ホーム> 60日間のラテンな旅行体験記
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ミラノ着、ヨーロッパに来た実感がヒシヒシ |
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彼女は同じ飛行機で、わたしの前の座席に座っていたのだという。おいしい機内食〜やわらかいテリヤキビーフ+にんじん(Baby Carrotとメニューに書いてあった。これがホコホコで、うっとりするほどおいしい)+ごはん。これは今回の旅行のベスト機内食!〜を夢中で平らげ、すぐ寝てしまったので、気がつかなかった。そういえば黒髪が垣間見えたような…。彼女によると、コーヒーなどをオーダーするわたしの声が大きかったので、印象に残っているのだそうだ。 天気は小雨、気温は摂氏8度、窓の外には北ヨーロッパらしい、落ち着いた田園風景が広がっている。ミラノはイタリア北部、スイスとの国境近くに位置しているので、イタリアというよりはヨーロッパに到着したという感じがする。なんだか妙に落ち着くのはなぜかしら…。 リムジンバスがミラノ中央駅についてから、彼女といっしょにしたこと。 「往復を購入して、片道分は捨てればいいのよ。片道よりも往復のほうが安いの。値段は55万リラ(約4万1800円)よ」とイタリア語なまりの色っぽい英語で、ニベもなく言う。インターネットで調べたときには、Euro Belgian Airlinesという航空会社は片道が設定されていてUS$162だったけど、「その航空会社は扱ってないわ」というので、パス。もうオトコ同士でイチャイチャしちゃって! お散歩しながら別の旅行代理店を探す。大学(高校?)の内部に入りこんだり、路地を歩いたり…。そのうち航空会社が集まる一画に出て、第二の旅行代理店を発見。Euro Belgian Airlinesも扱っているというので、チケットを購入し、ついでに今夜のホテルも予約。わたしの名前EMICOはイタリア語では男性の名前だそうだ。 ビジネスマンが多い、カフェテリア形式のイタリア料理店でお昼ごはん。トレーを持って並んで、好きなものを取って、レジで精算するシステム。ラザニア、卵乗せのハンバーグ、パン、水で1000円程度。おいしくて幸せ。しかもウェイトレスの女のコが魅力的。 一言終わるたびにウィンクをするんだけど、レズっぽいわけではなく、チャーミングで自然な感じ。お皿を下げたりする動作とウィンクのしぐさが違和感なく連続しているのがスゴい。ミラノの人々は洗練されていて、おしゃれ、センスがよい。オトコたちだけじゃなく、女のコたちもホントに魅力的。 テレビはもちろん、冷蔵庫、ドライヤー、シャワーキャップ、入浴剤まで備え付けれていて、建物はとても新しい(フロントの男性は30年の歴史があるホテルだと言っていたが)。思いっきり横になれる清潔なバスタブがうれしい。ビジネスホテルみたいで(実際に日本人ビジネスマンも宿泊していた)、日本に戻ったような気になった。部屋の面積は日本のビジネスホテルよりずっと広いけどね。 今日一日をいっしょに過ごした美紀ちゃんは大阪在住、大学を卒業して2年ほど働いたが、仕事を辞めて1か月の予定でアメリカとヨーロッパを旅行しているのだという。関西人らしい自然なボケがいい味を出している。ちょっと脇が甘かったりもするが、主体性、感受性ともに良好な、いい感じの女のコだ。わたしがお風呂から上がると、物陰に隠れていて「わっ!」と驚かしたりするのもかわいい。「絵ごころ」がないわたしとしては、絵日記をつけている彼女の後ろ姿がすごくうらやましかったりして…。 彼女の身に何かあったのかしら…などと考えたりする。彼女は性能のいいノートパソコンを持ち歩いていたけど、ホテルの部屋に置きっぱなしにして盗まれてしまったのではないか? あのあと何か嫌なことでも起こって、もうあの旅行は思い出したくもなくなってしまったとか? あるとき、チェックアウトのときの記憶がふと蘇った。 「あれ、入れておいたお金がない…」 ミラノのホテルに1泊した翌朝のことだ。彼女はポケットをゴソゴソやっていた。 「どっかに入っているんじゃない?」 列車の出発時間が迫っていたので、わたしはちょっと急いでいた。あまり深く考えずにそう答えたが、もしかして彼女は、わたしに対して疑いを持ってしまったのではないだろうか? ときどき彼女のことを思い出し、どうしているのかなあと思う。 (本文中は1リラ0.076円で換算) 関連リンク 航空会社★取り表 Euro Belgian Airlines 旅行した時期は1996年10月〜11月です。 |
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