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7/26/1999 |
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首都ボゴタにゲリラが迫った | |
「ゲリラと兵士が恋の逃避行成功」 今年(99年)4月、コロンビアで起った事件は、テレビでも取り上げられたので、覚えているひともいるかな。捕らえた兵士に恋をした16歳の女性ゲリラが、兵士とともにジャングルの野営地を脱出し、命懸けの逃避行を決行。追手に捕まるころもなく、無事に保護されたという、なんともコロンビアなエピソード。しかも逃避行を持ちかけたのは女性のほうなんだって。コロンビアの女性は意志キッパリ系で、強いからね。とっても納得。 こんなエピソードばっかりだったらいいんだけど、そうもいかない。同じ4月には、アビアンカ航空がゲリラに乗っ取られ、乗客乗員46人が誘拐された。飛行機はゲリラの秘密の滑走路に強制着陸させられ、乗客たちは近くの川でカヌーに乗せられ、姿を消したという。 6月には、右派民兵組織の拠点に近い町をゲリラが襲撃。政府軍と住民50人が死亡する事件もあった。 そして今月8日、なんと!首都ボゴタからわずか25キロしか離れてない地点で、大規模なゲリラ戦が繰り広げられた。コロンビア革命軍(FARC)の500人の部隊がボゴタ近郊に迫り、政府軍との間で激しい戦闘となったという。政府軍兵士40人、ゲリラ側37人が死亡、政府軍の96人が行方不明になったんだそうだ。 普段山中に潜むゲリラたちが、首都近郊25キロまで迫ったというのも大変なことだし、多数の死者行方不明者は、戦闘の激しさを物語っている。ここに挙げたのは、7月9日時点の数字なので、実際の犠牲者はもっと多いだろう。ゲリラが和平交渉を有利に進めるため、組織の力を誇示した…というのが、もっぱらの見方。 98年8月に就任したパストラナ大統領は、麻薬・ゲリラ対策を政権の最重要課題としている。元テレビキャスターで、弁舌がたち、フットワークがウリのパストラナ大統領は、自身が麻薬組織に誘拐された過去を持つ。積極的にゲリラとの対話を推し進めようとしてるんだけど、これがなかなかむずかしい。麻薬はコロンビアの経済と水面下で密接に結びついているし、結成して以来50年、ゲリラ活動一筋のFARCが、そうそうカンタンに降伏するわけもない。 「左翼ゲリラが大攻勢」。数日後の新聞には、こんな見出しの小さ〜い記事が出てた。コロンビア革命軍(FARC)は、コロンビアの15市町村で一斉に攻撃を開始、コロンビア全土の三割に夜間外出禁止例が発令されたという。 で、わたしがチェックしてる日本の新聞(1紙だけど)のコロンビア関連記事は、ここで途切れる。気になったので、インターネットでチェックしてみた。このあと、戦闘はゲリラの大敗に終わり、政府との対話の準備を進めることになったという。まあ、実際の対話のほうは、遅れちゃって、まだ始まってない(7/23現在)。「対話だ!」って、今年の1月から言ってるんだけどね、なかなか前へ進まない…。 インターネットがあったから、こうやってチェックができるけど、日本のメディアって「その後」を報道しない傾向があると思うの。例えば、コロンビアの大地震にしても、被災直後は現地の悲惨な映像をトップニュースで流してたでしょ。でも「その後」、被災地がどう復興しているか…とか、そういう情報はほとんど伝えない。少なくとも、わたしはまったく見てない。 今回の「左翼ゲリラ VS 政府軍」のニュースにしても、「コロンビアでまたまた左翼ゲリラのテロ!」的な衝撃的な見出しは踊っても、沈静化したことは記事にならないんだよね。そうすると、日本人の「コロンビアはこわ〜い国」ってイメージがどんどん決定的になっちゃうような気がする。 あと、日本のニュースはとっても海外の話題が少なくて、ドメスティックなニュースが中心過ぎると思う。海外のニュースを流すのは、たいてい大きな事件が起ったときだけ。(海外と比較すればいいってもんじゃないけど)中南米でニュース見てると、隣国のニュースもかなりのボリュームで伝えてる。日本だって、もっとアジアの話題を伝えてもいい。飛行機事故や天災、政権交代だけじゃなくて、もっと庶民的なニュースを知りたい。 やっぱ、その国のことを知れば、知るほど、親近感は深まるし、比例して理解だって深まるんじゃない? アメリカに親近感持ってる日本人が多いのは、アメリカのニュースはいっぱい入ってきて、(流行とか)アメリカのことをよく知ってるから。テレビ朝日系の『地球TV』みたいな番組が、もっと増えて、もっと見やすい時間帯になればいいのに…。でもならないってことは、見る側が興味を持ってないってこと???
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関連リンク コロンビアとゲリラ、そして治安 コロサル〜うたかたの町 コロンビアなひとびと
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