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11/8/1999 |
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ベネズエラ完結篇スペシャル ベネズエラなオトコたち
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バスは海沿いの気持ちいい道をカッ飛ばし、1時間くらいでカラカスに着いた。降りるとき、お金を払おうとしたら、「もうもらったよ」とドライバーが言う。 「えっ? 誰が払ってくれたの?」 「ほら、その人」と、ドライバーくんは目で示した。そこにはスーツを着て、ケータイを持った紳士が立っていたのだ。東京じゃそこらじゅうスーツを着た人だらけだけど、ラテンアメリカでスーツを着てる人ってそんなにいない。いいお仕事してるのね、きっと。 お金を返そうとしたが、彼はどうしても受取らない。それどころか、荷物も持ってくれるという。ま、お金はいいとしても、荷物を持ってもらうのはためらった。初めてのカラカスだし、何が起こるかわかんないし…。 「疑っているのかい?」 わたしの心を見透かしたように、それでいて悲しそうに彼は尋ねる。 「いやいや、そんなんじゃなくて、そこまでしてもらうなんて、あんまりにも迷惑だろうし…」ズバリと言い当てられて、わたしはジタバタと言い訳した。すると彼は柔らかな微笑みを浮べながら、持っていた本を胸に当て、本のタイトルを示した。 「EL NOMBRE DE DIOS(神の名の下に)」 ああ、疑ってゴメンなさい! 神様の力は偉大で、わたしたちはいっしょにタクシーに乗ることになった。 「セニョール、お願い!タクシー代だけは、払わせて!」 「セニョールなんて他人行儀な呼び方はやめてほしい。わたしの名前はセザール。さあ、セザールと呼んで…」 会ってたった5分で、完全にテレノベラ(ラテンアメリカの超連続メロドラマ)の世界に突入した。かと思ったら、タクシーに乗ってしばらくすると、セザールとドライバーは、別の世界に行っちゃった。ベネズエラの交通システムだかに関して、侃侃諤諤の議論が始まり、止まらなくなった。「キミは間違っている!」なんて強い調子で言いながら、口泡状態。 で、タクシーを降りると、セザールは元の「神様の愛に溢れた彼」に戻った。お礼に日本チックなコースターを1枚差し上げたら、コースターを胸に当て、「CORAZON(こころ)」と囁きかける。このコントラストのすごさ…。こうして「愛と激情のベネズエラ!?」は始まった。 関連リンク テレノベラ その2 「部屋を代えてくれない?」 「じゃ、フロントに電話してごらん」 フロントはめんどくさがっていたが、「わたしはセキュリティのある部屋に泊まる権利がある!」と強い調子で言ってみたら、渋々ながら代えてくれることになった。この「〜する権利がある!(TENGO DERECHO DE...)」っていうのは、テレノベラでよく使われるフレーズ。テレノベラもこんなときには役に立つ。 で、ポーターのアレハンドロといっしょに別のお部屋に移動したが、ここもまた鍵が閉まらない。 「ここは4階だよ。こんなとこまで昇ってこれるのは、猿男くらいのもんさ」 お気楽なアレハンドロは、自分で言って自分でウケてた。猿男がいるかどうかは別として、また別の部屋を要求する気力は残ってなかった。ま、いいか…と思っちゃうから、テレノベラみたいな骨肉の争いには巻き込まれない、わたし。 落ち着いたので、メル友ヘンリーくんに電話をすることにした。が、つながらない。ケータイだからかしら。フロントに聞きに行こうと部屋を出たら、ポーターのアレハンドロがいた。偶然??? 「このホテルはダイヤル式の電話だから、ケータイにかけるんだったら、オペレーターを通さないとダメだよ。オペレーターにつなげるにはね…」 と言いながら、彼はずんずん部屋に入ってきた。で、今度は電話と格闘になる。オペレーターに電話をかけ、ケータイの番号を伝えて、いったん切る。しばらくしてオペレーターが折り返しかけてきて…。途中で切れたりするから、1本の電話をかけるための、この努力! その間じゅう、アレハンドロはわたしの後ろにいて、ときどきわからないくらい微妙に、お尻をちょっと触ったりする。「やめて!」って目で言うと、部屋を出ていき、氷と水を持ってくる。で、またお尻を…。電話が終わっても「ボクの名前を日本語で書いて!」とか、「この字はどういう意味?」とか、いろいろ尋ねて、立ち去らない。やっと出て行きそうになったかと思うと、キスする。キスしたから出て行くかと思ったら、出て行かない。出て行きそうになる、キスする…、延々こんなことしてた。 でもなぜか悪い気がしない。彼は非常にカッコよく、色気もある。「女好きさ!」って(言わなくても)カラダで伝えてきて、ちっとも悪びれない。もしかして、ベネズエラのオトコって、セクシー??? 関連リンク テレノベラなスペイン語 その3 ベネズエラ人のオトコがセクシーって、ステレオタイプなイメージかもしれない。日本人のオトコはまじめ、日本女性はおとなしいとか…。 でもオイルの塗り方から、キスまで、やたらとセクシー。あっ、溶けるかも…。 関連リンク パラダイスなロス・ロケス諸島 その4 めんどくさくなってCD屋に入ったら、インストア・イベントをやっていた。生演奏もしゃれたアコースティック系で、カッコいい。警備員に尋ねてみたら、なんとロス・アミーゴス・インビシーブレスだって!!! 彼ら、日本盤も出てるベネズエラの、ま、一言で言えばミクスチャー系のバンド。ロック、ボサノバ、ラウンジ、ヒップホップ、テクノ…、いろ〜んな要素を混ぜあわせて、とってもクールな音をつくってる。一番有名な曲は、"SEXY"!!! これはJ-WAVEでも、去年の夏あたり、けっこうかかってたの。 サイン会が始まると、一瞬にして長蛇の列…。でもラテンのいいところは、整理券なんて配らないこと。並んで、待ちさえすれば、誰でもサインしてもらえる。しばし考え、並ぶことにした。30分後、ロス・アミーゴス・インビシーブレスは、わたしの前にいた。 ぜったい失くさないもの、日本のパスポートを差し出すと、驚きの声が上がった。「ほら、見ろよ、日本のパスポートだぜ!」。彼らは心した面持ちで、やや神妙に、そして丁寧にサインを書き始めた。「キミはスーパー・ジャパニーズ」「愛をこめて」「遠いところのともだちへ」「日本で会おう!」「地球の裏側のともだちへ」…。ひとりひとりがそれぞれの言葉でメッセージを書いてくれる。 有名なバンドなのに、全然奢ったところがない。ちゃんとした紙を持ってなくて、ペーパーナプキンを差し出した女のコがいたんだけど、彼らはナプキンにも一生懸命サインする。強く書き過ぎて、ひっかかっても書き続ける。サインしてもらったのに、また戻ってきてキャーキャー騒いだり、質問したりするファンにも、嫌な顔ひとつせずに応対する。なんていいコたちなんだろう…。 「日本の音楽、いろいろ知ってるよ。ピチカート・ファイブ、坂本龍一、ユナイテッド・フューチャー・オーガニゼーション、ソウル・ボッサ・トリオ…」 坂本龍一はともかく、ユナイテッド・フューチャー・オーガニゼーションやソウル・ボッサ・トリオなんて、どうやって手に入れるんだろう???「アメリカ経由とか…」って言ってたけど、彼らのCDを聴くと、日本人の男のコの声が入ってるから、おともだち経由かもしれない。 「日本には来ないの?」「日本は遠いからなあ」「いや、今年中には行けるかも…」。 1999年ももうすぐ終わる。まだ彼らは来日してないけど、こうやって彼らが書いてくれたサインを見てると感動が蘇り、どうしてもライブが見たくなってくる。彼らを日本に呼ぼう!キャンペーン、やってみようか??? 関連リンク LOS AMIGOS INVISIBLES 彼らと撮った写真を見る その5 で、カラカスの中心地にあるLINCON SUITEという5つ星クラスのロビーで、待ちあわせしたんだけど、ちょっと遅れて到着したら、それっぽい人がいない。キョロキョロしてたら、フロントの女性が、「その人なら、外で待ってるわよ」と教えてくれた。正面エントランスの外を見ると、真っ赤なスポーツカーが停まってた…。トヨタのセリカ!!! 彼って、青年実業家だったのね。そういえば、メールでそんなようなことを書いてたっけ。まだ20代後半なんだけど、風格あるし、エスコートも手慣れたもん。問題は…エスコートされる側のわたし。もうちょっとちゃんとした格好してくればよかった。そうすれば、ぜったい!テレノベラになったのに〜!!! 彼のクルマに乗って、彼の知り合いの旅行代理店に行き、ツアーのアレンジとかして、夜、遊びに行くことになった。 夜になり、再び彼のクルマに乗り込むと、ラジオをつけた。ちょうどそのとき、プロ野球の優勝争いやってたのね。野球中継聞きながら、力んでひいきのチームを応援したりするかと思えば(万国共通)、急に詩人になったりする。例えば日本の『荒城の月』を「水に落ちた雫がゆっくりと水面を拡がっていくような曲」なんて形容してみたり…。やんちゃ+インテリなとこが、魅力的だ。 彼行きつけのロックバーに行くと、80'Sなバンドがライブやってた。昔、スペインにALASKA Y DINARAMAって、ユニットがあったんだけど、共通の思い出の曲とかあって、盛り上がった。こんな遠い国で初めて会って、こんな展開になるなんて、音楽って偉大…。さらに日本好きで感じいいベネズエラ人女のコ2人組も加わり、盛り上がりは深夜まで続く…の巻。 ホテルまで送ってくれたとき、一方通行が多くて行ったり来たりした。めんどくさくなった彼、いきなり逆走し、言った。 「ボクって、ベネズエラのオトコでしょ? イエス?それともノー?」
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