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05/20/2002


そして、トバゴが駆け巡る


<到着3日め>
朝食後、タクシーでStore Bayに行き、グラスボート・ツアーを予約。出発までちょっと時間があったので、ビーチでのんびりすることにした。「1時間だけなら、タダでいいよ」って、ビーチベッド貸し屋のおじさんは言ってくれたけど、ほんの気持ち3トリニダード・トバゴ・ドル(約60円)だけ渡した。

ちょっと少なかったかな。あと1足して、4トリニダード・トバゴ・ドル、渡せばよかった!? 日本じゃないから、数字の縁起は関係ないし・・・。と書きながら、我ながらみみっちいー!って思う。でも、あるでしょ。海外で、現地の物価が安くて、「1ドル」とか言われると、すごーく高いような気がするんだけど、帰ってきてみると、なんだ、20円の差か、なーんてこと・・・(言い訳)。

グラスボート・ツアーの参加者は、ほとんどがスウェーデン人たちだった。時は3月初旬。かの地では、マイナス14c゚だそうだ。

ボートは、Store Bayを出て、Pigeon Pointに立ち寄り、Bucco Coral Reefへ。ここは有名なシュノーケリング・ポイント。雲ってきて、ちょっと寒かったけど、海に入った。アクア・シューズが支給されたので、足ヒレはなし。波風があるので、流されそうになる。流された拍子に珊瑚でこすらないように、気をつけながら泳いだ。珊瑚でこすった傷って、治りにくいんだよね。そんなわたしの心配をよそに、30cmくらいの、大きな平たい魚が、ゆったりと泳いでいく。

グラスボートに戻り、再びクルーズ。次はグラスボートに乗ったまま、コーラル・ガーデンを見学する。グラスボートの底に、球形の巨大な珊瑚が積み重なるように、延々と拡がっている。透き通るような、鮮やかな青い色をした魚が、「ホントの主役はあたしよ」なんて顔をしながら(?)横切っていく。ボートはゆっくりと、かなり長い時間、移動していくが、海中庭園は終わらない。

ツアーのメイン・イベントは、Nylon Pool。ビーチからちょっと離れたところにある浅瀬で、まるで天然のプール! むか〜し、「トロピカル」「ターコイズ・ブルー」「さらさらの白い砂」・・・そういう言葉にすっごく強い憧れを持ってたときがあった。ここには、そういうすべてがある。うすいターコイズ・ブルーの海、透けて見える真っ白な砂。水深は1mあるか、ないか。夢に見たパラダイスは、ここだったのかも。しかも、このNylon Poolで泳ぐと、10歳若返るんだそうだ。「不老不死」とか言われるより、10歳って現実的な数字だしね、泳いでいると、だんだんその気になってくる。ただ、寒いんだよね。それで、ときどき、現実に引き戻される。

スウェーデン人たちは、バーベキューをすると言って、どこかのビーチで途中下車した。わたしはStore Bayに戻って、ローティを食べた。今日はエビ・ローティ。毎日、ローティ。

ローティって何?

午後はまた、スカボロへ。昨日、初めて行ったのに、デジャヴみたいは不思議に懐かしい感覚に包まれた、大好きな町。

スカボロについて、まだ読んでいない

今日は、丘に登ってみた。頂上近くには、植民地時代の名残、大砲台があるそうだ。サンダルで歩きにくかったので、ゆっくり登った。遠かった。坂の脇には、カリブ的で、アフリカ的で、イギリス的、どこか知らない国にいるような、童話チックでもある家々が並ぶ。廃屋もある。廃屋はここでも、静かに佇んでいた。自分が持つ歴史をまったく語ろうとせずに、朽ちていく。でもその姿を見て、昔を想像することはできる。昔、大家族が住んでいて、たぶんお手伝いさんもいて、子供たちが走っていて・・・。ほぼ頂上まで辿り着いて、公園からパノラマな景色を見る。もうすでに懐かしい、トリニダードが見えた。

2001年ラテンな旅インデックスに戻ってトリニダードを読む

スカボロの町の中心に戻り、お腹が空いたので、屋台のハンバーガー屋さんの列に並んだ。人気の屋台らしく、人だかりができている。ライセンス・カードをつけた女性は、挨拶したり、笑ったりしながら、手早く次々にハンバーガーを焼いていく。表情が豊かなんだよね。「額に汗して働く」って言葉が、そういえばあったっけ。策略とか、ない。これが正しい道なんじゃないかって、思う。強い陽射しのもと食べた、肉厚で具沢山、おいしさに対する自信と誇りと愛情たっぷりのハンバーガーは、サイコーにおいしかった。

<到着4日め>
朝10時ごろ、ジュリエットたちが迎えに来てくれ、トバゴ島内ドライブへGO! ジュリエットは、トリニダードでいっしょにカーニバルに参加したソフィアのおともだち。友達の友達は・・・状態で、どんどんつながっていく。ジュリエットは以前、ソフィアが現在勤務している会社にいて、出張でソフィアがトバゴに行ったとき、知り合ったんだそうだ。

同行者は、ジュリエットの息子リッキー(12歳)、ジュリエットの旦那かと思ったら実は違った、推定年齢32歳?のクリス。マイク・タイソン似の彼、でも目元は日本人のともだちに、なぜかソックリ。

−クリスの日産車でまわった、この日のドライブ・コース−
トリニダード・トバゴは旧英国領なので、左側通行。なので、クルマは日本仕様の右ハンドルでした。ウチのクルマも日産なので、なんかミョーに親近感が沸いたりして。

Plymouth〜「謎の墓石」という名所?がある。1783年に23歳で亡くなったBetty Stivenさんの墓碑には、意味不明の文章が・・・。「そうなのよ、意味がわからないの。だから謎の墓石なのよね。ま、それだけのことなんだけど」とは、ジュリエットの弁。

その後、山道をかっ飛ばし、Mt.Thomas、Moriahなどの町を通る。クリスが、セリーヌ・ディオンなどが入ってるコンピCDをかけていたら、ジュリエットに大ひんしゅく。ローリン・ヒルに替わった。

Castara Bay〜年季の入ったパン焼き釜で、おばあさんたちがパンを焼いていた。雪で作る「かまくら」みたいなカタチをしている。大きなパンが4個セットで8トリニダード・トバゴ・ドル(約80円)。早くもお腹が空いたので、4個買って、みんなで食べた。味は、目が粗くて、ザックリ、皮に歯ごたえある感じね。

Englishman's Bay、Parlatuvier Bay〜いくつか、見晴台から海を見て、特に絶景だったのが、この2つのビーチ。崖の上から見ただけだったけど、息を呑むほど、きれい。まさにシークレット・ビーチ! 人影はなかった。

この後、島を西から東へと横切り、厚く茂る熱帯雨林にかこまれた道を、ひたすら走る、走る! 山道はひんやりと涼しかった。東側に出て、Roxboroughという漁村を通り、Speysideを抜け、Charlottevilleへ。トバゴは、航海の要所だったので、スペイン、オランダ、イギリス、スペインなど、ヨーロッパの列強たちが奪い合い、次々と支配者が変わったので、いろんな国の地名が残ってる。Charlottevilleは、のんびりした漁村でした。

Speyside〜ジュリエットがグラスボートをまるごと1艘借りる手配をしてくれていて、3人で乗り込む。グラスボートの貸し切りって、初めて! 屋形船のトロピカル・バージョン?! それにしても、「トロピカル」って言葉、最近、使わなくなったよね。

そして、今日もシュノーケリング! グラスボートで、リトル・トバゴという、その名の通り、小さい無人島?の近くまで行く。今回はちゃんと足ヒレがあったので、流されにくく、コントロールしやすい。スポットライトなんとかっていう極彩色の魚にも会えたし、青い大きな魚の大群といっしょに泳いだりもした。お魚になったわたし・・・状態で、そして、世界は止まる。

わたしの世界が止まっている間、ジュリエットたち3人は、グラスボートで待機?していた。クリスは、ちょっと海に入ってたけど。アクア・シューズを履いて珊瑚の上歩くと、珊瑚が傷ついちゃうし、やっぱ、足ヒレがいいよね。昨日のツアーは平均年齢高かったから、アクア・シューズだったのかな。

陸に上がると、国鳥のひとつだというCocolicoが待っていた(!?)。でも、シャイなんだよね。木の枝に隠れていて、こっちから見ればあっちを向き、あっちからから見ればそっぽ向く。

帰りはRoxboroughを通って南下、スカボロ(Scarborough)に戻り、昨日、歩いて登った大砲台に行った。公園でしばしのんびり。

別れ際、ジュリエットは言った。「あなたはわたしとリッキーが初めて会った日本人なの」。特に子供にとって、「初めて会った日本人」っていうのは、たぶん、一生忘れない存在になるんじゃないかな。わたしは彼にどんな印象を残したんだろう??? 

ジュリエットとは、ここしばらくメールのやり取りをしていなかったから、久しぶりにメールしてみた。トバゴに愛を!


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