス)を送り込む。そして、ふたりは「あるボクサーの魂」を奪いあう。天国の使者はボクサーの魂を救おうとし、一方、地獄の天使は、それを手に入れようとする。

物語の舞台は天国(公用語フランス語)、地獄(英語)、地上(スペイン語)。ビクトリア・アブリルがエレガントな天国の使者に、ペネロペ・クルスが大胆で男性的な地獄の使者に、それぞ従来のイメージとは逆転する華麗な変身を遂げ、一人の男の魂を巡って地上に舞い降り火花を散らす。ところが事態は、思いも寄らぬ方向へニ転三転! そして・・・。

『アモーレス・ペロス』『天国の口、終わりの楽園』など、主演作が高い評価を受けているメキシコの星!ガエル・ガルシア・ベルナルも出演しているときたら、思わず興奮!?

日本公開時のフライヤーで、実際に観てみたら、うーん・・・。仕事の合間に時間をつくって、慌しく見に行ったのもいけなかった。セリフの裏に隠された意味が、いろいろとあったと思うんだけど、そこまで考えずに見終わっちゃって・・・。

この映画、いろいろなメディアに紹介されたけど、どれも上に書いたような内容にまとめられていた。で、それを読んだイメージで見にいくと、「だからどうした?」って感がなきにしもあらず。

この映画の宣伝は、もろ、ペネロペちゃんにフォーカス絞ってて、それは左の写真、日本公開時のフライヤーでも見てとれる。ペネロペちゃんはきれいに写っているけど、天下の大女優ビクトリア・アブリルは、あくまで添え物って感じ。でも、えらそーなこと言うようだけど、ハリウッドで活躍するペネロペちゃんしか知らないファンは、この映画が好きな層じゃないと思うんだよね。ある意味、マニアックな作品だから。っていうことは、つまり、、ペネロペちゃんが出演していたからこそ、スペインまで行かなくても、この映画を日本で見ることができたってことかもしれないんだけど・・・。

ビデオが発売されたら、もう一度、見たいと思う。そのときは、『ウェルカム!ヘヴン』としてではなく、原題の "Sin Noticias De Dios"(No News From God〜神様からのニュースはない)という映画として。

そうそう、『8人の女たち』でカトリーヌ・ドヌーヴと取っ組み合い、強烈で圧倒的な存在感を見せつけたファニー・アルダンは、この映画にも出演しています。彼女、カッコいいよね。この2作品で、すっかりファンになりました。あと、映画のそちこちに散りばめられている、アルモドバル的で、スペイン的なユーモア、クスッと笑えました。冬のパリの街並も懐かしかったし、映画の導入部、テロップの出方?もカッコいいし、ビクトリア・アブリルのノスタルジックな歌もいい。

あれ、けっこういいところあるじゃん。そして最後に、ハリウッドで名を馳せても、こういうスペイン映画にしっかり出演し続けている、ペネロペちゃんに拍手!

関連リンク
メキシコのオフィシャル・サイト 
スペインのオフィシャル・サイト
どちらもスペイン語ですが、ビジュアル系なカッコいいサイトです。雰囲気を楽しんでね。
ヴィクトリア・アブリル主演 『死んでしまったらわたしのことなんか誰も話さない』

『天国の口、終わりの楽園。』
『アモーレス・ペロス』