ホームテレノベラ>LA CAPONERA ラ・カポネラ最終章
01/22/2001
LA CAPONERA ラ・カポネラ 最終章〜旅の終わり、そして始まり

今までのあらすじを先に読む

「運命の女」カポネラを奪いあった二人の男たち、軍配はディオニシオに上がった。全財産を投じた賭けに負け、愛する女を失い、いかさまギャンブラーの罠にはまったロレンソは、銃で撃たれ、車イスの身となってしまう。すべてを失った彼は、静かに姿を消す。

ディオニシオとカポネラが新しい生活をスタートさせた豪邸は、ロレンソがカポネラと暮らすために建て、賭けに負けて手放した家。「あんたはここで幽閉され、死を迎えるのだ」。ジプシーの占い師が予言した、呪われた家だった・・・。カポネラはディオニシオの子供を身ごもり、歌うことを断念する。

そして15年後。カポネラの超能力に助けられ、負け知らずのギャンブラーとしてその名を轟かせるディオニシオは地元の名士となっていた。思春期を迎えた娘、ディオニシオの兄の息子のメラルディート、古くからの友人たちと大ファミリーを築き上げ、順風満帆かに見えた。しかし、何一つ不自由のない生活のなかで、カポネラは、生きる目的を失っていた。妊娠しなければ、歌を捨てることもなかった・・・。そんな後悔の念にとらわれ、娘に十分な愛情を注ぐことができない。酒浸りの日々が続いた。

さらに8年後。娘たちは都会の大学に通い、カポネラの孤独感はますます増し、幻想を見るようになる。「夢よ、もう一度」と再び歌い始めるが、長いブランクがあったため、思うように声が出ない。観客のブーイングを浴び、人生に絶望するカポネラ・・・。

ジプシーの占師が言う。「今のおまえを待っているのは死のみだ」。

ここで物語はひとつの結末を暗示する。死を迎えるカポネラ、自殺するディオニシオ、散り散りになる家族、そんな彼らをあざ笑うようにそびえたつ呪われた家、その家に照りつけるこわいほど明るいコロンビアの太陽の光・・・。

「死を避けるためには、あの家を出ることだ」。占師の言葉が、カポネラを完全に支配した。

そのころ、ディオニシオとロレンソは再会し、人生を左右する大勝負に挑む。今度の勝負はロレンソの勝ち。家を明け渡し、旅に出るディオニシオ、カポネラ、そして彼らの仲間たち。そう、20数年の月日を経て、旅芸人の一座に戻る日が来たのだ。昔の輝きを取り戻したカポネラと、彼女の娘が並んでステージに立つ。司会はディオニシオ。漂流の歌手カポネラと、一家の旅は続く・・・。


見続けること、なんと10か月!LA CAPONERAが最終回を迎えました。主人公のふたり、カポネラとディオニシオの子供時代から、熟年に至るまで、50年近い年月を描いた大河ドラマがついに完結!

物語にはふたつの結末がある。ひとつは、呪われた家で最期を迎えるカポネラと、家族の悲しい末路。もうひとつは、気の遠くなるような年月を経て、いったんは得た地位と名声を捨て、自由な旅芸人に戻るという展開。ま、映画だったら悲恋もいいけど、これだけ見続けたノベラは、絶対!ハッピーエンドじゃなくちゃ困る。でも単純にシャンシャン終わっちゃうんじゃ、物足りない。そんなわがままに応えてくれた、終盤の展開はお見事でした。

放映期間1年(月〜金の30分枠)のノベラなので、書ききれなかったエピソードもたくさんある。たとえば、主人公ディオニシオ一家の「血」。彼のお父さんは、闘鶏に憑かれ、殺人を犯し行方不明となってしまう。3人の子供を苦労して育て、逆境のうちに死を迎えたお母さん。兄(メラルド)は、妻に先立たれ、任された農場を騙し取られた挙句に、これまた失踪。姉(フランシスカ)は、ジプシーの占い師に一目ぼれするが、結婚詐欺にあい、爪に火を灯して貯めた貯金をすべて騙し取られてしまう。そして、数年後、偶然再会した彼に死の報いを与えて復讐する。が、カポネラを妬み殺そうとして、自分が毒薬入りの水を飲んでしまい、あえなく死んでしまう。兄メラルドの息子は、邪悪なフランチェスカの血を受け継ぎ、彼もまた消えていく・・・。脈々と流れる「血」と、抗えない「運命」、そして魔術性・・・。ガルシア=マルケス的な要素が、こんなところにも・・・。

長い年月を経て、悪いやつは淘汰され、主人公たちは元の姿に戻っていく。大切なのは、お金や名声よりも自由だと、このノベラは言っているのかもしれない。カポネラは実在してて、今日もコロンビアのどこかで歌っているんだと、思わせてくれるようなラストがよかった。カポネラたちの旅は、終わらない・・・。


 

関連リンク SANCHO PANZA このノベラを借りる ガルシア=マルケス LAS JUANAS



旅行して、どんな人たちと会った? どんな体験をした? 何を感じた?
http://www.page.sannet.ne.jp/megmeg/
Copy Right (C) 1997-2001 Emico Meguro All Rights Reserved.