ホーム世紀末な???中南米旅行インデックス コロンビア

3/22/1999

コロンビアとゲリラ、そして治安


去年(98年)就任したパストラーナ大統領は、ゲリラとの和平実現に真剣に取り組んでいる。っていうことは、ゲリラ撲滅作戦開始なわけで、撲滅されてたまるか…とゲリラは勢力拡大の動きを強め、山中から徐々に支配地域を拡大しているという。

コロンビアにはいくつかのゲリラ組織があるが、コロンビア最大の左翼ゲリラ組織はコロンビア革命軍(FARC)。伝説的な指導者ティロフィーホによって、1949年に組織されている。彼は現在70歳。組織したときは若干20歳で、最初のメンバーは彼の14人のいとこだった…なんていうのは、とってもラテンアメリカ的。でも以来ずーっと自身の理念一筋に生き、抗争を続けているわけだから、ゲリラのなかのゲリラ、生半可なゲリラじゃない。

「いつの日か我々は我々の手に政治を取り戻し、平等に、平和に生活しなければならない」。とっても簡単にまとめると、彼のイデオロギーはこうなる。コロンビアは1849年に保守党、自由党が結成され、以来両党の対立、武力抗争が繰り返されてきた。

今年(99年)1月、政府とFARCの最高指導者ティロフィーホは対話をする約束をし、彼の要求に従って、政府は対話の舞台となるはずだったサンビセンテ・デル・カグアン市一帯から、軍と警察を撤退させた。でも彼は現われなかった。なぜか? 政府が彼を暗殺しようとしてる可能性があったからではないか…といわれている。

「ゲリラは罪もない村人を殺害している」。そんなふうに思っている人もいる。

「それはゲリラじゃない。極右組織がゲリラのシンパになった村人を襲うんだ」。そう、新聞にもそんな記事が出てたっけ…。

極右組織(パラミリタリー)は、左翼ゲリラをつぶそうとあらゆる手段を使うんだそうだ。

「極右組織を支援しているのは、世界一の大国だ。共産主義者は彼らの天敵だからね。つまり今のコロンビアはベトナムと同じ状況になっているのさ」と言った人は、言い終わってから口に手をあてた。

他国の政治にすぐ首を突っ込んできて、彼ら流の「正義」を主張し、「世界の警察官」を自認する彼らのポリシーはどうしても支持できない。ゲリラの主張に賛同できるところはたくさんあるけれど、この50年間、ゲリラ抗争によって犠牲になった人々のことを考えると、ゲリラの肩を持つわけにもいかない。コロンビアの政治情勢は複雑で、混沌としている。わからないこともいっぱいあるし…。

去年(98年)12月の朝日新聞にガルシア・マルケスにまつわる特集が出ていた。この記事を書いた記者はバランキージャに滞在し、ガルシア・マルケスが生まれた町など、彼のゆかりの地を訪ねている。

この特集を読んだともだちは、「あそこに書いてあったところに行くの?」とビックリしてたんだけど、わたしも読んでちょっとビビッた。バランキージャの下町は、刑事ものドラマの演出みたいに「こわいところ」として描かれてたし、コロサルがあるスクレ県は「ゲリラ地帯のまっただ中にあって、近づくこともできなかった」とある。

両方とも行ってみたけど、何も起こらなかった。日本から来た新聞記者に「もし何か起こったら大変」だから、現地の人々は(責任も取りたくないし)なるべく「どこにも行かない」ことを薦めるんだと思う。

「撃たれなかった?」

帰ってきたら、そう言った人がいた。コロンビアのイメージは、テロ、ゲリラ、マフィア、麻薬の国。そしてサッカーで自殺点を入れちゃった選手が殺された事件も…。30分歩けば、殺人事件のひとつやふたつ目撃しちゃう…って本気で思ってる人もいるかもしれない。確かにゲリラもテロもあるし、麻薬と経済の結びつきも深刻だけど、コロンビアにはいいところだっていっぱいある。世界一の大国がプロパガンダとして流す「コロンビアは悪い国」って情報は「真実」ではないとわたしは思う。

でもだからってコロンビアに行くことを薦めているわけじゃない。「たいていは何も起こらない」けど、「起こるかもしれない一触即発状態」に置かれていることは否めないから。外務省はコロンビアに「観行旅行延期勧告(危険度2)」を出している(99年3月現在)。

ちょうどわたしが旅行していたときに、コロンビアで地震があった。心配してくれたともだちが外務省に電話をかけて安否を確認しようとしたけど、「個人旅行者に関してはまったくわからない」とキッパリ言われたって話を聞くと、改めて個人旅行のリスクを考えちゃう。

特に陸地の移動(バスなど)をするときは、最新情報を現地で確認すること!がとっても大事。長距離バス、夜行バスは、絶対乗らないって決めてた。山中のゲリラの支配地域を通ることが多いし、夜は危険が100倍だからね。

今になってみると笑い話だけど、コロサル(ゲリラに掌握されているといわれる町)に行く前の晩、「祈りなさい」と言われて、ひざまずいて祈った。ラテンアメリカ人と話していると、「神様が望むなら」「神様のご意志のもとに」ってよく言うけど、ラテンアメリカを旅行していると、神様の御加護や力を必要とするときが本当にある。

あと、コロンビアの泥棒などモノ盗り的な治安は、場所によっても全然違うけど(カルタヘナにはたくさん観光客がいた)、まあ全般的には南米の中でもよくないほう。気持ちを南米仕様に切り替えたほうがいいと思います。

関連リンク
首都ボゴタにゲリラが迫った コロサル〜うたかたの町
コロンビアなひとびと 踊れ!踊れ!カーニバル

 


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