ホーム音楽・映画系 ラテンもの インデックスラテンダイアリー2005

ラテン・ダイアリー 2005


新春、決意も新たに!?このコーナーを新設しました。新しく見つけたラテン系の音楽や映画のことを「な〜に言ってんだか」的に書いていこうと思います。

このホームページに載せている内容は、サラッと書いているように見えるかもしれないけど、実はないアタマ振り絞ってるので、いろいろ書こうとすると時間がかかる。時間がかかると思うと、ついつい先に延びる。そのうちタイミングが大きくズレる。結局紹介しそびれる・・・。このところそんなことが続いていたので、更新がカンタンなブログ系にしました。

このサイトを立ち上げたころはインターネットでもラテン系の情報は少なかったけど、今は検索すればザクザク出てくる。映画だったら、オフィシャルサイトもすぐ見つかる。そんなわけで、内容はあっさりめです。

2005年12月4日(日)CLAZZIQUAI PROJECT、そしてFREAK DO BRAZIL
寝坊して、海に着くのが遅くなり、やっとウェットに着替え始めたときに、J-WAVEから流れたのがCLAZZICUAL PROJECTの"STEPPING OUT"という曲。日常に起こるほとんどすべてのコトは、すぐに「すごくいい」のか「どーでもいい」のか、勘が決めることが多い。このCLAZZIQUAI PROJECTは、ほんのちょっと聞いただけで、ノックアウトされました。カッコよくて、スタイリッシュで、洗練されてて、ポップ! アルバムを聴くと、加えてボッサ・テイストあり、ピチカートのフレーバーあり、しかも全曲ハズレがない! 今年購入したCDの一番になることはほぼ確実。レインボー・ブリッジとか、東京の夜景にもピッタリ!あいます。

グループ名は造語だそうで、クラシックとジャズ、そしてグループの融合を意味するんだそうだ。ジャミロクアイに大きな影響を受けたというのも納得。ヨン様も並みいるイケメン俳優たちも、いまひとつピンと来るものがなかったけど、韓国の映画はすごい!そして韓国のクラブ系ミュージックも!!!

FREAK DO BRAZILは、m-floの☆TAKU
が大絶賛!彼がお薦めする音にハズレはない。☆TAKUがナビゲーターを務めていたラジオ番組で"MARE GRANDE"がかかったとき、一気にブラジルへ飛んでいきました。でも、このプロジェクトは、イタリアもの。言われてみれば、これだけベタなブラジリアン・サウンドは、ブラジルじゃ作らないよね。

聴いていくうちに蘇ってきたのは、1970年代後半のディスコ・サウンズ! ULTIMATEの"愛でブラジル"とか、GIBSON BROTHERSの"灼熱のキューバ"とか。あと、当時のイタロ・ディスコ、ユーロ・ディスコ系で、こういうラテン/ブラジリアン風味の曲、いっぱいあったんだよね。

"MARE GRANDE"は、VICTORIA FRIGERIOというブラジル人の女性シンガーが歌っていて、彼女、すごーく魅力的。伸びもいいし、開放的だし、パンチ!もあって、キレもいい。この曲は2002年リリースだそう。今さらながら・・・だけど、聞けてよかった。わたしのカラダはひとつ、1日は24時間で有限だけど、いい音楽は世界中に無限にある。

このFREAK DO BRAZILとCLAZZIQUAI PROJECTを、CD2枚入れるとギリギリな128MBのMP3プレイヤーに入れて毎日聞いてる。言葉も出身地も全然違うけど、この2枚は絶妙に合う。

それにしても、書きながら、昔の「ディスコ・ヒッツ」について、いろいろ検索してたら、まあ、出るわ、出るわ。クラクラしてきました。情報も無限!?

次回はNATALIA Y LA FORQUETINAを紹介する予定です。2年前、衝撃的にデビューしたNATALIA LAFOURCADEが、バンド結成! これって、誰かに似てる???

関連リンク 抱きしめたくなるアルバム! ナタリア・ラフォルカデ

2005年10月24日(月) 東京国際映画祭開催中!『落第』を見逃さないで!
「オタク」で「デブ」、冴えない高校生活を送るロベルトの前に、突然現れた美少女転校生クリスティーナ。ハートを射止めようと、一心不乱、彼女に心を尽くすロベルト。しかしそんな彼に、スポーツ万能の優等生、実は学園の裏番長フェレの魔の手が伸びる・・・。さぁて、ロベルトの運命はいかに!? 

なーんて書くと、まるで昔々の学園ドラマなストーリー。でも、とにかく「ポップなテイスト」がすごい! ちょっと遅れて会場に着いたとき、ちょうどオープニングの登場人物紹介のシーンだった。その瞬間、これは、アタリ!って確信した。感覚的に、ポンポン先に進むリズム感が小気味よくて、こりゃ、監督若いな・・・って思った。

で、映画が終わってティーチインに監督登場!して、ビックリ。なんと、弱冠
22歳。映画を見ても、本人が登場しても、どう見ても考えても22歳には思えないんだけど、すっごい才能にノックアウトされました。すでにハリウッドからもお声がかかっているという、チリ人のニコラス・ロペス監督、この名前は覚えておきましょう。

まだ間に合うかも!? この作品は、
10/26(水)1850〜 六本木ヒルズのVIRGIN TOHO CINEMAS Screen 3 で上映されます。お仕事ほっぽってでも、見に行く価値あり!

予告編は、東京国際映画祭のオフィシャルサイトで見られます。
http://www.tiff-jp.net/

2005年10月10日(月) Yahooでビデオを見る
最近は日本のサイトでも音楽情報がいっぱいあるけど、ラテンのビデオを見るなら、Yahooの海外サイトが充実しています。

1)http://launch.yahoo.com/ (英語)
アメリカのLAUNCH Music on Yahoo!。でも、ちゃーんとラテンのカテゴリーがある。ラテン系のビデオを見るのも表示は英語なので、(スペイン語よりは)入りやすいと思います。ただ、基本的にログイン登録が必要です。曲の合間に広告あり。

2)
http://espanol.launch.yahoo.com/ (スペイン語)
スペイン語のLAUNCH Music on Yahoo!。ラテンアメリカの曲が充実していて、レゲトン・コーナーもあります。おすすめは、去年の曲なんだけど、AZUL AZULAPRETAITOBUSCARVIDEOを選択し、AZUL AZULと入力し、IRをクリックすると画面が変わるので、そしたらAPRETAITOの文字をクリックすれば、とってもセクヒーなビデオが見れます。

この曲は、アメリカの
LAUNCHでは「あなたの地域では、このビデオは提供されていません」というエラーが出て、見れないんだよね。(2005/10/10現在)


3)
http://es.launch.yahoo.com/ (スペイン語)
スペインのLAUNCH Music on Yahoo!。アメリカにも、ラテンアメリカにもないスペインのアーティストのビデオが見れます。たとえば、FANGORIA80年代のわたしのミューズALASKAがつくったユニットです。長い月日が流れても、こうして彼女の新しい曲が聞けて、ビデオが見れるなんて、しあわせ。特に、MIRO LA VIDA PASARという曲がおすすめ!歌詞もいいしね。「ステキな誘惑だって、最悪な結果になることもある。そして、その間、わたしは人生が過ぎていくのを見ている・・・」。

最近は
80年代後半から90年代前半の聴いてたフランスやスペインの音楽をよく聞いてます。MECANOMAURANEPAULINE ESTER・・・。最近、ラジオでスペインやフランスの新しい音がかかることは滅多にないので、じゃ、ネットで探しに行こうと、まずアメリカのhttp://launch.yahoo.com/ に入ったら、PUSSYCAT DOLLSというガールズ・グループがフューチャーされてた。ついフラフラとビデオを見てみたら、名前のとおり直球でのけぞった。古今東西、普遍なのね。1987年のヨーロッパだったら、SABRINA。肉球弾丸、ストレートなお誘い系。

で、本命のフランスへ。
http://fr.launch.yahoo.com/ 英米のアーティストがメインでフューチャーされていて、フランス語の曲を試してみると、バラードだったり、R&Bだったりして、(かなり)違うんだよね。そうこうしているうちにMOBYがでてきたりしてね。求めてたのは「シャンソンの香り漂う女性シンガー」なんだけど、MOBYは好きだな。FUJI ROCKのステージもよかったし!

で、次はエレクトロのカテゴリーにあった
GOLDFRAPPというグループのOOH LA LA STRICT MACHINETWISTという曲を聞いてみた。これまた求めていたのとは違うけど、とってもカッコよかった! ドナ・サマーとブロンディがエレクトロ、テクノ、トランスのフレーバーをちりばめて、70年代、80年代、90年代、そして21世紀を行きつ戻りつしてる感じ。そんなことしてると、時間はあっと言う間に過ぎ、夜は更ける・・・。

<オマケ>itunes
夜中にビールを飲みながら、急に「この曲聞きたい!」とか思ったときに、ホントに便利です。最近、購入したのは、ウルフルズ、
FAT BOY SLIMbonobos・・・。

画面の下にある「国を選ぶ」で、たとえばスペインを選択すると、スペインの
itunesサイトに行けて、いろ〜んな曲を試聴できるんだけど、「スペインで発行されたクレジットカードがないと、スペインのサイトの曲は購入できない」んだよね。むかし、スペインにいたときに作ったクレジットカードはあるけど、とっくに有効期限は切れてるし、スペインにカード作りに行くなら、CD買ってくるもんね。

あんまりニーズはないと思うけど、日本のクレジットカードで、スペインとか海外のローカルな曲が買えるようになったら、感動するだろうな。
itunesには、「日本のクレジットカードでスペインの曲が買いたい!」と、リクエストを出しておきました。


2005年7月24日(日)ボリビア映画って、見たことある???
「最後の庭の息子たち」7/308/5限定、渋谷ユーロスペースで公開!

大国資本と結びつき、私腹を肥やす政治家、永遠に続くのではないかと絶望しそうなほどに絶対的に存在する貧富の格差。そして青年はある「行動」を起こすのだが・・・。

グローバリズムという「言葉」のもとには、どれだけの悲劇が存在するのだろう。いま、世界中で起こっている「事件」を、別の視点から考えるヒントがたくさんある映画だと思います。「人民の力」というキーワードがある。征服しようとする「力」に、抗い続けることが、充分にできる「ちから」。

オフィシャルサイト 
http://www.jca.apc.org/gendai/ukamau/jardin/page/top.htm

2005年7月10日(日)ベネズエラで撮った写真がNHKで全国放映されました!

NHK名古屋放送局の方から、ベネズエラのエンジェル・フォールの写真を借りられませんか?というメールをいただきました。7/8(金)122012:43に放映される総合テレビ「お昼ですよ!愛・地球博」で、アンデス共同館を特集するので、その中で写真を使いたいとのこと。二つ返事でOKし、いよいよ!NHKで全国デビュー!と相成りました。

実際には、アンデス共同館のスタッフの方が「その写真」を手に持って、ベネズエラの紹介をする1020秒間の放映だったんだけど、いい記念になりました。実家に電話し、ビデオも録画しちゃったりなんかして、・・・。ペルーのマチュピチュなどは、写真もよく見かけるけれど、ベネズエラの国宝?!エンジェル・フォールの写真は、なかなかないみたいです。

アンデス共同館は、ベネズエラ、エクアドル、ペルー、ボリビアの4か国による共同出展。「愛・地球博」の開幕から、なんと!50日も遅れて開館して、話題を集めました。ホント、ベネズエラじゃ、何かにつけていつも待たされたもんね。

関連リンク
エンジェル・フォールの写真
http://megmimi222.hp.infoseek.co.jp/viaje96/viaje99/viaje99fotoindex/vcanaima.htm

ベネズエラな時間と人々
http://megmimi222.hp.infoseek.co.jp/viaje96/viaje99/venezolanos.htm

2005年6月26日(日)今年の夏はやっぱレゲトンでしょ!

2003年の夏、キュワッと舞ったのはダンスホールの貴公子!ショーン・ポール。1年おいて、今年はさらにディープにレゲトン! DADDY YANKEEで発汗しましょ! 台風が近づいてきて、海が波立つときのザワザワしたドキドキ感がある音。

「レゲトン」という音を意識したのは、今年の冬、2月ごろだったかな。そして桜の季節、安室ちゃんがさっそく「レゲトン」を取り入れた ”Want me, want me”をリリース。でもそのころは、「レゲトン」って、ミッシー・エリオットあたりから流れてきてる音だと思ってた。展開したのは、5月ごろからJ-WAVEでもかかり始めた DADDY YANKEE”GASOLINA”という曲を聞いてから。これが「レゲトン」なら、まさしく「ラテンヒップホップ」の流れじゃない?

レゲトン」の「レゲ」は「レゲエ」の「レゲ」だっていうんだけど、リズムはトリニダードのカーニバルビート、「ソカ」や「ラガ」を倍くらいにゆっくりさせた感じ。「ソカ」はソウル+カリプソが、「ラガ」はレゲエとカリプソが合体したといわれている。「ラガ」は「ラガ・マフィン」とか、ジャマイカ系の音のほうが馴染みがあるよね。ジャマイカとトリニダードは、旧宗主国が英国で、同じ時期(1960年代前半)に独立したなど、共通点も多かったりする。

最近、MINMIがリリースした「サマータイム!!」のリズムは、とってもソカ。J-WAVEから流れてきたとき、トリニダードで買ってきたCDに切り替わったのかと思ったくらい。

で、DADDY YANKEE。プエルト・リコ出身の28歳、「レゲトン界の貴公子」と呼ばれています。音を聞いたときは、キョーレツにワルそうなギャングスター系を想像してたんだけど、ジャケット写真を見ると意外と(ゴメンなさい)育ちがよさそな、まさに貴公子。キワモノっぽい名前とは、かなりイメージが違った。

「エヤ・レ・グスタ・ラ・ガソリーナ」とDADDYが歌うと、女性の声が「ダメ・マス・ガソリーナ」と掛け合うこの曲「ガソリーナ」は、一度聞くと、このサビが頭の中でグルグルまわる。お気楽だけど、どこか不穏さが忍び寄ってくるようで、印象に残るんだよね。

最初に、レゲトンってラテンヒップホップの流れじゃない?って書いたけど、ヒップホップとラテンが融合した初期の金字塔!は、1991年に局地的なスマッシュヒットとなったGERARDO “RICO SUAVE”。このところ、何かとこの曲を思い出すことが多くて、カセット音源をmp3化し、毎日聞いている。そういう人は他にもいるらしくて、ちょっと前、J-WAVEを聞いてたら、ラジオネーム RICO SUAVEさん」のリクエストが読まれてました。GERARDOはカッコよかったんだけど、一発屋でした。そしてこの流れは、その後、PROJECTO UNOに引き継がれていった。

ラテンヒップホップは、メレンゲ色が強かったり、ヒップホップ色が強かったり、いろいろあるけど、今年になってメレンゲ系のいい曲を見つけた。1998年の曲なんだけど、LA FACTORIA DEL SABOR っていうグループの”VEN CONMIGO”。ワルそうなラティーノが続々出てきてね、かなりベタだけどカッコいい。

AZUL AZUL だってリズムはほとんどレゲトンだけど、彼らはトボけてるっていうか、切迫感がないっていうか、パッと聞いてレゲトンって感じはしないんだよね。彼らを聞いて思い出すのは、1994年にラテンアメリカでスーバーヒットになったNATUSHAという女性シンガーの”EL MENEITO”という曲。あと、AZUL AZUL のアルバムのなかには、メキシコの宝石!ラウラ・レオンの”DOS MUJERES UN CAMINO”みたいなアップテンポなラテン演歌みたいな曲もあったりする。

こうやって「レゲトン」をキーワードに過去の曲を引っ張り出しつつ、あっちこっち聞いていくと、ドンドン拡がっていく感覚があって楽しいし、「レゲトン」がこれからどんな風に進化していくかも楽しみ!

で、肝心のDADDY YANKEE”GASOLINA”は、横浜ベイスターズのクルーン投手のテーマ曲にもなっています。J-WAVETOKIO HOT 100では、いまのところ5/2942位が最高で、その後、6/562位、6/1272位、6/1986位とランクを下げてるけど、夏はこれからが本番。行け、行け、レゲトン!!!

2005年5月8日(日)「ウィスキー」そして「バッド・エデュケーション」
ウルグアイのある町。小さな靴下工場を営むハコボ。毎朝同じお店で同じ挨拶を繰り返し、朝食を取る。時代遅れの機械に囲まれて単調な日々が過ぎていく。彼の工場で長年働いているマルタは良きパートナーだが、必要以上の会話を交わすことはなかった。が、ハコボの母の1周忌で、ブラジルに住む弟のエルマンが久しぶりに帰国することがわかったとき、ハコボはある嘘をつく決意をする。すでに60代だが未婚の彼は、マルタに妻の役を演じるよう頼むことにしたのだ。短い共同生活を始める3人。そして何かが変わっていく・・・。

この作品は去年(2004年)の東京国際映画祭でグランプリ+主演女優賞を獲得した、本邦初公開のウルグアイ映画です。映画製作が盛んではないこの国では、今まで長編映画は60本ほどしか作られていないという。ジム・ジャームッシュや、カウリスマキに影響を受けた監督二人!の共同制作という珍しい形式で作られた映画です。しかもふたりともまだ30歳だそう。彼らによると、ウルグアイの首都モンテビデオは、陽気で明るい!ラテンアメリカのイメージとはかけ離れていて、メランコリックな街で、人々は地味で、少し物哀しいんだとか・・・。

向田邦子のテレビドラマが蘇った。間の取り方、たとえば、「はい」と答えるまでの、ほんのちょっとの間。あと、間違い電話がかかってくることがあるんだけど、ハコボが「間違い電話だ」と不機嫌に言うと、マルタが淡々と「よくあることです」と答える。このやりとりの呼吸と間は、今まで見たどんなラテンアメリカやスペインの映画にもなかった。小津安二郎の「東京物語」で、笠智衆と東山千栄子が演じた老夫婦の会話にも通じる間・・・。

でもこの映画はあんまり先入観を持たないで、見たほうがいいかもね。展開も結末も、見る人次第でどんなようにも捉えられるから。押しつけられることなく・・・。お芝居を中心に活動してきたという3人の役者さんたちも、みんなそれぞれ深い魅力があります。

この映画のスペイン語は、VOSも使うし、「ジャ」を「シャ」って発音したり、アルゼンチンに近いように思った。「マテ茶」も登場したし。なんか行きたくなっちゃったな、アルゼンチン経由でウルグアイ。11年前にアルゼンチンに行ったとき、ウルグアイまで足を伸ばせなかったんだよね。あの時知り合ったアルゼンチン人のおじさまとは今でもメールのやりとりしてて、「いつでもおいで。遠いから着くまで時間がかかるけど、いざ到着しちゃえば物価は安いよ」って言ってくれたし・・・。

あと、劇中にテレノベラの話題が出てくる。ブラジルに住む弟エルマンが知り合いの芸能人話を始めたことをキッカケに、マルタが「ブラジルのドラマ(テレノベラ)はゴージャスだわ。セットも出演者も」と、やや興奮気味に言うんだけど、エルマンは「ドラマはあんまり見ないんだ」と返す。マルタがひとり部屋でテレノベラにチャンネルを合わせ、すぐにリモコンで別のチャンネルに切り替えるシーンもあったっけ。テレノベラは「孤独」のキーワード・・・かな。

この映画は、宣伝担当の方からメールをいただいたことがキッカケで知りました。このサイトは営利目的ではないので、見たものすべて紹介するわけじゃないんだけど、「ウィスキー」はぜひ!ひとりでも多くの人に知ってほしいと思った。派手さはまったくないけど、丁寧に作られていて、いつの世も人間が向き合っている「孤独」を味わい深く描いたすばらしい映画。こういう映画を日本にいながらにして見ることができるなんて、感謝!感謝!です。

東京では、渋谷シネ・アミューズで公開中! 5月中旬より大阪・テアトル梅田にて公開予定。5月下旬よりシネカノン神戸、名古屋シネマテークにて公開予定。詳しくはオフィシャルホームページ http://bitters.co.jp/whisky/ でチェック!

そして「バッド・エデュケーション」。オマケっぽくなっちゃって申し訳ないんだけど、キリスト教の宗教観によるところが大きいこともあって、いろいろと考えてはみたけれど、正直なところ、どう書いていいのかわからなかった。「オール・アバウト・マイ・マザー」や、「トーク・トゥ・ハー」と比べちゃうと、感情移入し難い部分も多かったし。ただ、アルモドバルが10年かけて、試行錯誤を繰り返しながらこの映画を完成させたこと、その「意味」は想像できるような気がする。そして、この後、彼はどこへ向かっていくんだろう???って期待があります。

連リンク テレノベラ アルモドバル

2005年3月21日(月)トム・クルーズの新しい彼女は・・・

なんと!ソフィア・ベルガラ。彼女は、知り合いの友達の娘の幼馴染なんです(遠い・・・)。6年前、バランキージャという街に行ったときに初めてその名前を聞きました。バランキージャというのはコロンビア北部の商工業の中心地、比較的都会なんだけど、あまり彩りがあるとは言い難い地味めな街。そこから世界に羽ばたいたスター!が3人いるんだ!と地元の人が自慢げに語ってくれました。

まずは泣く子も黙るあの!シャキーラ。お世話になったお宅がある豪華マンションには、シャキーラの叔父さんが住んでいたりして、さすが地元。次はアンジー・セペダ。今まで見た星の数ほどある?テレノベラの中でもナンバー1の "LAS JUANAS"の主演女優、最近は、アメリカやヨーロッパの映画界で大活躍中です。そして、第3の女がソフィア・ベルガラでした。

彼女はもともとコロンビア国内でモデルをしていて、90年代後半にマイアミに行き、モデルやヒスパニック系テレビ局のショーの司会などの仕事をしていたんだそう。その後、ハリウッドに進出したわけ。エンリケ・イグレシアスと付き合っていたのは知られているけれど、コロンビア人のメル友によると、ルイス・ミゲルとも付き合っていたことがあるとか・・・。

INTERNET MOVIE DATABASE http://us.imdb.com のトリビアによると、離婚暦があり、1992年生まれの息子がいて、2002年の「102人のセクシーな女性」の56位にランクインされたそうです。さて、月並みな締めくくり方だけど、ソフィア・ベルガラ、第二のペネロ・クルスとなるか!?


関連リンク シャキーラ(2002年の来日ライブ・レポート)
アンジー・セペダが主演したテレノベラ LAS JUANAS 
エンリケ・イグレシアス(2000年の関係者パーティ潜入レポート)
世紀末な???中南米旅行(コロンビアの旅行記があります)


2005年2月20日(日)LOS AMIGOS INVISIBLES + saigenji
LOS AMIGOS INVISIBLES
ラテン系のシンガー、グループは数々あれど、一番思い入れが深いのが彼ら! っていうのも、ベネズエラのカラカスに行ったとき、たまたま通りがかったCD屋で彼らがインストア・イベントをやっていて、いろいろ話したり、パスポートにサインしてもらったりして、ホントに感じがいいコたちだったんだわ。
このアルバム "THE VENEZUELAN ZINGA SON VOL.1"は2003年の夏に日本盤が発売になっていたんだけど、買いそびれ、やっと!フルで聞きました。

最初の印象は、ぶっちゃけちゃうと、平坦なイメージ。今までの彼らのアルバムはおもちゃ箱みたいで、何が飛び出すかわからない、ある意味、荒削りさがあった。今回のアルバムは、彼らが持っているいろーんな要素のひとつであるラテン・ラウンジな雰囲気が前面に出てる。だから、聞き始めたときは、それがちょっとつまらなかった。いわゆる音の評価は高いだろうし、「まあ、立派になって・・・」って感慨すらあったにしても・・・。でも、聞きこんでいくうちに、これもありだなって思うようになりました。"Diablo"や"Bruja"といった際だったチューンを敢えてCDの後半にもってきたのも、彼ら流のジョークなのかも・・・って。

彼らの音を知らなかったとして、たとえば、彼のクルマに乗って、いきなりこのアルバムが流れてきたりしたら、「えっ、このグループって何者?」って、すっごくそそられると思う。だから彼も急上昇・・・みたいな。

関連リンク クールなベネズエラン・サウンド!LOS AMIGOS INVISIBLES


saigenji
長年?J-WAVEで聞いていた彼の歌と、ステージ上での彼の存在が一致するまで時間がかかった。中性的で浮遊感がある声と、ジョン・カビラの弟みたいな濃いぃ顔(だからといって、加平慈英に似ているわけでもない)、そして、高島忠夫のように(ドレミファドン、古いにゃ)「YEAH !!!!!!!」を繰り返す、エネルギッシュなMC・・・。わたしの中にあったsaigenjiは、ホセ・フェリシアーノの名曲のカバー "Golden Lady"とか、ソフトなイメージだったのね。だけど、目の前で歌っていた彼は、声こそやわらかいんだけど、猪突猛進系でした。

3時間近くにも及ぶ熱い!ステージは、終始一貫して、ホームパーティみたいな和やかで、親しみある雰囲気。ボッサなグルーヴが心地よくもあり、高揚感もあり。ひとつ、僭越だけど一言書いちゃうとすれば、後半、即興演奏が同じようなパターンになっていたので、逸る心を抑えて、2時間半弱くらいにまとめれば、ライブ後の充実感はさらに増大しそう。

ま、それはともかく、彼こそ!日本のブラジリアン音楽の BOSSA NOVA だと切に思った。ちなみにNOVAはポルトガル語で「新しい」の意味。BOSSAは(今さらながら、むかーし買ったポルトガル語の辞書で調べてみると)「魅力」「増大」と出ていました。BOSSA NOVA自体は、ニュー・ウェイブとか、ヌーヴェル・ヴァーグと同意語で使われることが多いけど、いずれも彼にピッタリ! 既存のボサノヴァのよさを踏まえつつ、ときに前衛、彼流の解釈をしっかりもっている。それでいて耳なじみがとってもいい。もっともっと彼の音が街中で流れる機会が増えればいいな。

ところで。移転したLIQUID ROOM はすっかり洗練されていた。新宿にあったころは、前時代的でインディースっぽくて「破壊」のイメージがあったけど、恵比寿は「安定」って感じだな。いまどき、いろんな場所がみんなキレイになっちゃって、それはそれでいいんだけど、ライブハウスは、もっと不安定的な要素があってもいいような気がする。メジャーどころはもうほとんど「安定」してるもんね。下北沢のシェルターあたりが狙い目!?

2005年1月30日(日)浜村美智子

浜村美智子 写真ひさしぶりに渋谷のタワーレコードに行った。新宿のタワレコやディスクユニオンより、いちばん好きで、気持ちが高揚する?のは、渋谷のタワレコ! 目的は去年の夏に買いそびれた LOS AMIGOS INVISIBLESの新しいアルバムだったんだけど、ふと懐かしくなって、トリニダード・トバゴのカリプソ・コーナーを見てみたら、浜村美智子のCDがありました。

浜村美智子といえば、ハリー・ベラフォンテの「バナナ・ボート」をカバーして、一世を風靡した歌手。1957年というから、さすがにわたしもリアルタイムでは知らないけれど、ジャケット写真を見て、ぶっ飛びました。カッコいい!!! CDの帯には「元祖ビジュアル・クイーン」「悩殺のアンソロジー」「蘇るエキゾチカ」などの文字が踊る。

で、CDを聞いてふたたびぶっ飛びました。オハコのカリプソから、ラテンもの、エルビス・プレスリーのカバーからジングル・ベルまで、さまざまなタイプの曲を歌っているんだけど、とにかく歌の表情が豊か!!! 凄みと迫力があって、奔放で開放的で野太くてワイルド。勢いがよくて、堂々としていて、気風もいい。それでいて曲によっては哀愁や郷愁も十分に漂わせてる。エキゾチシズム、南の島の風・・・。「バナナ・ボート」でデビューしたのは、18歳っていうから、オドロキ。のんびりした歌だけど「バナナ・ボート」は、バナナの荷揚げを歌った労働歌。よくよく聞いてみると、力強さと物悲しさをちゃーんと表現しているように思える。恐るべし・・・。

(関係ないけど、わたしはずーっと、「バナナの荷揚げだよ」という歌詞を、「バナナの土産だよ」だと思っていた)

1957年2月、銀座のキャバレーで歌っているところをスカウトされ、4月にデビュー、9月にはアメリカでレコーディングをして、当地でレコードも発売したっていうから、怒涛の勢い。

このCDには彼女が活躍した時代の背景も照らし合わせた、詳しいライナーノートが付属していて、興味深いことがたくさん書いてあります。当時、デビュー後わずか半年足らずでアメリカ・レコーディングという快挙を成し遂げたわりには、醒めてて、あっけらかんとした彼女のコメントとか・・・。

もう1月もおしまい、そろそろ冬もラストスパート! 今年は浜村美智子を聞きながらノスタルジックで、エキゾチシズム溢れる夏を過ごすのもいいかも。そうそう、ボーナス・トラックの「黄色いシャツ」も必聴です。1972年にカムバックした彼女が歌った韓国歌謡で、昔、おみずのバイトしてたとき、お客さんが歌ってたのを聞いて好きになった曲。これはこれで、また違った意味でのんびり昭和していて、なのにサビのベースがグルグル駆け回ってカッコいいの。韓流ここにもあり!

LOS AMIGOS INVISIBLES については、また次回、書きます。

連リンク トリニダード・トバゴ


2005年1月16日(日)フィト・パエス "Naturaleza Sangre"
今日は先週紹介した「ブエノスアイレスの夜」の監督フィト・パエスについて、ちょっと書いてみます。というのも、彼に関しては、とてもとても思い入れがあるので、書くとなると走馬灯状態になり、「溢れる想いをどう表現したらいいんだろう?」って書きあぐねたりする。

今回紹介するのは、彼が2003年にリリースした "Naturaleza Sangre"というアルバム。わたしが彼を知ったのは、もう10年以上も前、"El Amor Despues Del Amor"というCDだったんだけど、後になってこのCDは歴史的名盤だということを知りました。特にカエターノ・ヴェローソもカバーしてる "Un Vestido Y Un Amor"、名曲です。で、その後、"Circo Beat"という、これまた名盤を発表したんだけど、その後は・・・。だから、2003年に "Naturaleza Sangre"が出たとき、すぐには買わなかった。すっごい期待がいつでもあるだけに、ガッカリするのがこわかったんだと思う。

で、去年、タワーに行ったとき、ふと手に取って買ってみたら、すばらしかったんだわ、これが・・・。待った甲斐がありました。ガツン!と来たのは、"Urgente Amar"と"Oh Nena"。でも、目立たない曲なんだけど、"Los Restos De Nuestro Amor"っていう曲、これはジーンと心にしみます。

さっき、彼のサイト www.mundopaez.com (スペイン語)を
見てみたら、ライブ盤も出てました。ちょっとづつ試聴できて、"Un Vestido Y Un Amor"は、聴衆のコーラスがフューチャーされてるのね。いつかまたアルゼンチンに行って、彼のライブを見たい。そのときを想像するだけでも、ウルウルしてくるので、実際見れたら、号泣するかもね。夢がひとつ増えた。

関連リンク FITO PAEZ

2005年1月10日(月)「ブエノスアイレスの夜」(2002年 アルゼンチン)
アルゼンチン映画を2本続けて紹介できるっていうのは、すごいこと。巷ではラテンブーム!だそうで、わたしにとってはいつでもブームみたいなもんだから、巷は関係ないようなもんだけど、こうやってラテン系の映画がたくさん日本で見れるのは、ホントにうれしい。

1976年、アルゼンチンで起きた軍事クーデター。ジャーナリストの夫と共に軍部に逮捕され、拷問を受けた主人公カルメンは、祖国を捨て、スペインに移住する。死期が迫る父の財産分与のため、20年ぶりにアルゼンチンに戻った彼女は秘密の部屋を借り、カップルを雇い入れ、彼らが愛しあう「音」を聞いて、性的な快感を得ていた。心に深く大きな傷を受けた彼女は、聴覚が異常に鋭くなり、人と触れあうことも、愛することもできなくなってしまっていたのだ。若い男性の「声」に、運命的に惹かれるものを感じた彼女は、彼と実際に会うようになるが・・・。

主人公のカルメン役は「オール・アバウト・マイ・マザー」のセシリア・ロス。そして雇われる若い男性は、今をときめく!ガエル・ガルシア・ベルナル。しかも!製作総指揮は、フィト・パエス! 彼は1963年生まれ。アルゼンチンの国民的ロックスターで、ラテンアメリカではとても有名な存在。構想7年、自らのレコード会社を抵当に入れるほどの思い入れをこめて、この映画をつくったという。彼のことは、2003年に出したアルバムのことも含めて次回、また書きます。ちなみにセシリア・ロスとフィト・パエスはご夫婦の関係。

1976年から1983年まで続いたアルゼンチンの軍事政権の間に何が起こったかを、そんなに知識もないわたしが短いスペースでまとめてしまうのは申し訳ないんだけど、数え切れない人々が「行方不明」になった軍部による暗黒政治の時代・・・。このころのことを取り上げている映画としては、(現在、入手可能かはわからないけど)「オフィシャル・ストーリー」(1985)や、「タンゴ〜ガルデルの亡命」(1986)などの作品があります。

「ブエノスアイレスの夜」は、ガエルくんが出演しているとはいえ、地味な映画。こういう作品を一般公開してくれたことは、感謝!感謝!です。ラストシーンが、いつまでも心に残ります。


関連リンク FITO PAEZ

2005年1月3日(月)「ある日、突然」(2002年 アルゼンチン)
去年の夏に見て、すっごく気に入った映画です。ブエノスアイレスの洋品店勤務、冴えない毎日を送るマルシアは、ある日、突然、街角でレズビアン2人組に声をかけられ、拉致される。タクシーを強奪して向かったのは、レズビアンのひとりの大叔母が住む街。そこでは、思いもかけない出来事が待っていた・・・。

ゴダールを彷彿とさせるキメの粗いモノクロの映像。疾走するカメラワークと強烈なドライブ感。物語の前半のレズビアン2人組はアンドロイドのように無機質で残酷。いったいどうなっていくんだろう?とドキドキしながら見ていると、後半はうって変わって叙情的・・・っていうか、ある意味、テレノベラっぽい展開に・・・。

この映画を撮ったディエゴ・レルマン監督!彼は撮影当時26歳だったっていうんだけど、これからどんな映画を作っていくのか、すっごく楽しみ!

この映画は2004年の夏にシネ・アミューズでレイトショー公開されてたんだけど、そのころは、仕事+海でとっても忙しくて、気がつかなかった。でもあと数日で終了っていうときに(しかもたまたま映画の日の水曜日に)見に行けて、ホントによかった。強い陽射しでモノクロの画面に白っぽく映るブエノスアイレスの街のシーンが、印象的。




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