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男女兼用・旅ワザ集<2>「思い出したくない系のひとたち」
マレーシアに行ったときのこと。マラッカで泊まったホテルのフロントの女のコに、"City-Countryside Tour"(マラッカの観光名所をまわるバス。ただしパックツアーで案内してくれるわけではなく、名所と名所を結んでいるだけ)のバスに乗るには、どうしたらいいの?」って尋ねたら、「市内観光がしたいんなら、業者を紹介してあげる」と言うので、とりあえず会ってみた。 現れたのは、アゴ髭・チョビ髭をセットで生やしたジジイ。骨董屋で、中国服を着て、両手を合わせ「もみもみポーズ」をしてそうなタイプ。そういえば、教科書に出てきた中国の昔話の挿絵にも、こんなおじいさんがいたような…。 彼の最初のオファーはこう。「マラッカを4時間観光して、クルマでタンピン(マラッカからバスで1時間くらいのマレー鉄道の駅)まで送ってあげて、RM180(5940円)」。日本にいるとそんなに割高な感じはしないかもしれないけど、マレーシアの物価から考えると、おそろしく高い。おいしいランチが130円、ホテルでコース料理を頼んでも340円のこの国で、6000円なんて…。「いやだ」って言ったら、下がる、下がる、また下がる。彼の最後のオファーは、3時間の観光のみでRM30(1000円)。 営業トークも超前時代的スタイルなのね。「地図で見ると近く見えるけど、実際はすごく遠いんだ」とか言うんだけど、ウソがバレバレ。広場に面したいくつかの建物が、「歩くと遠い」わけがないでしょ? こうなってくると信頼の問題。いくら1000円でも、この髭ジジイと何時間もいっしょに行動する気にはもうなれない。結局、「あなたとはいっしょに行きたくない」って4〜5回繰り返して、やっとさよならした。 それにしても、旅行者は進歩してるのに、いまどきこんな商売方法で、やってけるのかなあ? まあ、支払っちゃう人がいるから、やっていけるんだろうけど。 ホテルの従業員の女のコも、こんな業者を宿泊客に紹介したら、クレームになりそう…とか思っちゃうけど、中国系は家族の絆が強いから、血縁に旅行業者がいれば、とりあえず紹介するんだろうし、彼らはこういうことに理解があるから、とやかく言わないんだろう。実はあのおじいさん、彼女のお父さんだったりして。 こないだのワールドカップで、20万円払ってチケット買った日本人サポーターが、ダフ屋に「ありがとう!」と言いながら、握手していた光景が、フランスで物議をかもしだしたらしい。"NO!"って言うより、"YES"って言うほうが簡単だけど、ここは踏んばって"NO!"って言わないと、いま以上に「日本人価格」が世界にはびこっちゃう。できればユーモアなんか交えて"NO!"が言えるようになると、コスモポリタンって気がしませんか? *シンガポールドルS$は78円、マレーシアリンギットRMは33円で計算しています。 関連リンク アジアなちからだ、マレーシア エジプトといえば、ピラミッド! これだけは、ぜったい見なくちゃ・・・。 でも今になってみると、ピラミッドのことはあんまり覚えてないんです。スフィンクスが工事中だったような気がするとか、ピラミッドの中に入って、這いつくばりつつ奥の方へ進んだような気もするとか、なんだかとっても曖昧・・・。 さて、ピラミッド見学が終わったのは夕方。このまま帰るのはモノ足りないなあ・・・と思っていたら、エジプト人のオヤジが近づいてきた。 「どうだい、お嬢さん方、ロバに乗って、ピラミッドの夕陽を楽しまないかい?」 ニンマリ笑いながら立っているのは、もういかにも「ムスタファ」って感じの、アラブなオヤジ。できれば「ロバ」じゃなくて、「馬」に乗って、さっそうと砂漠を駆け抜けたかったんだけどね、女アラビアのロレンス状態で・・・。でもまあ、馬には乗れないし、急に走り出したらコワイし、「ロバ」がちょうどいいのかもしれない。 「いくら?」 わたしたちは真剣に尋ねた。エジプトとか、モロッコとか行ったことある人は、心底同意してくれると思うんだけど、あのあたりって値段交渉がホントにタフなの。普通のお店で売ってるモノでもゴマかされてるような気がするくらい、定価で売ってるモノがとっても少なくて、何するんでも値段交渉から入ることになる。そして「バクシーシ(チップ)攻撃」。これもホントに強力で、写真を撮ればバクシーシ、タクシーに乗ればバクシーシ、美術館でバクシーシ etc.,etc., ホントに疲れ果ててたけど、やっぱりムダなお金は払いたくない。そうしてまたまた果てしない攻防が始まった。 「いくら?」噛みつきそうな顔をしてわたしたちが尋ねても、彼は一歩も下がらない。 「じゃあ、ふたりで1000円でどう?」 (正確な値段は覚えてないけど、だいたいこんな感じ。エジプトの通貨も覚えてないので、円でいきます) 「高いよ」「高い、高い」 「じゃあ、ふたりで800円」 「いやあ、まだまだ高い」 「ええい、それじゃ600円でどうだ」 「なら、やめとく」 「待て待て、それなら500円」 「あと一声!」 「これ以上は負けられん」 「もう一歩なんだけどね」 「これが最後だ、400円!」 「ホントだな、ホントに400円でいいのね」 わたしたちは食いつくような顔で確認した。 「もちろんさ。ふたりで400円、オトコに二言はない」 アラブなムスタファ・オヤジは胸を張った。 「いま、払おうか?」 「いや、あとでいいよ」 30分か1時間か、オヤジにガイドされ、ロバに乗って、にわか「月の砂漠」気分を味わった。乗ってたときのことは、やっぱりあんまりよく覚えていない。ロバといっしょに笑顔でギャロップしているわたしの写真が残っているので、たぶんとっても楽しかったんだと思う。ムスタファ・オヤジとの次の攻防は楽しんだあとにやってきた。 「楽しかったかい」 「ええ、とっても」 「そうか、それはよかった。じゃあ、お金を払ってもらおう。600円だ」 「ウソ!」「約束が違う」「どうして?」「400円って言ったじゃない」 嵐が収まるとムスタファは静かに言った。 「わたしは<ふたりで400円>と言ったのだ。でも考えてごらん、あなたたちのロバが2頭、つまりひとり200円だ」 「そうでしょ、だから400円払えばいいんでしょ」「そうよ、あんなに約束したじゃない」 「待て待て、ここでひとつ問題がある。わたしのロバの料金は誰が払うんだ?」 「そんなの知らない、だってあんたのロバでしょ」 「いやいや、ふたりで400円、ロバが3頭。だからあなたたちは、わたしのロバの料金も含めて600円払わなければならない」 ふと見ると、ロバがのんびりした顔で待っていた。辛抱強いロバには感心したが、わたしたちはすっかり疲弊していた。もう200円くらい払っちゃえばいいようなもんだけど、ここまでくると引き下がるはとっても悔しい。 「あんたは悪いヤツだ」 ついにともだちがキレた。すると今までのらりくらりしていたオヤジの表情が一変した。 「なんてことを言うんだ。わたしが言いたいのは・・・・」 彼は大プレゼンテーション状態で、いろーんなことを喋った。彼がいちばん言いたかったのは、「自分は悪いヤツではない」ということだったようだ。彼の商売方法は納得できなかったが、必死になって言い訳する姿を見ていると、少なくとも「悪いヤツ」ではないのかもしれない。彼は砂漠で厳しい生存競争しているわけだし、ロバもたいへんだ。彼の粘り勝ちである。 「悪いヤツじゃない」ってこと、わかったって言うと、彼はニコニコして握手を求め、わたしたちは彼に600円払った。で、せっかくなので、写真を撮った。 写真にはキレイな砂漠の夕焼けをバックに、和んで並んでいるわたしたちが写っていました。こんなバトルがあったなんて、ぜんぜん連想できないような…。
追記:このエピソード、とりあえず「思い出したくない系」に入れちゃいましたが、このオヤジ、なんか憎めなくてホントはけっこう好きです。で、次回は、ホントに「思い出したくない」できごとを掲載する予定。お楽しみに!?
「彼」とは1994年にトリニダード・トバゴのカーニバルを見に行ったときに知り合い、「いつでもカナダに遊びに来てね!」と言ってたので、1996年、60日間のラテンな旅行の帰り道、バンクーバーに寄ることにした。 空港に迎えに来てくれたのはよかったけど、いきなり「太ったね」って挨拶代りに言うから、いやーな予感はしたの。 「彼」も仕事があったし、滞在したのは3日くらいだったから、いっしょに過ごしたのはランチつき半日観光と、ディナーが1回くらいかなあ・・・。でも、「彼」はトリニダードで会ったときとは別人状態・・・。以下は、日記に書いておいた「彼」の語録です。 「日本は男性優先の世界。バンクーバーにいる日本人の女のコたちは、そんな日本社会が嫌で日本を脱出、カナダ人と結婚したがっているし、カナダを愛している」 「日本人はグループで仕事をして、個人の決断がない。すぐに会議を開きたがるから、結論が遅い」 「日本に行ったとき、ホテルの窓から日本の会社が見えた。朝7:30から朝礼やって、体操して、何してるんだか1日中机に向かって仕事して、夜になると会社で宴会。週末も仕事して・・・これが日本のスタイルか?」 「日本の母親は男のコを大事に育て過ぎるから、男がマッチョになる。例えば日本人の男が妻に一方的に離婚を申し出たら、彼らの財産はどうなるのか? カナダではすべて男女平等だ」 「カナダでは、カナダでは・・・(延々続く)」 「誰かに5分待たされるのも我慢できない。南米では1時間待たされたって? じっと黙って待っていたのか? 信じられない。失った時間をどうしてくれるんだ?」 「すべては時間通り進まなければならない。B人もそうあるべきだ。日本人もそうあるべきだ。カナダは進化した国だ。M人は嫌いだ」 「明日、朝食を食べたいならモーテルの隣りにカフェがある。K系のお店だけど、K人が嫌いなら、ちょっと歩いたところにデニーズもある」 メモしてあったのは、これくらいだったけど、もっと差別的な発言を含めて、この10倍くらい、このテの話を「彼」はした。 リピート・ジジイだから、おんなじ内容の話が多かったけど、特に「彼」が繰り返していたのは、「これこれはLOW CLASS、これこれはHIGH CLASS」とか、「教養がある、ない」ってフレーズだった。「彼」は自分が「教養ある」部類に入っていると信じてるとしか思えないけど、西洋的なスタイル以外の文化や習慣を理解できない人なのにね。教養っていったい何? 旅行に出発するまえに、『聖なる予言』を読んでて、「考え方がまとまり、その考え方に向かって進もう!と決めたとき、その考えかたをすべて否定し、壊そうとし、別の考え方を強制する人物が現われる…」っていうようなことが書いてあった。「彼」はまさしくその人物、ちょっと出来すぎなくらい。 それにしても、彼が言ったこと、当たってるところもけっこうあるのが悔しいわ。たとえば、「日本の母親は男のコを大事に育て過ぎる」とか…。
関連リンク 60日間のラテンな旅行記
その4〜マレーシアで会った「地球の歩きかた」なカップル 8/3/98 こないだ「日本人を避けないのが旅のモットーのひとつ!」っていう投稿をもらいました。 その投稿を読む で、思い出したんだけど、日本人同士って、海外で会うとバツが悪くなっちゃうのはなぜ? 中南米カリブあたりだと、そんなに日本人に会うことはないので、たまーに会っちゃったりすると、「日本人?」なんて尋ねたりして、けっこう盛り上がったりしますが、日本人がいっぱいいるヨーロッパ・アジアあたりだと、ビックリするくらいに避けられたりします。 特にいけないのは、女のコの二人組。前にスイスだったと思うけど、鉄道の駅で日本人の女のコ二人組がいたから、何か尋ねてみたら、「ここまでつれない返事がどうしてできるんだろう」ってくらい愛想なくて、もうバリバリのバリア状態! あと男女のカップルも、やっぱりけっこういけない。 マレーシアの海辺のロッジのレストランで、日本人大学生男女カップルと会った。せっかく会ったんだから…と話をし始めたんだけど、どうも盛り上がらない。彼らと話していちばん印象に残ったのは、「旅行しててカラダは動いてるのに、気持ちが動いていない」ってこと。 例えば、「イポーに行った」って言うんだけど、安宿で昼間もほとんど寝てて、イチ押し見所「イポーの駅舎」も見てかったり・・・。つまり「これこれしたい!」っていう欲望が薄くて、目的意識ってほどおおげさじゃないにしても、「気」が感じられない。なのにマネー・コンシャス。話の内容も「ここがよかった!」ってことはあんまりなくて、「値段がいくらいくら…」ってことが多い。 「ふたりでRM30(日本円で1000円)くらいの安宿を、クアラルンプールで探している」って言うんだけど、「上品そうな彼女連れで大丈夫?」って思っちゃう。いくらマレーシアは治安がいいって言ったって、都会の安宿はリゾートの安宿よりは危ないしね。 これって猿岩石や深夜特急ブームに流され、「地球の歩きかた教」に洗脳された系列かな、って思っちゃう。だって、彼ら、着てるものもけっこういいし、「東京で貧乏な生活を送っている」ようにはとっても見えない。なんでそんなにお金を節約するの? なんで旅行してるのに、昼間も寝てるの? まあ、大きなお世話だけど、せっかく海外まで行ったのに、何百円をケチしながら、お金を使わないことばっかり考えて、見といたほうがいいものを見ないまま終わっちゃうのは、とってももったいないと思いました。 オマケ:このカップルの彼女にとって、この旅行は「卒業旅行の下見」。なんと!数週間後に今度は女ともだちとの卒業旅行で、またマレーシアに来るそうな・・・。ますますわからん!
関連リンク アジアのちからだ、マレーシア 書を捨てよ、町へ出よう
4回にわたり「思い出したくない系のひとたち」をお送りしてきましたが、いかがでしたか??? 「イヤなヤツ特集もやってみたら?」というメールをもらって、思い出してたらけっこういろいろ出てきました。まだまだあるけど、とりあえず今回はここで打ち止めといて、また次回「思い出したくない出来事特集」でもやってみようかなって思ってます。「海外の日本人社会」とか「海外で固まる日本人集団」についても、もっともっと言いたいことがあるんだよね。あと「恥ずかしい系」もまだまだあるし・・・。
きっと、読者のみなさんもいろいろ言いたいことがあると思うので、ぜひ!メールくださいね!
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旅行して、どんな人たちと会った? どんな体験をした?
何を感じた?
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